「老舗はいつも新しい」をテーマに、正統派日本料理からオリジナル料理まで幅広く提供している日本料理の名店「なだ万」。なだ万は、1830年(天保元年)創業の日本料理店で日本を代表する老舗料亭のひとつです。
ホテルニューオータニ庭園の「山茶花荘」(さざんかそう)は政府要人らの会談場所として頻繁に使われ、1986年の東京サミットでは公式晩餐会の会場となりました。
山茶花荘にて開催された東京サミット公式晩餐会には、中曽根康弘首相のほかレーガン大統領、サッチャー首相をはじめ各国首脳が参列。手前左は安倍晋太郎外務大臣。
ホテルニューオータニ ガーデンタワーロビー階にある「紀尾井なだ万」からは1万坪に及ぶ広大な日本庭園が望めます。
なだ万レストラン全国22店舗では例年大好評の冬のコースが5年ぶりに復活しました。「ふぐ」と「冬野菜」とともに、この冬おすすめの食材を使ったオリジナルコース料理が各店で提供されます。
1万坪に及ぶ広大な日本庭園が望めるホテルニューオータニ ガーデンタワーロビー階にある「紀尾井なだ万」で冬のコース『冬華~ふゆはな~ ふぐと冬野菜』を体験しました。
「紀尾井なだ万」にて腕を振るうのは、調理長の竹下尚氏。「紀尾井なだ万」は、老舗の伝統と新しい和食を組み合わせた自慢の料理を提供しています。
御献立:
一、旬菜
壬生菜と水菜浸し 切り胡麻
生雲丹 汲み湯葉 鼈甲餡掛け
紫蘇豆腐
いくら 花穂
菜の花黄身辛子和え 炙り帆立
〆鯖棒寿し 酢橘
六方慈姑 海老芝煮
思わず笑顔になってしまいそうな色鮮やかで見た目も華やかな前菜。海老やおひたしの味も食感も申し分なく、オーソドックスな仕立ての中にも、キラリと光る料理の数々が素晴らしい。
シソを使ったお豆腐の上にいくらを盛りつけ、彩りを極立たせました。
汲み湯葉と生雲丹の組み合わせも卓越したもので、生雲丹の甘味がたまらないほど秀抜。最初から旬の食材と調理長の技量の高さ、そして美しい盛り付けの組み合わせに驚かされました。
二、造り
河豚薄造り
河豚あしらい ポン酢
本鮪 縞鯵
彩り野菜 あしらい 土佐醤油
2月1日からは数量限定のため一部店舗ではありますが、福岡県産「鐘崎天然とらふく」が提供されました。「紀尾井なだ万」が該当店舗であるため、幸運にも「鐘崎天然とらふく」を賞味できることに。
「鐘崎天然とらふく」は、玄界灘の荒波にもまれた、鐘崎のフグの中でも最高品質のとらふぐで、香り・旨み・身のしまり・歯ごたえがたまらない至高のとらふぐでした。「鐘崎天然とらふく」は取りやすいように一切れずつ用意され、もみじ色の赤おろしと葱を巻いていただきました。
本日は大間産の本鮪と天然の縞鯵も提供され、現状用意できる至高のお刺身が揃いました。大間まぐろは「黒いダイヤ」と言われる天然本鮪で、脂がとても甘く独特の旨味があるとっておきの味を堪能。
ポン酢は、土佐出身の総料理長が選んだ土佐の甘夏を使ったものが用意されました。まろやかな味わいの中にフレッシュな果汁の爽やかな香りと酸味が良質。河豚薄造りとの相性も最高でした。お醤油はなだ万でオリジナルで作っている熟成醤油が用意されました。鰹節と昆布が効いたコクのある上品な醤油で大間の鮪との相性が秀逸。
・日高見(ひたかみ) 純米吟醸 弥助
明治から昭和の初めにかけ、お鮨の事を「弥助」と呼んでいました。辛口ながら香りが穏やかで、口に含んだ瞬間の滑らかさと甘さ、酸味の調和が格別。華やか過ぎない穏やかな含み香は、素材の味わいを引き立てます。お鮨や刺身とよく合う日本酒でした。
三、煮物
河豚味噌バター小鍋仕立て
蟹安平 舞茸 芹
蓮根餅 白葱
河豚の味噌バター小鍋です。食べ方としては、用意された柚子胡椒をお好みに応じて取り皿に入れていただきます。小さいながらも炭火で調理された本格派です。
河豚はたんぱくな味わいとふっくら食感が魅力的な食材ですが、味噌バターと共に仕上げることによって、濃厚な深みがある味わいに。
・長崎で生まれた日本酒 「飛鸞」(HIRAN)
飛鸞の製造には、江戸時代に確立された日本古来の酒造り「生酛(きもと)造り」が採用されており、一般的な造り方の倍以上の時間をかけてゆっくりと熟成されています。芯がしっかりとし味わいは、日本料理の煮物との相性が良好でした。
着物姿で給仕していただけましたので御料理と日本酒はさらに格別なものに。
四、焼物
甘鯛巻繊 始神
河豚唐揚げ
蕗の薹白田楽
甘鯛のけんちん焼きと河豚唐揚げが運ばれてきました。けんちんの語源は、中国の精進料理(普茶料理)の「巻繊(けんちゃん)」から来ているようですが、けんちん焼きは、細かく切った野菜とくずした豆腐を炒め、卵を加え、背開きにして中骨を除いた白身魚に詰めるなどして焼いた料理です。
皮目の焼き具合と調理加減が絶妙で、そのコントラストに魅了されました。
河豚唐揚げは楽しくピンチョスのように食べられるよう串と共に提供。「刺身」「鍋」とは違った趣向です。身の締まりと食感が魅力的な河豚唐揚げでお酒の共として、重宝しそうです。
蕗の薹白田楽は、走りの蕗の薹(ふきのとう)が提供されました。蕗は、雪の下からほんの少し顔を出したばかりのものを摘むと清々しい香りがしてえぐみも少ないものです。雪の中からふきの花が咲き始める走りの初期の時期の厳選された蕗の薹。その時期ならではの独特の香りとほのかな苦みのコントラストが白眉。
日本には七十二候(しちじゅうにこう)と呼ばれる72の季節があり、1月20日より大寒の初候「款冬華(ふきのはなさく)」となります。日本料理ならでは風情を感じさせてくれる逸品でした。
・ORANGE GOLD (ジェラール・ベルトラン)
輝かしい実績を誇る南仏ヒットメーカーGERARD BERTRANDが製造するオレンジワインを注文しました。地中海沿岸で生まれる複数のブドウがブレンドされており、フレッシュで緻密な味わいが楽しめます。
白ブドウを使用して造られるオレンジワインは、白ワインの仲間に分類されますが、赤ワインのようなコクももちあわせていますのでどの料理にも合わせやすいです。ボトルの見た目が綺麗なのでギフトやお祝い事にもオススメです。申し分ない料理のラインナップにお酒もついつい進んでしまいます。
五、合肴
博多和牛サーロイン照り焼
霙卸し和え 八朔
フルーツアスパラ 蕃茄
チャービル
福岡県の豊かな自然を背景に、県内産の良質稲ワラを多く使用し、大切に育てられた博多和牛サーロイン照り焼を賞味しました。新鮮な県産の稲わらをたくさん食べていることが博多和牛の美味しさの秘密と言われ、肉質はやわらかく、噛むと肉汁が溢れ、濃厚な旨みが口中に広がる美味しさがありました。
竹下調理長に焼き方や調理法を聞くと「博多和牛はミディアムで焼くと程よく脂が口の中でほどけます。レアすぎると噛み切れない、焼きすぎないようにミディアムくらいに仕上げて提供させていただいております。」と説明されました。
さっぱりといただけるようアスパラ、蕃茄(トマト)、大根卸し、八朔(みかん)、フレッシュハーブのチャービが添えられています。お肉の旨味をさらに引き出してくれます。大根卸し・酢・醤油が味のポイントとなっており、爽やかさ際立つメインディシュに仕上がっていました。
六、食事:①または②
食事は「竹の子釜炊き御飯」「手打ちうどん」の中から1種類選択するスタイルとなっています。
①合馬の竹の子釜炊き御飯
赤だし 香の物盛り合わせ
走りの竹の子が楽しめる炊き御飯を賞味しました。醤油ベースで出汁と合わせて炊いた炊きこみ御飯です。土鍋も1組に1つ用意されましたので、自分たちだけのために炊かれた、炊き立て極上のごはんが味わえました。
本日は北九州の「合馬たけのこ」が提供され、身が柔らかくアクが少ない最高品質の竹の子です。「合馬たけのこ」は、関西市場でも最も単価の高い極上品として取引されています。香り、味、歯さわりが素晴らしく、美容にも効果があるといわれる繊維質をたっぷり含んでいます。
紀尾井なだ万は、御飯に令和5年新米「さがびより」を使用しています。一年中、安定した品質でいただけるお米で伝統的な和食によく合うお米でした。
②うどん如水 酢橘
海老のかき揚げ
福岡県の南東部に位置するうきは市の「長尾製麺」の手打ちうどん「うどん如水」をいただきました。一本一本精魂こめて手造りで作られたうどんですので大量製麺できません。手延べ素麺は、小麦を練って素麺の形に細く伸ばすため、油を使用するのが一般的ですが、長尾製麺では使用しておりませんので、大変ヘルシーで素朴な味わいに。
酢橘と共にいただきましたが、のど越しが爽やかでしっかり味とコシがありました。紀尾井なだ万の店内にある「天麩羅 まつ井」という専門のカウンター席で揚げられた海老のかき揚げは揚げ具合・風味・味わいが良いかき揚げでした。
七、水菓子
あまおう苺の挟み大福
龍の瞳の甘酒添え
龍の瞳の甘酒添えは、龍の瞳が使用しています。龍の瞳はコシヒカリの中から偶然に発見された稲の品種で米粒がコシヒカリの約1.5倍ほどあります。今までの米になかった香り、粘りがあるお米で甘さは強めです。「老舗はいつも新しい」を体感させてくれるような驚きのメニューでした。
あまおう苺の挟み大福はホイップクリームを包んだちょっと贅沢な大福で甘みと酸味のバランスが絶妙。ホッとするようなやさしい甘味を楽しみました。
接待からご家族のお集まりまで、和の心が随所に感じられる繊細かつ色彩豊かな日本料理の世界。四季折々の旬の素材を吟味した御料理をぜひ一度お試しください。
■季節のおすすめ:なだ万レストランイベント 特別コース『冬華~ふぐと冬野菜~』
期間:1月16日(火)~2月29日(木)
価格:17,600円(税込)/20,240円(税サ込)
なだ万レストランでは、1月16日から2月29日まで
河豚と冬野菜の食材を使用した特別コースをご用意致します。
今の時期でしか味わえない冬の味覚をお愉しみ下さい。
https://store.nadaman.co.jp/blogs/news/202401_fuyuhana
■竹下尚 調理長 プロフィール
調理長 竹下 尚(Nao Takeshita)
福岡県出身
福岡なだ万(当時)入社後、日本橋なだ万副調理長、紀尾井なだ万副調理長、
クアラルンプールジパング チーフを経て、 2022年に紀尾井なだ万調理長就任、現在に至る。
吟味した季節の食材を使用し、お客様が目で見て、舌で味わい、心で楽しんで頂ける料理提供を日々考えながら、次回も食べたいと思って頂ける料理を模索して精進してまいります。四季折々の旬の素材を吟味し、永いなだ万の伝統の中にも趣向を取り入れた料理の数々で、皆様をおもてなし致します。
■紀尾井 なだ万
東京:紀尾井町
ホテルニューオータニ ガーデンタワーロビー階
「老舗はいつも新しい」をテーマに、正統派日本料理からオリジナル料理まで幅広くご用意しております。
交通至便な都心にありながら、緑豊かな落ち着いた佇まいを見せるホテルニューオータニ。新館タワーロビー階にある『紀尾井なだ万』からは1万坪に及ぶ広大な日本庭園が望めます。季節によりその趣を変える庭園と本格的日本料理は、お食事の一時に優雅な彩を添えることでしょう。四季折々の旬の食材を用いた、期間限定の味をご堪能ください。お祝いの席にふさわしいお祝い料理もございます
大切なお客様のご商談に最適な掘り炬燵の個室、少人数でお使いいただけるお部屋や24名様までご利用頂ける個室など様々な個室をご用意しております。
住所
〒102-8578
東京都千代田区紀尾井町4-1 ホテルニューオータニ ガーデンタワーロビー階
営業時間
朝食 7:00~10:00(L.O. 10:00)
昼食 11:30~14:30(L.O. 14:00)
夕食 17:00~21:00(L.O. 20:00)
*懐石 19:30ラストオーダー
ご予約/お問合せ
Tel.03-3265-7591
(紀尾井 なだ万 直通)
コメント