10月24日、クラウス・マケラ指揮 オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
2023年来日公演を東京・サントリーホールで聴いた。
指揮は1996年フィンランド生まれ、若き天才の誉れ高いクラウス・マケラ。
クラウス・マケラは、ノルウェーのオスロに本拠を置くオスロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めている。
撮影:堀田力丸 2023年10月24日 サントリーホール
2020年6月、パリ管弦楽団の次期音楽監督に決定し、2022年6月に2027年からロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者に就任することが発表された。27歳ながら世界で最も将来を期待されている若手指揮者と言ってもよいほどの存在。
前半のシベリウス交響曲第2番は、シベリウスの7曲(『クレルヴォ交響曲』を含めると8曲)の交響曲中、最もポピュラーな作品でありながら、滅多に聴くことができない輝かしい演奏だった。
撮影:堀田力丸 2023年10月24日 サントリーホール
マケラの類まれな指揮よりヴァイオリンは、刃物のようなキレがある強靭な音色を際立たせた。北欧の美しい自然を想起させてくれるような木管の豊麗さ。トランペット、トロンボーンをはじめとする金管は、ゴージャスで輝かしい響きを体現。重なり合う弦の響きからもたらされるコーダの高揚感に涙した。
撮影:堀田力丸 2023年10月24日 サントリーホール
後半のシベリウス交響曲第5番は、伸びやかで祝祭的な気分にひたることができる交響曲だった。この作品は、「シベリウスの生誕50年」の祝賀演奏会のために作られた作品で、フィンランドの大自然を感じさせる音楽が心地よかった。マケラは明快な指揮で、エレガントな流れを全曲を通じて構築していった。
北欧のオーケストラが演奏するシベリウスには、特有の妙味がある。クラウス・マケラははシベリウスの交響曲を自分の音楽として魔法のように昇華させた。
マケラの音楽づくりは、非常に生き生きとしたもので、シベリウスの音楽ならではの透明なバランス感際立つ響きが印象的。若き巨匠は優れた手腕でオーケストラ全体を見事に鳴らした。
撮影:堀田力丸 2023年10月24日 サントリーホール
アンコールは、シベリウスの「レンミカイネンの帰郷」が披露。終演後、若き天才指揮者へ盛大なスタンディングオベーションと拍手が贈られた。マケラも笑顔で観客の声援に応えていた。
撮影:堀田力丸 2023年10月24日 サントリーホール
■クラウス・マケラ指揮 オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
2023年来日公演
日時:10月24日(火)
会場;東京・サントリーホール
《プログラム》
シベリウス:交響曲第2番
シベリウス:交響曲第5番
▽クラウス・マケラ – シベリウス:交響曲第2番&第5番 Trailer
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