2月20日読売日本交響楽団「第244回土曜マチネーシリーズ」を東京芸術劇場で聴いた。
ドイツの名匠セバスティアン・ヴァイグレが約6か月ぶりに来日し、第10代常任指揮者を務める読売日本交響楽団を指揮した。ソリストは、昨年のジュネーヴ国際コンクールで優勝して一躍注目を浴びている上野通明が登場した。
プログラムの前半は、アルベルト・ロルツィングの歌劇「密猟者」序曲とドヴォルザークのチェロ協奏曲。
歌劇「ロシア皇帝と船大工」でその名前を知られるドイツの作曲家アルベルト・ロルツィングの歌劇「密猟者」序曲は、打楽器奏者が空砲1発打ち鳴らす演出があった。オペラ指揮者としてセバスティアン・ヴァイグレのタクトが冴えわたり、心沸き立つ華やかさ面とドイツ的な響きを持つ面の両面を味あわせてくれた。
昨年、ジュネーブ国際音楽コンクールで日本人として初めて優勝した上野は、ドヴォルザークのチェロ協奏曲で、高い音楽性と流麗で器用なスキルを披露した。作曲家の歌ごころをチェロで見事に表現し、聴衆の耳目を集めた。
同曲は、交響曲第9番「新世界より」や弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」と並ぶドヴォルザークの代表作の一つであるが、ヴァイグレ&読売日本交響楽団は、重厚感溢れるパワフルな演奏でソリストをサポート。協奏曲としては異例な程オーケストラが活躍する曲でもあるが、木管奏者のソロが素晴らしく、シンフォニックな心地よい響きに酔いしれた。
後半は、シューマン交響曲第3番 ホ長調「ライン」。同作品は、デュッセルドルフの管弦楽団・合唱団で音楽監督の任にあったシューマンが、充実した活動を送っていた時期の作品で、同地へ転居したあと、家族でケルンを旅行し、そこで見た大聖堂にインスピレーションを得て作曲したとされている。
ヴァイクレ&読売日本交響楽団は、第一楽章から第三楽章までは生き生きと、第四楽章ではシューマンが「ケルン大聖堂」を目にした荘厳さが伝わってくるような素晴らしい演奏。最終章のフィナーレは、躍動感溢れる音楽に魅了された。
ヴァイグレの指揮によりドイツ・ロマン派を代表する作曲家であるシューマンの作品は、ドイツ的な面が際立った堂々たる音楽として構築された。
©読売日本交響楽団 撮影=藤本崇
■読売日本交響楽団
第244回土曜マチネーシリーズ
2022年2月20日〈日〉 東京芸術劇場
指揮=セバスティアン・ヴァイグレ
チェロ=上野通明
プログラム:
ロルツィング:歌劇「密猟者」序曲
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
シューマン:交響曲第3番 ホ長調 作品97「ライン」
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