【公演レポ】英国ロイヤル・バレエ団が4年ぶりに来日!演劇性極まる『ロミオとジュリエット』

世界的な人気を誇るバレエの名門 英国ロイヤル・バレエ団が4年ぶり14回目の来日を果たした。久々のフルカンパニーでの来日。東京・大阪・姫路にて全12公演が開催され、同バレエ団を代表する演目のひとつである『ロミオとジュリエット』公演は東京で7公演お披露された。

イギリスの振付家ケネス・マクミランによる『ロメオとジュリエット』(Romeo and Juliet)は、プロコフィエフ作曲のバレエ作品。1965年2月9日、英国ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで英国ロイヤル・バレエ団により初演された。

初日の『ロミオとジュリエット』では、アキレス腱再建という大手術を経て、2021/22シーズンの『ロミオとジュリエット』で奇跡の復活を果たしたスティーヴン・マックレーがロミオ役で登場。身体的にも精神的ににも、より進化した姿で観客との再開を祝った。


©Kiyonori Hasegawa

ジュリエット役を演じたのは、知性派ダンサーのサラ・ラム。圧倒的な演劇性と、それを支える高度な技術とカリスマ性を持つサラ・ラムの完璧なフォームは観る者を天女を見ているような美的快感へと導いた。


©Kiyonori Hasegawa

バルコニーの場面のパ・ド・ドゥは主人公2人が愛を告白しあう名場面でバレエの美しさに圧巻された。恋の始まり特有の心の高ぶりが描写され、全編で最も美しい舞踏表現で彩られた。世状に左右されない初恋の尊さ・美しさが眩しかった。


©Kiyonori Hasegawa

壮麗なキャピュレット家の舞踏会や広場での躍動感あふれるダンスシーンは見応えがあった。キャピュレット家の舞踏会でダンサー達が着用した衣裳が豪華で個性的。ダンサー達の立ち振る舞いは威厳に満ちており、観客の目を大いに楽しませた。


©Kiyonori Hasegawa

音楽はふたりの心が寄り添い、目の前に美しい人が存在するだけで天に昇るような気持ち代弁する旋律に彩られていた。演劇性を極めた英国ロイヤルバレエ団の美学と底力を感じさせてくれた日本公演だった。

■英国ロイヤル・バレエ団2023年日本公演
バレエ『ロミオとジュリエット』

日時:6月28日(水)18:30
会場:東京文化会館

STAFF:

振付:ケネス・マクミラン
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ(ブージー・アンド・ホークス音楽出版社)
美術・衣裳:ニコラス・ジョージアディス
照明:ジョン・B. リード
ステージング:クリストファー・サンダース

CAST:

ジュリエット:サラ・ラム
ロミオ:スティーヴン・マックレー

マキューシオ:ジェイムズ・ヘイ
ティボルト:ギャリー・エイヴィス
ベンヴォーリオ:カルヴィン・リチャードソン
パリス:ニコル・エドモンズ
キャピュレット公:クリストファー・サンダース
キャピュレット夫人:エリザベス・マクゴリアン
エスカラス(ヴェローナ大公):トーマス・モック
ロザライン:クリスティーナ・アレスティス
乳母:クリステン・マクナリ―
僧ロレンス:ベネット・ガートサイド
モンタギュー公:ベネット・ガートサイド
モンタギュー夫人:ジーナ・ストルム=イェンセン
ジュリエットの友人:アシュリー・ディーン、ルティシア・ディアス、桂 千理、前田紗江、佐々木万璃子、シャーロット・トンキンソン
3人の娼婦:メーガン・グレース・ヒンキス、ミーシャ・ブラッドベリ、イザベラ・ガスパリーニ
マンドリン・ダンス:アクリ瑠嘉、レオ・ディクソン、デヴィッド・ドネリー、ベンジャミン・エラ、ハリソン・リー、中尾太亮
舞踏会の客、街人たち:英国ロイヤル・バレエ団

指揮:クーン・ケッセルズ
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

概要/英国ロイヤル・バレエ団/2023/NBS公演一覧/NBS日本舞台芸術振興会

▼【プロモーション映像】英国ロイヤル・バレエ団「ロミオとジュリエット」

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