【ゲネプロ】新国立劇場 ヴェルディ歌劇『アイーダ』、豪華絢爛な古代エジプトの世界観に圧倒!

新国立劇場開場25周年記念公演ジュゼッペ・ヴェルディ『アイーダ』ゲネプロ(賛助会員特別舞台稽古見学会)を観賞した。新国立劇場開場記念こけら落とし公演として上演して以来、絶大な人気を誇るオペラ『アイーダ』。


撮影:堀田力丸 提供:新国立劇場

古代エジプトの戦士ラダメスと敵国エチオピアの王女アイーダの一途な悲恋を描いたヴェルディの祝祭的大作が5年ぶりに上演を果たした。

巨匠フランコ・ゼッフィレッリによる演出により古代エジプトの眩いばかりの伝説的な世界観が蘇り、豪華絢爛な舞台美術がダイナミックに展開する名プロダクション。2019年に他界したゼッフィレッリ自身のデザインによる豪華な装置、衣裳は極めて高く評価されている。

タイトルロールのアイーダ役はセレーナ・ファルノッキア(ソプラノ)。最終幕の四幕で永遠の愛を誓い、死を待ちながら切々と歌う姿は観客の涙を大いに誘った。


撮影:堀田力丸 提供:新国立劇場

ラダメス役は世界最高峰のテノールであるロベルト・アロニカ。新国立劇場大野和士芸術監督が「今イタリアで3本の指に入る美声」と賞するトップ・テノール。清浄で輝かしい高音と圧倒的なカリスマ性で、勇将の情熱と愛と絶望を見事に歌い上げた。


撮影:堀田力丸 提供:新国立劇場

アイーダとラダメスの二重唱「運命の岩がとざされた」では、二人の愛の昇華が会場いっぱいに鳴り響いた。


撮影:堀田力丸 提供:新国立劇場

日本人歌手では、大司祭ランフィス役の妻屋秀和、アムナズロ役の須藤慎吾らが優れた歌唱と演技で活躍した。


撮影:堀田力丸 提供:新国立劇場

妻屋の存在感と須藤の演技力が際立っていた。


撮影:堀田力丸 提供:新国立劇場

歌手の大重唱のほか、新国立劇場合唱団による大合唱も白眉で新国立劇場ヴェルディ・オペラの感動に浴した。ヴェルディで特に名高いオペラの名匠カルロ・リッツィ指揮 東京フィルハーモニー交響楽団の熱演も素晴らしく、勇壮でドラマティックな名舞台に華を添えた。


撮影:堀田力丸 提供:新国立劇場

歌手、合唱、バレエ、助演俳優が出演した第2幕「凱旋の場」は、総勢300名が登場する壮大な大スペクタクル。同場面は300名超えの出演者のほか、北陸の乗馬クラブスターライトステーブルスからやってきた2頭の馬(白馬がキーストーン、栗毛がジェニー)が登場し、世界最高レベルの「凱旋の場」と言ってもよい素晴らしさだった。

豪華絢爛な古代エジプトの世界観が圧倒的で一生の思い出として、冥土の土産として、一度は必ず観ておきたいと確信させてくれる価値ある名舞台だった。


撮影:堀田力丸 提供:新国立劇場

■新国立劇場開場25周年記念公演
新国立劇場 2022/2023 シーズンオペラ
ジュゼッペ・ヴェルディ
『アイーダ』
全4幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉

スタッフ:

【指揮】カルロ・リッツィ
【演出・美術・衣裳】フランコ・ゼッフィレッリ
【照明】奥畑康夫
【振付】石井清子
【再演演出】粟國 淳
【舞台監督】斉藤美穂

キャスト:

【アイーダ】セレーナ・ファルノッキア
【ラダメス】ロベルト・アロニカ
【アムネリス】アイリーン・ロバーツ
【アモナズロ】須藤慎吾
【ランフィス】妻屋秀和
【エジプト国王】伊藤貴之
【伝令】村上敏明
【巫女】十合翔子

【合唱指揮】三澤洋史
【合唱】新国立劇場合唱団
【バレエ】東京シティ・バレエ団
【児童バレエ】ティアラこうとう・ジュニアバレエ団
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

新国立劇場アイーダ website
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/aida/

▽新国立劇場オペラ「アイーダ」ダイジェスト映像 Aida-NNTT

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