【実食レポ】ANAインターコンチネンタルホテル東京『ピエール・ガニェール』ディナーコース”PIERRE GAGNAIRE TOKYO”

日本におけるインターコンチネンタル ホテルズ&リゾーツとして、2010年から連続でミシュラン二つ星に輝くフレンチレストラン「ピエール・ガニェール」を擁するANAインターコンチネンタルホテル東京(英語表記:ANA InterContinental Tokyo/東京都港区赤坂)は、音楽の殿堂「サントリーホール」に隣接し、地下鉄銀座線「溜池山王駅」13番出口より徒歩1分、地下鉄南北線「六本木一丁目駅」3番出口より徒歩2分の距離にあります。

‟厨房のピカソ“との異名を持ち、その場での創作を得意とする料理界の芸術家として名高いピエール・ガニェール氏。


ANAインターコンチネンタルホテル東京36階に位置する東京店「ピエール・ガニェール」の秋の新メニュー「Pierre Gagnaire Tokyo」をいただきに当店を訪問しました。東京の景色を一望できる贅沢なロケーションが自慢のフレンチレストランです。

同店は「驚きに満ち溢れた食事の体験ができるレストラン」という確固たる位置づけのあるレストランとして、より一層『ピエール・ガニェール』の個性を反映したインテリアデザインを採り入れています。レストランの入口は、「江戸=東京」の伝統色であり、独特の鮮やかな発色と温かみのある風合いを併せ持つ「江戸紫」の布団張り(キルティング加工)で統一されており、とても素敵でした。

店内に入るまでのアプローチも抜群で、レストラン内部は、より一層『ピエール・ガニェール』の個性と感性を反映したインテリアデザインが採り入れられており、既存のデザインや家具の形状をベースにしながらも、新たに「江戸=東京」を意識したモチーフとカラーリングで具現化されていました。

カップル向けの素敵なシートもありますので、記念日などに重宝しそうです。

”厨房のピカソ”の異名をとるピエール・ガニェール氏から絶大な信頼を得ている赤坂洋介シェフが仕切る同店は、12年連続でミシュラン二つ星を獲得しています。

秋のスペシャルディナーコース;PIERRE GAGNAIRE TOKYO

・ウェルカムフード:5品

フランス料理のクラシックなアイデンティティを基本に、芸術性が高く、独創性を兼ね備えたウェルカムフード。ピザ生地でつくられたスティックは梅干し風味に。

石の上に、ひよこ豆とベーコンの温かいクロケット。上にゴボウのチップスとオリジナルのスパイス。ホットワインのクリームとパン・ド・エピスは、小さなスプーンで食べてください。いくらのタルトレットは塩味が効いており、シャンパンとの相性も抜群。食べる順番はさほど気にする必要はないでしょう。

それぞれが小さなおつまみですが、甘み、渋み、苦み、酸味など深化したバリエーションで舌と目を大いに楽しませてくれたのには驚きました。

・岩手産泳ぐホタテ貝
泳ぐホタテ貝のラメル生姜風味 蕪のジュレ バナナと酸味を効かせたラディシュ 
牡蛎のアイスクリームを添えて
海藻の香る泳ぐホタテ貝のベニエ

岩手県のブランド帆立貝「泳ぐホタテ貝」を用いた2皿。

手前(コールド)・奥(ホット)という順番でいただきます。
手間のホタテは、カブのジュレ、バナナ、ラディッシュのマリネ、レモンキャビアを合わせられています。

ホタテ貝は生姜でマリネしており、仕上げにカキのアイスクリームが載せられている点が非常にユニークです。ヴィジュアル的に美しい逸品で味も極上なのは流石です。

奥の2皿目はホタテのベニエ。ホタテにはアオサノリが加えられています。
さっくりとした衣が魅力的な一品です。

同じホタテでもコールド、ホットをコントラストを楽しみながらいただけます。ストーリー性を味わえるとてもよい趣向のお料理でした。

・カツオ / トム ド サヴォア / ウズラ卵のポーチドエッグ 緑オリーブのコンディモン

軽く炙ったカツオにアボカド、チーズ(トム ド サヴォア)を合わせた逸品。上に茹でたウズラの卵が載せられています。

ウズラの卵をカットしてから食べると、ウズラの黄身がソースの役割を果たし、よりおいしくいただけます。コクや旨みの重なり合いが素敵で、下にはオリーブのペーストが添えられていました。

「ピエール・ガニェール」のロゴが刻印された、ボルディエのバターと三種のパンも秀逸した脇役でした。パン・ブランは、バターがたっぷり入っていて甘みあり、非常に美味しかったです。

・京都産七谷鶏の燻製とムース 雲丹のクリーム スペッツリ

京都の地鶏で誉れ高い七谷地鶏を直送してもらい、腕によりをかけて調理された逸品です。ムースの上にはスモークした鶏肉、フレッシュな雲丹が見事にあしらわれています。

周りには濃厚な雲丹のクリームとカリッとポワレしたスペッツリ(アルサスの伝統的なパスタ)。雲丹の濃厚さと七谷地鶏の組み合わせが絶品。一生に一度は体験したい超絶美味を愉しみました。

・ラングスティーヌ
  -ラングスティーヌのポワレ テール ド シエンヌ 天然キノコのフリカッセ 砂肝とハツを添えて
  -ラングスティーヌのグリエ / ナス / ゲヴェルツトラミネールの香るサバイヨン

ラングスティーヌ(手長海老)の2品を提供されました。

1品目はラングスティーヌのポワレ。オリジナルのミックススパイスでスパイシーさが良好。砂肝のコンフィ、ハツの取り合わされており、その下にはたっぷりのキノコが添えられていました。キノコの種類は入荷状況によって変わるようです。

2品目はラングスティーヌのグラタンです。ナスとトマトを加え、ゲヴェルツトラミネールの華やかな香りがするサバイヨンソースをかけてこんがりと焼き上がってます。

・鱗焼きにした甘鯛 アンディーブのサラダ 烏賊と生ハム ほうれん草の香るアンチョビのヴルーテ

脂ののった甘鯛をカリっと鱗焼きにし、烏賊と群馬県の生ハムが添えらました。 ほうれん草の香るアンチョビのヴルーテが秀逸。ほうれん草とアンチョビを合わせた緑のソースの見栄えが最高に美しいです。

・カンポットペッパーの香るエゾ鹿のロースト 根セロリのピューレと根野菜 エスカルゴバターの香る真タコ

じっくりとローストされた野性味があるエゾ鹿のローストです。最高級と称されるカンボジア産ペッパーが素晴らしいアクセントを奏でます。ポルト酒と赤ワインのソースが鹿肉に寄り添っており、食感・味覚ともに良好。

付け合わせは、根セロリのピューレ、白ニンジン、キクイモ、芽キャベツで食感と味はともに良好。肉と野菜の生命力を非常に強く感じられるひとさらです。味や香り、食感にメリハリがありました。

ピエール・ガニェールは、すべての料理において季節ごとに異なる旬の最高の食材を使い、気候や気温も配慮しながらメニューを考案していますがその魅力を愉しませてくれる逸品でした。

・ピエール・ガニェールひらめきのデザート

全部で5品あり、最初に3品、次に2品がサーブされました。

ライムのジュレに梨、シャインマスカット、黒タピオカ、ブドウのグラニテなどをカクテルグラスに入れて最後にシャンパンを注ぐ目にも鮮やかなデザートがプレゼンテーションされました。

洋梨のポワレとキャラメルサレを敷いた洋梨のパルフェグラッセを、チョコレートが香るリ・オ・レ(ライスプディング)のソースで味わうデザートなど、ピエール・ガニェールならではのとても斬新な5皿のデザートがラインナップされ、至福のひとときを満喫しました。

ニンジンのロワイヤルとオレンジのブリュレ(ニンジンとオレンジのデザート)は、秀逸した出来で印象に深く残りました。ニンジンのフラン、ニンジンとオレンジのクリームなど、ニンジンとオレンジの善さが最大限に引き出された素晴らしいデザートでした。

・小菓子

最後の小さな小菓子3品が提供され、レモンティーと一緒にいただきました。

秋のスペシャルディナーコースは、日本の豊潤な秋の恵みを採り入れることを念頭に、全体のバランスを考えた食材を厳選。一皿一皿の味わいにおいて、次に進む料理がよりおいしく感じられるように味覚の流れを重要視してコース料理が組み立ててられていました。ピエール・ガニェールならではの、感動を呼び醒ますような創造力溢れる特徴的なフレンチでした。

「厨房のピカソ」との異名をとる三ツ星シェフ ピエール・ガニェール氏のもとで18年余り仕事をし、その魂、思想、感性を受け継いできた赤坂洋介シェフからお話を伺うとほかでは食べられないような五感を刺激するような創造性と全体を重視するとのこと。さらに赤坂シェフは時代の流れや流行・変化なども考慮してメニューを考案しているので、今後のさらなる深化が楽しみです。

年末年始にはピエール・ガニェールシェフが3年ぶりに来日します。それに合わせて期間限定特別メニューが提供される予定ですので楽しみにしましょう。

■フランス料理に欠かせないワインペアリング

ソムリエの杉本康隆氏によるワインペアリングもオススメです。赤坂シェフの独創的な料理にマリアージュするワインを選び出されています。

最初のシャンパーニュは「ジャン・ラルマン ブリュット レゼルヴ」。入手困難なレコルタンマニピュラン(小規模自家栽培醸造メーカー)のシャンパーニュです。樹齢60年を超える古樹のブドウを使用。透明感と奥行きが増した味わいに、細かく豊富な酸とミネラルなどが深く、凝縮されています。

ホタテに合わせられたのがブルゴーニュ地方の「ドメーヌ シルヴァン・ロワシェ ラドワ ブラン・ボワ・ド・グレション 2019」。ロワシェの代名詞となったワインで白い花や桃など複雑に香り、調和のとれた芳醇な一本。キレイなミネラル感とシャルドネらしい豊潤感がクリーミーなホタテによく合います。

カツオには赤ワインの「ティボー・リジェ・ベレール ムーラン・ア・ヴァン・レ・ルショー 2017」。カツオの鉄分とよい組み合わせで口中をさっぱりとさせてくれます。赤身のお魚の鉄分に軽めのタンニンを合わせたペアリングです。
香り高く比較的軽め。ワインはお魚に併せて温度低目で提供されました。

ラングスティーヌ(手長海老)に合わせられたのは「マルセル・ダイス グリュエンスピール 2010」。きれいな黄金色。亜硫酸をあまり使っていない自然派生産者ならではの熟成香のあるワインです。

果実酒が続いたのであぶらを切るニュアンスのお酒が用意されました。ドライなニュアンスが鱗焼きにした甘鯛に合います。マ・ジュリアンという作り手の白で爽やかなミネラル感がありました。

メインディッシュの鹿肉には「ドメーヌ ジョルジュ・ヴェルネ コート・ロティ メゾン・ルージュ 2015」が用意されました。起伏の激しい畑のブドウを使用されたワインで、しっかりしたタンニンとシルキーな口当たりが特徴的でした。

デザートには甘口貴腐ワインの「シャトー レイモンラフォン2004」と「テイラーズ トゥニー・ポート 20年」が提供されました。

甘口貴腐ワイン「シャトー レイモンラフォン2004」は。1850年創設の歴史あるシャトー。伝統的なソーテルヌが誇る、滑らかでエキゾチックかつ繊細な味わいが楽しめます。

「テイラーズ トゥニー・ポート 20年」は格調が高く、素晴らしくバランスのとれた古いトゥニーブレンドです。色調は薄い茶色。スパイシーでナッツのようなアロマが力強く感じられました。

秋のスペシャルディナーコース「PIERRE GAGNAIRE TOKYO」概要

■店舗名: ピエール・ガニェール(36FL.) Pierre Gagnaire
■期間/時間: 2022 年 9 月 14 日(水)~12 月 23 日(金) 水曜~土曜・祝日 18:00~23:00(19:30L.O.)
■メニュー名/価格: 「PIERRE GAGNAIRE TOKYO」 お1人様 37,290 円(税・サービス料込み)
※下記メニュー内容の全 7 品を含みます。
※下記メニュー内容の◆印の 2 品を除いた「PIERRE」(27,346 円/税・サービス料込み)も
ご用意しています。

■メニュー内容:

泳ぐホタテ貝のラメル生姜風味 蕪のジュレ バナナと酸味を効かせたラディッシュ
牡蠣のアイスクリームを添えて
海藻の香る泳ぐホタテ貝のベニエ
◆ カツオ / トム ド サヴォア / ウズラ卵のポーチドエッグ 緑オリーブのコンディモン
 京都産七谷鶏の燻製とムース 雲丹のクリーム スペッツリ
◆ ラングスティーヌのポワレ テール ド シエンヌ 天然キノコのフリカッセ 砂肝とハツを添えて
ラングスティーヌのグリエ / ナス / ゲヴェルツトラミネールの香るサバイヨン
 鱗焼きにした甘鯛 アンディーブのサラダ 烏賊と生ハム ほうれん草の香るアンチョビのヴルーテ
 カンポットペッパーの香るエゾ鹿のロースト 根セロリのピューレと根野菜 エスカルゴバターの香る真タコ
 ピエール・ガニェールひらめきのデザート(5皿)
・ハイビスカスの香るイチジクのロースト メイプルシロップのアイスクリームとアルレット
・ライムの香る季節のフルーツとセロリ ブドウのグラニテ シャンパーニュを添えて
・ニンジンのロワイヤルとオレンジのブリュレ
・ラム酒の香る栗のシャンティー マッシュルームとマンゴー
・洋梨のパルフェグラッセ チョコレートの香るリ・オ・レのヴルーテ
小菓子/コーヒーまたは紅茶
※ワインのペアリングは 18,645 円~(税・サービス料込み)にてご用意しています。

- レストラン「ピエール・ガニェール」(36FL.)について

世界を舞台に三つ星シェフとして名高い美食の巨匠、ピエール・ガニェール(PIERRE GAGNAIRE)氏がプロデュースする現代風フランス料理のレストラン。同店は、世界各国で数多くのお客様に食の喜びを提供する「ピエール・ガニェール」のレストランの中でも天空に最も近い超高層階に位置し、東京店ならではの類い稀なる研ぎ澄まされた料理に、きめ細やかなサービス、洗練された空間、息をのむ素晴らしい景観を含め、感動を呼び醒ますような価値ある時間を提供いたします。

「厨房のピカソ」の異名をとるガニェール氏の料理は、独創的で芸術性が高く、細部へのこだわりと想像を超えた味と素材の組み合わせによって生み出されます。中でもその特徴は、コースに組み込まれる豊富な品数によって表現され、独自のユニークなメニュー構成となっています。メニューはガニェール氏がすべて監修し、日本の四季の味覚を織り交ぜて展開しています。2010 年 3 月開業。「ミシュランガイド東京」で 12 年連続二つ星を獲得。

ミシュラン三つ星シェフ | ピエール・ガニェール | ANAインターコンチネンタルホテル東京

ミシュラン三つ星シェフ「ピエール・ガニェール」のご案内。「ミシュランガイド東京2020」にて10年連続二つ星獲得のフレンチレストラン。東京・赤坂「ANAインターコンチネンタルホテル東京」36階。

ミシュラン三つ星シェフ | ピエール・ガニェール | ANAインターコンチネンタルホテル東京
ミシュラン三つ星シェフ「ピエール・ガニェール」のご案内。「ミシュランガイド東京2023」にて13年連続二つ星獲得のフレンチレストラン。東京・赤坂「ANAインターコンチネンタルホテル東京」36階。

<「ピエール・ガニェール」のご予約・お問い合わせ>

TEL:03-3505-9505 https://anaintercontinental-tokyo.jp
〒107-0052 東京都港区赤坂 1-12-33 ANAインターコンチネンタルホテル東京
アクセス:東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王」駅下車徒歩約 5 分

GOURMET

コメント