【公演レポ】新国立劇場バレエ団「ライモンダ」公演!12年ぶりの上演で『プティパ最後の傑作』に魅了!

吉田都芸術監督率いる新国立劇場バレエ団「ライモンダ」2020/2021シーズン公演が、6月5日~6月13日の日程で、新国立劇場オペラパレスで上演された。

同作は、アレクサンドル・グラズノフの音楽が大変美しい中世十字軍の時代の物語で、クラックバレエ振付の基礎を作った「マリウス・プティパ最後の傑作」といわれるTHE CLASSIC BALLET。
新国立劇場では、2009年以来、12年ぶりの上演だった。

主役のライモンダ姫役は、米沢唯、小野絢子、木村優里、柴山紗帆の4名が務めたが、主役は、全員初役で、古典バレエながら新鮮味がある公演だった。

6月11日(金)の公演を観賞した。主役のライモンダ役は柴山紗帆、ジャン・ド・ブリエンヌ役は渡邊峻郁、アブデラクマン役は速水渉悟が務めた。

ライモンダ役は柴山紗帆は、軸がしっかりとした安定感あるバレエで大人の女性を演じた。
アブデラクマンの熱烈なアプローチに時折、困った顔を見せるも、綺麗な回転と盤石なテクニックで観客を魅了した。

ジャン・ド・ブリエンヌ役の渡邊峻郁は、回転技が美しく、終始安定したダンスを披露。
表情豊かなステップやポーズより、崇高なクラシック舞踏の魅力に溢れていた。

ライモンダへ情熱的な愛を伝えるサラセンの王・アブデラクマン役を務めた速水渉悟は、ライモンダに恋焦がれてる1 人の男性として迫真のダンスと演技を披露。1人の男として切なく、行き場がない心情とエキゾチックな野性味に心揺さぶられた。

音楽の面では、東京フィルハーモニー交響楽団 近藤 薫コンサートマスターのヴァイオリン・ソロが聞き応えがあった。美しいヴァイオリン協奏曲を聞いているような一面はバレエ公演として音楽的に新鮮味があり、貴重な体験となった。

ダンサーたちの盤石なテクニックと表現力、現代的でスピード感に溢れる舞台展開、色彩豊かな衣裳・舞台美術、グラズノフの美しい音楽は格調高い古典バレエの傑作、『プティパ最後の傑作』としての魅力に溢れていた。

撮影:長谷川清徳

2020/2021 シーズン
新国立劇場バレエ団「ライモンダ」(Raymonda)

芸術監督 吉田 都
振付 マリウス・プティパ
改訂振付・演出 牧 阿佐美
音楽 アレクサンドル・グラズノフ
美術・衣裳 ルイザ・スピナテッリ
照明 沢田祐二
指揮 アレクセイ・バクラン
管弦楽 東京フィルハーモニー交響楽団
出演 新国立劇場バレエ団

【公演日程】
2021 年 6 月 5 日(土)14:00
2021 年 6 月 6 日(日)14:00
2021 年 6 月 11 日(金)14:00
2021 年 6 月 12 日(土)14:00
2021 年 6 月 13 日(日)14:00

【会場】新国立劇場 オペラパレス (京王新線 新宿駅より 1 駅、初台駅中央口直結)
【予定上演時間】約3時間(休憩含む)
【ウェブサイト】https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/raymonda

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