【公演レポ】下野竜也&札幌交響楽団が三大交響曲に挑戦!

2022年9月3日(土)、札幌交響楽団「森の響フレンド名曲コンサート~下野竜也の三大交響曲」が札幌・音楽の殿堂である札幌コンサートホール Kitaraで開催された。チケットは全て売り切れ状態の熱気を帯びた演奏会となった。

広島交響楽団 音楽総監督の任にあり、指揮と選曲の評価が高い下野竜也と北海道唯一のプロオーケストラとして親しまれている札幌交響楽団による「三大交響曲」。

プレトークで下野は「指揮者にとってこのようなプログラムはかつ丼・天丼・親子丼をいっぺんに調理するようなものです。」と三大交響曲を同時に指揮する大変さをユーモアを交えて語り、観客を笑わせた。

前半のベートーヴェン交響曲第5番「運命」はベートーヴェンが最も創作意欲が高かった時期の作品の一つ。下野のキレのよいタクトが冴えわたり、札幌交響楽団と力強い音楽を創り上げた。第四楽章は音楽の振幅が広いダイナミックな演奏が印象的。ラストは勝利のファンファーレが鳴り響き、観客は大きな感動の余韻に浸った。

後半のドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」は、鉄道好きなドヴォルザークがアメリカ時代に作曲した名曲で、第1楽章の冒頭部分は、ドヴォルザークが鉄道の音をイメージして書いたと言われている。

第一楽章はホルンによる第一主題の後、黒人霊歌が思い起こさせてくれるような柔らかなフルートとオーボエよる第二主題が奏でられた。第四楽章ラストは、トランペットが高らかに咆哮される劇的なエンディング。全体を通して、透明感と厚みがある弦の響きも素晴らしい。満員の観客で埋め尽くされた熱気を帯びたコンサートは、壮大なクライマックスの中での幕締めとなった。

下野竜也&札幌交響楽団は、ドヴォルザークの故郷であるボヘミアを彷彿とさせてくれるような心地よい空間と時間を提供し、大きな喝采を浴びていた。

写真提供:札幌交響楽団

■札幌交響楽団「森の響フレンド名曲コンサート~下野竜也の三大交響曲」

日時:2022年9月 3日(土)14:00~
会場:札幌コンサートホールKitara

指揮 :下野 竜也

曲目

シューベルト 交響曲「未完成」
ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ドヴォルジャーク 交響曲第9番「新世界より」

森の響フレンド名曲コンサート~下野竜也の三大交響曲 | 札幌交響楽団 Sapporo Symphony Orchestra-「札響」
2022年9月 3日(土)14:00~ / 札幌コンサートホールKitara
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