6月13日(木)2023/2024シーズンの最後を締めくくる新国立劇場バレエ団「アラジン」最終舞台稽古(ゲネプロ)を鑑賞した。「アラジン」は、2008年にデヴィット・ビントレー前芸術監督・振付家が新国立劇場のために創作した人気演目となっている。
同作品は、英国バーミンガム・ロイヤルバレエや米国ヒューストンバレエでも上演され、
空飛ぶじゅうたんやランプの精の登場など華やかな演出が大きな見どころ。初演以来、子供から大人まで多くのバレエファンに愛されてきたプロダクションです。
惜しくも今期限りで退団が決まっている福田圭吾は躍動感とエネルギーに満ち溢れ、コミカルな演技で楽しいアラジンを演じた。この上なく神経が行く届いた舞踏スタイルで多様なヴァリエーションをたっぷりと披露した。
撮影:鹿摩隆司
プリンセス役の池田理沙子は、キュートでフレッシュな役柄を演じ、観客を夢の世界へと誘った。丁寧な踊りを信条とする池田だが、年を追うごとに踊りの練度が増しているように感じられる。
撮影:鹿摩隆司
流麗なアラベスク、アティテュード、ピルエット、リフトなどが次々と披露され、池田理沙子&福田圭吾組の息がピッタリと合ったアダージオに大いに魅了された。
撮影:鹿摩隆司
ランプの精ジーンを踊った木下嘉人は、小気味よい回転技と演技でオーラ溢れるダンスを披露。パワフルなダンスで鮮やかに芸風を広げ、新国立バレエ団にとってなくてはならない存在だと印象付けた。
撮影:鹿摩隆司
サファイア役を踊った木村優里は、腕使いが優美。柔らかな動きでバレエの一つ一つのニュアンスを丹念に作り上げていた。
目の前で次々と展開する予想不可能な演出、美しく切ないカール・デイヴィスの音楽など数え切れないほど魅力が詰まった作品だった。躍動的で大人から子供まで楽しめるアラジン公演は2024年6月23日(日)まで新国立劇場で上演する。東京・新国立劇場上演後は、7月6・7日の日程で北海道・札幌文化芸術劇場 hitaruで公演される。
撮影:鹿摩隆司
■2023/2024シーズン
新国立劇場バレエ団
アラジン Aladdin
日程:2024年6月13日
会場:新国立劇場オペラハウス
STAFF:
【振付】デヴィッド・ビントレー
【音楽】カール・デイヴィス
【美術】ディック・バード
【衣裳】スー・ブレイン
【照明】マーク・ジョナサン
CAST:
アラジン:福田圭吾
プリンセス:池田理沙子
アラジンの母:益田裕子
サルタン:小柴富久修
ランプの精ジーン:木下嘉人
魔術師マグリブ人:中島駿野
アラジンの友人:小野寺 雄、宇賀大将
オニキス:佐野和輝、山田悠貴、上中佑樹
パール:廣川みくり、川口 藍、赤井綾乃
ゴールド:趙 載範、森本晃介
シルバー:吉田朱里、内田美聡
サファイア:木村優里
エメラルド:渡辺与布、花形悠月、小川尚宏
ルビー:奥田花純、渡邊拓朗
ダイヤモンド:山本涼杏
指揮:ポール・マーフィー
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
2024年6月『アラジン』告知映像|新国立劇場バレエ団