創立127年、チェコを代表する名門楽団 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(Czech Philharmonic)が10月23日より音楽監督/首席指揮者のセミヨン・ビシュコフと来日。
セミヨン・ビシュコフ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 日本ツアーは、10月28日の愛知県芸術劇場コンサートホールを皮切りに、東京・横浜・大阪・名古屋・新潟と5都市7公演・全8日間のスケジュールで日本全国を駆け巡った。
(C)JUNICHIRO MATSUO
2019年10月以降、待望となる4年ぶりの来日公演となった。
今回の来日公演は、オール・ドヴォルザークのプログラムが取り上げられた。
(C)Petra Hajská
チェコの首都プラハを拠点とするチェコ・フィルにとって、スメタナやドヴォルザークは地元の作曲家。チェコフィルとドヴォルザークは深い関係性がある。1896年チェコフィルが設立された時、最初に指揮した指揮者はドヴォルザークだった。同楽団は、ドヴォルザークのほかスメタナ、ヤナーチェク、マルティヌーといったチェコの著名な作曲家演奏で高い評価を得ている。
注目のオール・ドヴォルザーク・プログラムだが、10月31日(火) のサントリーホール公演では人気ピアニストの藤田真央が登場。藤田は、ドヴォルザークのピアノ協奏曲ト短調という普段演奏されない曲に挑戦し、完璧なテクニックを披露した。
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11月1日(水) サントリーホール公演では、ギル・シャハム独奏でドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲 イ短調 が披露され、心地よい音色で聴衆を虜にした。
(C)Petra Hajská
11月4日(土)、日本ツアー最終日の横浜みなとみらいホールでは、日本ツアーの集大成として、ドヴォルザークで最も人気が高い交響曲であるドヴォルザーク交響曲第8番と交響曲第9番「新世界より」が演奏された。
今季、創立128年を迎えるチェコ・フィルは、伝統的な音色を尊重しつつも、8番では、叙情的な弦の響きが白眉。チェコの民俗文化や牧歌的な風習、言語といったものが音の中の交差していた。
後半の交響曲第9番「新世界より」は、ドヴォルザークを愛してやまないセミヨン・ビシュコフによる情熱的でスケールが大きい指揮により唯一無二の”チェコフィル・サウンド”が披露された。世界遺産であるプラハの美しい街のような優美な弦の響きとバランスのとれた豊かな管楽器の音色に酔いしれた。
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第三楽章の民族舞踏楓のスケルツォと弾四楽章のクライマックスに至る劇的なフィナーレが見事。アンコールは、ドヴォルザーク スラヴ舞曲第2集 第2番とブラームス ハンガリー舞曲第1番のダブルアンコールで観客の熱狂に応えた。7公演を駆け抜けた熱狂の日本ツアー最終公演は終演後、盛大なスタンディングオベーションと喝采が贈られた。
【セミヨン・ビシュコフ指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 日本ツアー】
10/28(土)愛知県芸術劇場コンサートホール
10/29(日)サントリーホール
10/30(月)りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
10/31(火)サントリーホール
11/1(水)サントリーホール
11/3(金・祝)ザ・シンフォニーホール
11/4(土)横浜みなとみらいホール
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