【公演レポ】ブリン・ターフェル、東京春祭プッチーニ・オペラ《トスカ》で圧巻の存在感を放つ!

東京春祭プッチーニ・シリーズ vol.4《トスカ》(演奏会形式)を4月13日、東京文化会館で聴いた。

スカルピア役を務めたブリン・ターフェルは、バス・バリトン界の世界的スターで圧倒的存在感とカリスマ性で聴衆を魅了。警視総監スカルピアを当たり役としているだけあって、生命力溢れ、迫力満点の歌いっりに心が打たれた。1幕フィナーレのテ・デウムの歌唱が圧倒的で、スカルピア男爵そのものの姿が投影された。

タイトルロールのトスカ役を務めたクラッシミラ・ストヤノヴァのソプラノは、ビブラートが多いものの、高音の繊細さが見事。名アリア「歌に生き、愛に生き」では、トスカの心情を迫真の歌唱と演技で演じ切り、ブラボーと長い拍手が贈られていた。

カヴァラドッシ役 イヴァン・マグリのテノールも上々の出来。健康上の理由により降板したピエロ・プレッティの代役を難なく務め上げた。堂々たる歌唱で、アリア「妙なる調和」「星は光りぬ」で喝采が巻き起こっていた。

日本人歌手では、アンジェロッティ役の甲斐栄次郎と堂守役の志村文彦らが健闘。聴き応えがある歌唱を披露し、舞台を盛り立てた。指揮は、新国立劇場 フランス・オペラの指揮で知られるフレデリック・シャスラン。読売日本交響楽団から、輝きと深みがある美音を引き出し、聴衆を感動の渦に巻き込んだ。

東京オペラシンガーズと東京少年少女合唱隊は高水準な合唱を披露。全体的に非常にハイレベル・満足度が高い公演で、来年度の東京・春・音楽祭オペラシリーズ/プッチーニシリーズの再演が期待される。

©Spring Festival in Tokyo / Koji Iida・Taira Tairadate

■東京春祭プッチーニ・シリーズ vol.4
《トスカ》(演奏会形式/字幕付)

日時・会場

2023年4月13日 [木] 18:30開演(17:30開場)
東京文化会館 大ホール

日時・会場

2023年4月13日 [木] 18:30開演(17:30開場)
東京文化会館 大ホール

出演

トスカ(ソプラノ):クラッシミラ・ストヤノヴァ
カヴァラドッシ(テノール):イヴァン・マグリ
スカルピア(バス・バリトン):ブリン・ターフェル
アンジェロッティ(バリトン):甲斐栄次郎
堂守(バス・バリトン):志村文彦
スポレッタ(テノール):工藤翔陽
シャルローネ(バリトン):駒田敏章
看守(バス):小田川哲也
羊飼い:東京少年少女合唱隊メンバー

指揮:フレデリック・シャスラン
管弦楽:読売日本交響楽団
合唱:東京オペラシンガーズ
児童合唱:東京少年少女合唱隊
合唱指揮:仲田淳也
児童合唱指揮:長谷川久恵

《トスカ》(演奏会形式/字幕付)
桜咲く上野を舞台に東京の春の訪れを音楽で祝う、国内最大級のクラシック音楽の祭典。
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