7月11日、札幌交響楽団第639回定期演奏会が札幌文化芸術劇場で行われました。
指揮者は札幌交響楽団名誉音楽監督の尾高忠明。同氏は2017年4月から2021年3月まで札幌文化芸術劇場の芸術アドバイザーを務めた。ゲスト・コンサートマスターは、森下幸路。
コンサートの前半は武満徹「3つの映画音楽」とラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」。
ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」では、札響と同じく今年六十歳の還暦を迎えたピアニストの小曽根 真は高度なピアノ技法を駆使し、豊麗な旋律、優雅な叙情性、所々に趣向を凝らしたソロが挿入された美旋律は聴く者の心を打った。
札幌交響楽団の演奏は優美な音楽と甘美なメロディーを構築し、入場者の拍手が鳴り止まなかった。小曽野 真はトッププレイヤーして、クラシックやジャズの最前線でも活躍を続け、国内外のオーケストラとの演奏でも高い評価を得ているがこの日も納得の名演だった。
後半のプログラムは、シベリウス「ペレアスとメリザンド」組曲とチャイコフスキー幻想序曲「ロメオとジュリエット」
コンサートの後半は、尾高忠明の優れた指揮により、札幌交響楽団のポテンシャルが最大限に引き上げられた。荘厳、荘重な六十年の歴史を感じさせる素晴らしき演奏。コロナ禍の中にあっても80%以上の観客が一堂に会し、魅惑的な音楽に引き込まれ、拍手が鳴り止まぬ最高の舞台を提供した。
1961年7月1日発足し、創立60年を迎えた北海道唯一のプロ・オーケストラとして「札響」の愛称で親しまれた札幌交響楽団のさらなる発展と成功を期待したい。
取材協力:F.SHINDEN
札幌交響楽団 第639回定期演奏会
2021年7月10日(土)17:00~ / 7月11日(日)13:00~
札幌文化芸術劇場 hitaru(代替会場)
指揮者 / 共演者:
指揮 / 尾高 忠明
ピアノ / 小曽根 真
曲目:
武満 徹
3つの映画音楽
ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第2番
シベリウス
「ペレアスとメリザンド」組曲
チャイコフスキー
幻想序曲「ロメオとジュリエット」
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