【公演レポ】小林研一郎&読売日本交響楽団、魂が揺さぶられたスメタナ≪我が祖国≫全曲!

10月15日、読売日本交響楽団 第646回名曲シリーズにて、ベドルジハ・スメタナの連作交響詩「我が祖国」(全曲)を音楽の殿堂サントリーホールで聴いた。指揮は、炎のマエストロとして人気の小林研一郎。

チェコのバイブルと言われる名曲「我が祖国」は、小林研一郎の“十八番”とも言われる作品で、2002年にチェコの「プラハの春」音楽祭のオープニングで、チェコ・フィルを指揮し、本場チェコの観客から絶賛を浴びた。

同曲は読響が得意とする作品のひとつで、1991年のズデニェック・コシュラー、2001年のゲルト・アルブレヒト、2008年の下野竜也、2013年の小林研一郎との演奏など、数々の名演を残している。
マエストロ小林と読売日本交響楽団の再演は8年ぶりとなった。

同曲は、スメタナが尊敬してやまないフランツ・リストが創始した交響詩という形式で作曲され、全6曲から構成される。

第1曲:ヴィシェフラド
第2曲:ヴルタヴァ(モルダウ)
第3曲:シャールカ
第4曲:ボヘミアの森と草原から
第5曲:ターボル
第6曲:ブラニーク

という構成で、コンサートの前半は第1曲「ヴィシェフラド」から第3曲「シャールカ」まで演奏され、後半は第4曲「ボヘミアの森と草原から」から第6曲「ブラニーク」までが披露された。

前半のハイライトは、「第2曲:ヴルタヴァ(モルダウ)」でヴルタヴァがチェコ名、モルダウがドイツ名となっている。

第2曲は悠大なヴルタヴァ川の流れを描写している曲で、読売日本交響楽団は、壮大でドラマチックな演奏を披露。楽曲演奏の速度、強弱、各奏者の演奏タイミングなどが的確でマエストロ小林のタクトは冴えわたっていた。

後半はマエストロ小林研一郎の渾身の指揮により、燃焼度はさらに増した。重厚なオーケストラ・サウンド、各楽器の掛け合いが素晴らしく、最終曲「ブラニーク」の力強いファンファーレで魂が大いに揺さぶられた。

小林と読響がさらなる高みを目指して挑んだ≪我が祖国≫全曲。
素晴らしい名演に早くも再演を望む声が聞かれる。

©読売日本交響楽団

◆読売日本交響楽団
第646回名曲シリーズ
2021 10.15〈金〉19:00
サントリーホール
指揮=小林研一郎

スメタナ:連作交響詩「我が祖国」(全曲)

第646回名曲シリーズ | コンサート | 読売日本交響楽団
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