【公演Repo】“炎のマエストロ”小林研一郎、14回目のベートーヴェン交響曲全曲指揮で有終の美!

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12月31日、年末のクラシック音楽界 最大の祭典「ベートーヴェンは凄い!全交響曲連続演奏会2021」を音楽の殿堂・東京文化会館で聴いた。

ベートーヴェンの交響曲全9曲を1日ですべて聴いてしまうマラソン企画も今年で20年近くの歴史が経過し大みそかの名物企画として定着、人気を博している。

ベートーヴェンの交響曲を一日で全曲演奏するという企画は、クラシックの本場であるヨーロッパにもない、世界で類を見ない気が遠くなるようなもの凄い企画。日本人の勤勉な国民性とベートーヴェンへの熱意と愛情が、一日で全曲を演奏・鑑賞できる素地となっているのだろう。

今年は、「炎のマエストロ」こと小林研一郎によるベートーヴェン交響曲全曲指揮は、最後の挑戦となり、特別な感慨深い集大成となる演奏会となった。

昨年傘寿を迎えた小林はこれまでに13回の全曲指揮を完遂してきたが、今年もたった一人で全9曲指揮した。同コンサートは、2003年に岩城宏之らの指揮と在京オケの演奏でスタート。

オーケストラは、NHK交響楽団や東京都交響楽団などを主体するプロ・オーケストラ所属の腕利き奏者、コンクール入賞者らが中心となって特別に構成された「岩城宏之メモリアル・オーケストラ」。

コンサートマスターは、NHK交響楽団の第1コンサートマスター、“MARO”の愛称で知られている篠崎史紀。篠崎史紀は、NHK 教育テレビ「クラシック音楽館」の案内役、聞き手として著名な存在。楽団の顔として、1番から9番までで卓越した演奏を披露した。

岩城宏之メモリアル・オーケストラは特別編成のスーパーオーケストラだけあって、どの曲も素晴らしいが、コンサート後半になり、さらに調子をあげてくる圧倒的な演奏を披露してくれた。

とりわけベートーヴェン交響曲奇数番である3番、5番、7番、9番がドラマティクスかつ迫力満点。指揮の小林研一郎は、全曲完全暗譜で、オーケストラを自由自在に情熱的に指揮していた姿が印象的であった。小林のベートーヴェンにかける情熱が楽団員に伝播し、緊張感・切実感が増した「至高のベートーヴェン」が披露された。

ベートーヴェン交響曲第5番第4楽章「アレグロ」では、楽器編成にピッコロ、コントラファゴット、トロンボーンが加わり、色彩的な管楽器が増強され、燃焼度され尽くした「炎のマエストロ」を象徴するような迫力ある名演が披露された。

ベートーヴェン交響曲第6番(田園)の第二章「小川のほとりの情景」では、フルートが「夜うぐいす」、オーボエが「うずら」、クラリネットが「かっこう」の声を模倣した。木管奏者の表情豊かな個人芸、名人技は聴衆の耳目を集めた。

ベートーヴェン第7番第3楽章「プレスト」と第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」は、ワーグナーが「舞踏の神化」と称した傑作。イ長調を基調とするスケルツォとリズムの徹底強調が繰り返された。マエストロ小林の的確で情熱的なタクトにより、ロック会場を彷彿とさせるような躍動感豊かな演奏に観客は興奮のるつぼへと導かれた。

そして、最後の第九も、これまた素晴らしい演奏だった。合唱を担当したのは、ベートーヴェン全交響曲連続演奏会特別合唱団。プロ40名と小林研一郎と縁が深い武蔵野合唱団から選抜された20名を合わせた計60名の合唱団。

例年より小編成ながら粒が揃った全身全霊の合唱、2021年のラストを飾る合唱に魂が大いに揺さぶられた。”炎のマエストロ”小林研一郎ラストのベートーヴェン全曲指揮を飾るにふさわしい演奏と合唱だった。ソリストたちも安定した美声を披露し、2021年のラストに華を添えた。

ベートーヴェン交響曲第9番の演奏が終わるや否や大勢の観客がすぐさまスタンディングオベーションと拍手で迎えた。ベートーヴェン交響曲を14回全曲指揮した前人未踏の偉業を成し遂げた「炎のマエストロ」こと小林研一郎と出演者へ客席のあちらこちらからBRAVOの旗が振られ、輝かしい光景が眼前に広がった。

Photo:(C)Michiko Yamamoto

■第19回 ベートーヴェンは凄い!
全交響曲連続演奏会2021
2021.12/31(金)13:00(終演予定23:25) 東京文化会館

指揮:小林研一郎<14回目、最後の全曲指揮>
管弦楽:岩城宏之メモリアル・オーケストラ(コンサートマスター:篠崎史紀)
ソプラノ:市原愛
アルト:山下牧子
テノール:錦織健
バリトン:青山貴
合唱:ベートーヴェン全交響曲連続演奏会特別合唱団
お話:三枝成彰
企画:高橋泰子、三枝成彰

曲目

ベートーヴェン交響曲第1番:作曲年度 1799-1800年
ベートーヴェン交響曲第2番:作曲年度1801-1802年
ベートーヴェン交響曲第3番(英雄):作曲年度1803-1804年
ベートーヴェン交響曲第4番:作曲年度 1806年
ベートーヴェン交響曲第5番(運命):作曲年度 1807-1808年
ベートーヴェン交響曲第6番(田園):作曲年度 1808年
ベートーヴェン交響曲第7番:作曲年度 1811-1813年
ベートーヴェン交響曲第8番:作曲年度 1812年
ベートーヴェン交響曲第9番(第九):作曲年度 1822-1824年

協賛

トヨタ自動車株式会社
株式会社三井住友銀行
SMBC日興証券株式会社
ハウス食品グループ本社株式会社
ヒロセ電機株式会社
株式会社ベネフィット・ワン
明治安田生命保険相互会社
みらいエネルギー・パートナーズ株式会社

主催

株式会社 メイ・コーポレーション

■ベートーヴェンは凄い!2021第19回全交響曲連続演奏会
https://saegusa-s.co.jp/concert/con211232.html

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