【公演レポ】巨匠リッカルド・ムーティ&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、聴衆を圧倒した煌めくような演奏!

ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン2021のため、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が来日した。ウィーンフィルは、11月3日の東京公演を皮切りに、11月4日名古屋、11月5日姫路、11月7日大阪を巡回。11月8日、再び東京へ舞い戻ってのプログラムB公演をサントリーホールで聴いた。

前半のシューベルト交響曲第4番「悲劇的」は、ウィーンフィルの伝統を感じさせる重厚な演奏。時代の重さに苦しんだ古典最後の若き巨匠であるシューベルトの心情が的確に演奏に投影されていた。

前半2曲目は、ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント~バレエ音楽「妖精の接吻」による交響組曲は色彩豊かでエレガントな世界観が構築された。交響組曲は、チャイコフスキーのバレエ音楽をベースにした作品でウィーン・フィルの煌めくような美音に陶酔した。

後半はメンデルスゾーン交響曲第4番「イタリア」。メンデルスゾーンの交響曲のなかでももっとも親しまれている交響曲。

メンデルスゾーンがイタリア旅行中に書きとめた躍動的なリズム、叙情と熱狂、長調と短調の交錯による明暗といった要素は、ウィーン・フィルの名誉団員であるマエストロ ムーティの的確なタクトにより忠実に美しく表現された。

アンコールのジュゼッペ・ヴェルディの劇「運命の力」序曲は、ヴェルディの最後の序曲として有名な作品。巨匠ムーティ&ウィーン・フィルによる天空の音楽を聴いているような煌めきは、全ての聴衆を圧倒した。見事な指揮と演奏により、疾走感が増したクライマックスを迎え、聴くものの心に大粒の涙をもたらした。終演後は、割れんばかりの拍手喝采で、観客総立ちのスタンディングオベーションが2回、イタリアオペラの巨匠リッカルド・ムーティに贈られた。

写真:サントリーホール提供(11月3日公演のもの)

◆ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2021
大和証券グループ Presents
リッカルド・ムーティ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

日時 2021年11月8日(月)
会場 サントリーホール

プログラム:

シューベルト:交響曲第4番 ハ短調 D. 417「悲劇的」
ストラヴィンスキー:ディヴェルティメント~バレエ音楽『妖精の接吻』による交響組曲~
メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 作品90「イタリア」

アンコール:ヴェルディ歌劇「運命の力」序曲

ウィーン・フィルハーモニー ウィーク イン ジャパン 2021 大和証券グループ Presents サントリーホール
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