【公演レポ】アラン・ギルバート&東京都交響楽団、抜群の相性で色彩感溢れるゴージャスな音楽を構築!

フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2022にアラン・ギルバート&東京都交響楽団が登場。2018年の首席客演指揮者就任以来、都響と多くの名演をくりひろげてきたアラン・ギルバートだが2025年3月まで任期を延長し、両者の関係はさらに深いものとなっている。

ビゼーとラフマニノフを中心とする躍動感あふれる名曲プログラムを8月2日、ミューザ川崎シンフォニーホールで聴いた。

南フランスの牧歌的な背景のなかで繰り広げられる劇付随音楽「アルルの女」第1組曲、第2組曲(ギロー編曲)からマエストロ・チョイスの5曲が演奏され、いずれも聞き応えがあるメロディが頻出。東京都交響楽団による色彩感溢れるゴージャスな音楽が構築されていた。

後半は、ラフマニノフの交響的舞曲。渡米したラフマニノフが「何が起こったのか自分でもわからないが、おそらくこれが私の最後の煌きになるだろう」と述べた作品。

第一楽章は、ザクザクした行進曲調のリズムの上を木管楽器による主題が呈示され、弦楽器やピアノを加えつつ変奏され発展していく。ゲスト・サクソフォン奏者 住谷美帆によるソロも美しい。

最終楽章は、グレゴリオ聖歌「怒りの日」の旋律主題が強烈に打ち出され、スケルツォ的な調性やリズム感は秀逸したものだった。名匠アラン・ギルバートは、作品の善さがとことん伝わってくる指揮で、都響から起伏に富んだ美しい音楽を導き出していた。

指揮者とオーケストラの関係は男女の恋愛関係に例えられることがあるが、このコンビの演奏を聴いて感じたのは、ギルバートと都響の相性は非常に良好ということである。末永く両コンビによる調和のとれた音楽を聴いていたいと思わせてくれる一日となった。

©T.Tairadate

■フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2022
東京都交響楽団
ゴージャス!腕利き集団が奏でる名曲集

日時:2022年8月2日(火) 19:00開演
(18:00開場/18:20~18:40プレトーク)
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:アラン・ギルバート(東京都交響楽団 首席客演指揮者)

プログラム:

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典交響曲」
ビゼー:アルルの女 から
パストラール(第2組曲)
メヌエット(第1組曲)
カリヨン(第1組曲)
アダージェット(第1組曲)
ファランドール(第2組曲)
ラフマニノフ:交響的舞曲

|フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2023
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