平野亮一、ロイヤル・バレエ オープニング『うたかたの恋 ―マイヤリング―』主役に抜擢

世界最高の名門歌劇場「英国ロイヤル・オペラ・ハウス」で上演されたバレエとオペラの舞台を、特別映像を交えてスクリーンで体験できる「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」。

新シーズンがスタートした『英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23』より、ドラマティック・バレエの傑作『うたかたの恋 ―マイヤリング―』が12月16日(金)より公開となった。

1889年、オーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフが、17歳の愛人マリー・ヴェッツェラと心中した実話・マイヤリング事件をバレエ化したのが、英国ロイヤル・バレエを代表する巨匠ケネス・マクミラン。本作は『ロミオとジュリエット』、『マノン』と並んで彼の最高傑作のひとつであり、英国ロイヤル・バレエならではの演劇性がたっぷり味わえる重厚な人間ドラマ。

彼の没後30周年にあたる今年、上演初日に、主役となるルドルフ皇太子を演じたのが、熊川哲也に続く史上2人目の日本出身男性プリンシパルとなった平野亮一。バレエ作品には珍しく男性が主人公の本作で、6人もの女性ダンサーと超絶技巧のパ・ド・ドゥを繰り広げる。いつかは演じてみたいと男性バレエダンサーたちが熱望するこの役で、シーズン初日の主演に抜擢され、さらに、その公演が、イギリスのみならず世界で生中継されるということで大きな話題を呼び、上演後は、拍手喝采、一世一代の名演で世界を魅了した。

平野亮一氏は、当時の思いを「男性ダンサーのキャリアの中でも1,2位を争う難しい大変な役なのでやはりプレッシャーはありました。」とコメント。また、主演の連絡は、キャスト表が出る前にEメールで送られてきたそうで、「2018年のシーズンオープニングの本作で、エドワード・ワトソンさんとナタリア・オシポワさんが一緒に踊る予定だったんですが、エドワードさんが1週間前に怪我をされて、僕がステップ・インして踊りました。今回は、あのチームをオープニングナイトに持ってくるんだろうなと思っていたので、キャスト的には驚きはしませんでした。多分そうなるとの予感はありました。」と振り返る。

役作りについては、時代背景、人間関係などを入念にリサーチし、カルロス・アコスタ、ヨハン・コポー、ジョナサン・コープ、エドワード・ワトソン、フェデリコ・ボネッリ、スティーブン・マックレー、イレク・ムハメドフ、オリジナルのデビット・ウォールなど、過去に演じられたルドルフを見て研究したと明かす。

また、ルドルフ皇太子を取り巻く登場人物たちも、ロイヤル・バレエを代表する綺羅星のようなスター揃い。本作の見どころについて、「ビッグネームが集まり、ロイヤル・バレエの大御所たちを引き連れてリードする役ということでプレッシャーは感じていましたが、見れば見るほど新しい発見がある作品だと思いますので、何度でも見てほしいです。さらに、僕のマイヤリングだけでなく、色々な方のマイヤリングを見ることで、更に楽しんでいただけると思います。是非、マイヤリングファンになって下さい!」とコメントし、日本のファンへのメッセージを寄せた。

主要紙すべてで4つ星を獲得、辛口で有名な英国の批評家たちから大絶賛を浴び、英国ロイヤル・バレエならではの演劇性の高い、濃厚な舞台で、大役に挑んだ平野亮一の名演技と、名花たちとの共演が観られる本作、映画館の大スクリーンで堪能してほしい。

(2022年10月5日上演作品/上映時間:3時間23分)

<ロイヤル・バレエ『うたかたの恋 -マイヤリング-』作品情報>

【STORY】
オーストリア=ハンガリー帝国皇太子ルドルフと、ベルギーのステファニー王女との結婚を祝う舞踏会が華々しく開かれるが、ルドルフは新妻ではなく、その妹ルイーズに魅かれたそぶりを見せる。宴の後、ルドルフは元愛人のラリッシュ伯爵夫人に、ヴェッツェラ男爵夫人とその娘、マリーを紹介される。そこへ割り込んできたルドルフの友人の高官たちが、滔々とハンガリーの分離独立運動について囁く。ルドルフは政略結婚した妻ステファニーを愛しておらず、母、皇后エリザベートに同情を引いてもらおうとするが拒絶される。初夜のベッドでルドルフは新妻を拳銃と骸骨で脅す。

妻を伴って居酒屋に気晴らしに出かけたルドルフは、なじみの高級娼婦ミッツィー・カスパーに心中を持ちかけるが拒絶される。父、皇帝フランツ・ヨーゼフの誕生日の宴で、エリザベートと愛人ベイ・ミドルトンの様子を苦々しく思い、マリーと初めて二人きりで過ごす。狩猟場での誤射事件で人を死なせてしまい、あやうく母にも弾丸を当てそうになったルドルフは、マリーに心中を持ちかけたところ、マリーは愛と死の甘い幻想に魅せられ同意する。マイヤリングの狩猟小屋で最後に激しく愛を交わした二人は、破滅へと突き進んでいく。

【振付】ケネス・マクミラン

【音楽】フランツ・リスト

【美術】ニコラス・ジョージアディス

【指揮】クン・ケセルス

【出演】

ルドルフ皇太子(オーストリア・ハンガリー帝国皇太子):平野亮一

マリー・ヴェッツェラ(ルドルフの愛人) ナタリア・オシポワ

ラリッシュ伯爵夫人(エリザべート皇妃の侍女でルドルフの元愛人):ラウラ・モレ―ラ

皇妃エリザベート(ルドルフの母):イツィアール・メンディザバル

ステファニー王女(ルドルフの妻) フランチェスカ・ヘイワード

ミッツィー・カスパー(高級娼婦でルドルフの愛人):マリアネラ・ヌニェス

ブラットフィッシュ(ルドルフのお気に入りの御者):アクリ瑠嘉

フランツ・ヨーゼフ皇帝(ルドルフの父):クリストファー・サウンダース

ベイ・ミドルトン(エリザベート皇妃の愛人):ギャリー・エイヴィス

ハンガリー将校:リース・クラーク、カルヴィン・リチャードソン、ニコル・エドモンズ、レオ・ディクソン

2022年12月16日(金)より TOHOシネマズ 日本橋 ほか全国公開!

■公式サイト:http://tohotowa.co.jp/roh/   ■配給:東宝東和

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