【公演レポ】モーリス・ベジャール・バレエ団、生命力溢れるダンスで観客の心を昇華!


10月11日(月)モーリス・ベジャール・バレエ団2021年日本公演「人はいつでも夢想する」「ブレルとバルバラ」「ボレロ」公演を観賞した。

前半が、現芸術監督ジル・ロマン振付の「人はいつでも夢想する」。
後半はバレエ団創立者で革新的な天才振付家モーリス・ペジャールが手掛けた「ブレルとバルバラ」と「ボレロ」が披露された。

モーリス・ベジャール・バレエ団が2度の延期を経てやっとかなった今回の来日公演。コロナ禍のため、パリオペラ座バレエ団以降、1年半ぶりとなる海外バレエ団単体での来日公演で、新鮮かつ記憶に残る舞台となった。

ジル・ロマン振付の「人はいつでも夢想する」は、いつでも夢想する人としての特質と旅というテーマから創作された跡が伺える。

ジャズ・ロック・パンク・クラシック・即興音楽など幅広い分野を探求してきたジョン・ゾーンの音楽にジルロマンがインスパイアされ、異分野の要素や手法を取り入れた群舞が、独創的なストーリーを創り上げていった。

後半のモーリス・ベジャール振付の「ブレルとバルバラ」は、ベジャールがシャンソンの名歌手ジャック・ブレルとバルバラに捧げた作品。

詩的で美しく、シャンソンの歌詞がわからなくても涙誘われる舞台だった。ジル・ロマンのこの作品について、「カンパニーにとって大切な作品で、踊るたびに心から感じるものがあります。」と来日記者会見の中で語っていたが、言葉で表現できない霊的な感動体験をもたらしてくれた。同作品全編がお披露目されたのが日本で初めての事となり、大変貴重な機会となった。

プログラム最後を飾ったのは、モーリス・ベジャール振付の「ボレロ」。
中心となるメロディ役はジュリアン・ファヴローが担い、渾身の舞いを披露した。
徐々に情熱が増していくエネルギッシュなダンスは、高揚感に溢れていた。

終盤、ジュリアン・ファヴローはリズム役の男性ダンサーと共に生命力と爆発力に溢れたダンスを披露。観客の心を燃やし、昇華させていった。

終演後、観客はモーリス・ベジャール・バレエ団を総立ちのスタンディングオベーションで迎え、喝采を贈っていた。

Photo:(C) Kiyonori Hasegawa

◆モーリス・ベジャール・バレエ団
「人はいつでも夢想する」、「ブレルとバルバラ」、「ボレロ」

10/11(月)18:30開演のキャスト


「人はいつでも夢想する」

振付  ジル・ロマン   音楽 ジョン・ゾーン

彼女:ジャスミン・カマロタ

:ヴィト・パンシーニ

:イ・ミンギョン、オアナ・コジョカル、マノエラ・ゴンサルヴェス、フロリアーヌ・ビジョン、クララ・ボワテ、キアラ・ポスカ、ビアンカ・ストイチェチウ、マッティア・ガリオット、ドノヴァーヌ・ヴィクトワール、ハビエル・カサド・スアレス、フェデリコ・マテティッチュ、アンジェロ・ペルフィド、ドリアン・ブラウン、岸本秀雄

天使たち:リロイ・モクハトレ、大貫真幹、岸本秀雄、ウィンテン・ギリアムズ、エリザベット・ロス、ジュリアン・ファヴロー、ファブリス・ガララーグ、アランナ・アーキバルド、ハビエル・カサド・スアレス、ソレーヌ・ビュレル、ガブリエル・アレナス・ルイズ、大橋真理


「ブレルとバルバラ」

 振付 モーリス・ベジャール 音楽 ジャック・ブレル、バルバラ

インタビュー:エリザベット・ロス、ガブリエル・アレナス・ルイズ

ローザ・ロザエ:ガブリエル・アレナス・ルイズ、エリザベット・ロス、ファブリス・ガララーグ、ヴァレリア・フランク、アントワーヌ・ル・モアル、カルメ・アンドレス、ドノヴァーヌ・ヴィクトワール、フロリアーヌ・ビジョン、ハビエル・カサド・スアレス、アランナ・アーキバルド、パオロ・ランドン、キアラ・ポスカ、アンジェロ・ペルフィド、ジャスミン・カマロタ

孤独:ガブリエル・アナレス・ルイズ、ドリアン・ブウラン

帰りくる人への祈り:ビアンカ・ストイチェチウ、スン・ジャユン、エリザベット・ロス、ガブリエル・アレナス・ルイズ

脱帽:ビアンカ・ストイチェチウ、スン・ジャユン、エリザベット・ロス、ガブリエル・アレナス・ルイズ、ジャスミン・カマロタ

行かないで:エリザベット・ロス

いつ帰ってくるの?:ガブリエル・アレナス・ルイズ

華麗なる千拍子:クララ・ボワテ、岸本秀雄、オアナ・コジョカル、アレッサンドロ・カヴァッロ、フロリアーヌ・ビジョン、パオロ・ランドン、イ・ミンギョン、アントワーヌ・ル・モアル、キアラ・ポスカ、フェデリコ・マテティッチュ、大貫真幹、リロイ・モクハトレ、アリステール・マダン、ドノヴァーヌ・ヴィクトワール、マッティア・ガリオット

黒いワシ:エリザベット・ロス、ハビエル・カサド・スアレス

平野の国:男性全員

よい神さま:エリザベット・ロス、ガブリエル・アレナス・ルイズ

フィナーレのワルツ:カンパニー全員

愛しかない時:大橋真理、ウィンテン・ギリアムズ


「ボレロ」 

 振付 モーリス・ベジャール 音楽 モーリス・ラヴェル

メロディ:ジュリアン・ファヴロー

リズム:リステール・マダン、アンジェロ・ペルフィド、ファブリス・ガララーグ、パオロ・ランドン、スン・ジャユン、マッティア・ガリオット、ウィンテン・ギリアムズ、大貫真幹、シプリアン・ブヴィエ、ヴィト・パンシーニ、ハビエル・カサド・スアレス、フェデリコ・マテティッチュ、ドリアン・ブラウン、ドノヴァーヌ・ヴィクトワール、アンドレア・ルツィ、アントワーヌ・ル・モアル、リロイ・モクハトレ、 アレッサンドロ・カヴァッロ

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