【公演Repo】若手が大活躍した藤原歌劇団オペラ『イル・カンピエッロ』公演!

藤原歌劇団オペラ『イル・カンピエッロ』公演をテアトロ・ジーリオ・ショウワで4月22日観賞した。同公演は今年で14回目を迎える川崎・しんゆり芸術祭「アルテリッカしんゆり2022」のオープニング公演として開催された。

同舞台は、イタリアの水の都ヴェネツィアの「カンピエッロ」(小さな広場)で繰り広げられる3人の娘たちを中心に繰り広げられる恋愛喜劇です。結婚を夢見るガスパリーナとナポリの騎士アストルフィの恋物語を中心にヴェネツィアの小さな広場のまわりで笑いあり・喧嘩ありの騒動が巻き起きる。

イル・カンピエッロは 1756年のヴェネチア・カーニバルのために、偉大なヴェネツィアの劇作家カルロ・ゴルドーニによって書かれたコメディの台本を好んだE.ヴォルフ=フェッラーリによるオペラのひとつです。

オペラを15作品作曲したヴォルフ=フェラーリは、イタリアのコミック・オペラの非常に優れた作者と見なされている。『イル・カンピエッロ』は、上演回数が少ないオペラですが、聴きやすい貴重な作品となっている。

オペラの主役はガスパリーナ、ルシエータ、ニェーゼの3人の若い魅力的な娘たちで、ソプラノを担った3者のそれぞれの魅力と妙味を堪能した好公演だった。

ヒロインは、SをZと発音する癖がある気取り屋で若い娘のガスパリーナ。
ガスパリーナ役(ソプラノ)の中井奈穂は、SをZと発音する癖がある感がよくででおり、終始キレイなソプラノと育ちの違いを感じさせる高飛車な彼女感に惹きこまれた。中井は、ガスパリーナ独特の発音という難しい役を立派に果たしていた。

アンゾレートの恋人で情熱的で嫉妬深いのがルシエータ。
ルシエータ 役(ソプラノ)の迫田美帆は、深みがある美声と演技力という面で好演。オシャレが好きな年頃の女子役だが、母親以上の激しい気質と劇中コロコロと変わる感情表現は見ごたえがあった。

ゾンゼートの恋人で、結婚に憧れている内気な少女役のニューゼ。
ニェーゼ役(ソプラノ)の楠野麻衣は、うちに込める感がありつつ、色気もあり、伸びやかな広がりがあるソプラノに魅了された。影の主役といってもよい役割を果たした。

騎士アストルフィ役(バリトン)の森口賢二は、声だけではなく演技の面でも好演。高い身分の貴族的な立ち振る舞いを非常にうまく表現していた。アンゾレート役(バリトン)の大塚雄太は、深く落ち着いた声が印象的だった。

今回の舞台において目が覚めるような素晴らしいテノールを披露してくれたのが、ゾルゼート役の海道弘昭。海道は、2016年イタリア声楽コンコルソにて最高位シエナ大賞を受賞。2017年9月第1回ヴィットーリオ・テッラノーヴァ国際声楽コンコルソにおいて優勝経験があるテナーだが、聴いていて気持ちがよい、心ときめような美声を披露した。

藤原歌劇団は「我等のテナー」こと藤原義江氏からの善き伝統か、テナーのレベルが非常に高いと今回も関心させられた。ソプラノ若手女性三役と共に、海道は同舞台を牽引し、アンサンブル・オペラとしての魅力を大いに高めていた。

ベテラン・中堅歌手は、要所要所で若者を好サポート。若者が大活躍するオペラを見れるのが大変喜ばしいことです。

指揮は藤原歌劇団に初登場した時任康文。端正な指揮で、喜怒哀楽溢れるアンサンプルオペラの音楽をきっちりとまとめ上げた。藤原歌劇団合唱部は、安定した合唱を披露し、同オペラを格式高い総合芸術へと引き上げた。

Ⓒ公益財団法人日本オペラ振興会

■藤原歌劇団オペラ「イル・カンピエッロ」新制作
E.ヴォルフ=フェッラーリ 作曲
オペラ全3幕<字幕付き原語(イタリア語)

日時
2022年4 月 22 日(金)
会場
テアトロ・ジーリオ・ショウワ

スタッフ

指揮 時任康文
演出 マルコ・ガンディーニ

合唱指揮:安部克彦
美術:イタロ・グラッシ
衣裳:アンナ・ビアジョッティ
照明:西田俊郎
舞台監督:齋藤美穂
副指揮:松村優吾
演出助手:堀岡佐知子
言語指導:マルコ・ファヴァロ

キャスト

ガスパリーナ:中井奈穂
ドナ・カーテ:角田和弘
ルシエータ :迫田美帆
ドナ・パスクワ:持木 弘
ニェーゼ:楠野麻衣
オルソラ:但馬由香
ゾルゼート :海道弘昭
アンゾレート:大塚雄太
アストルフィ:森口賢二
ファブリーツィオ:東原貞彦

合唱:藤原歌劇団合唱部
管弦楽:テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ

【主催】公益財団法人日本オペラ振興会

藤原歌劇団公演「イル・カンピエッロ」2022年4月22日(金)・23日(土)・24日(日)@テアトロ・ジーリオ・ショウワ|JOF 公益財団法人日本オペラ振興会
JOF 公益財団法人日本オペラ振興会 藤原歌劇団公演「イル・カンピエッロ」2022年4月22日(金)・23日(土)・24日(日)@テアトロ・ジーリオ・ショウワの公演情報です。

コメント