【公演レポ】スターダンサーズ・バレエ団ピーター・ライト版「ジゼル」を7年ぶりに上演!

スターダンサーズ・バレエ団ピーター・ライト版「ジゼル」全2幕が7年ぶり上演し、2日目である5月15日テアトロ・ジーリオ・ショウワで同作品を観賞した。

詩人ハイネの作品を元に作られた、アダンの名曲が美しいロマンティック・バレエの最高峰といわれる本作。

ピーター・ライト版「ジゼル」のスターダンサーズ・バレエ団初演は1989年。
ピーター・ライト版ジゼルを日本で上演しているのはスターダンサーズ・バレエ団のみで前回上演した2015年から実に7年ぶりの貴重な再演となった。

踊り手には高い技術と演技力が要求されるが、主役の村娘ジゼル役は喜入依里。アルブレヒト役は池田武志で共に初役というフレッシュな配役だった。

村娘ジゼル(喜入依里)は恋人に裏切られ命を落とすが、第2幕でウィリ(精霊)になっても愛をブレずに貫く姿勢に胸打たれた。

第1幕終盤、アルブレヒトの裏切りを知って取り乱したジゼル(喜入)の「狂乱の場」における迫真の演技とバレエは見ごたえがあった。

アルブレヒト役の池田武志は初々しいバレエと演技で観客を楽しませた。村娘たちによる綺麗なバレエも大きな見どころだった。

ロマンティック・バレエの最高傑作「ジゼル」で面白いのは第1幕が「人間界」、第2幕が「精霊界」と、人間が住む現実の世界から精霊が支配する非現実の世界へと転換される点にある。

第二幕でヒラリオン(久野直哉)がウィリ(精霊)の気配に驚き、逃げるが最終的にウィリに見つかり、死ぬまで踊らされ命を落とす。ヒラリオン(久野直哉)はマイムの役だが、久野の演技力は観客の注目を集めた。

ウィリの女王のミルタ役を踊ったのは杉山桃子。女王としての立ち振舞、気迫、威厳を感じさせるソロが素晴らしい。

ウィリの女王のミルタを取りまくウィリたちよるコール・ド・バレエが白眉。練習の成果が見事に結実した整然としたこの世のものとは思えない幻想的なアンサンブルで観客に感動を与えた。

演出として、演技を重視し、ドラマとして細部なまで見応えあるものにしたピーターライト版ジゼルの魅力を十二分に感じさせてくれる好演だった。

©Kiyonori Hasegawa

■スターダンサーズ・バレエ団公演
ピーター・ライト版「ジゼル」全2幕

日時:2022年5月15日(日) 14:00開演
場所:テアトロ・ジーリオ・ショウワ

スタッフ:

音楽:アドルフ・アダン
振付:マリウス・プティパ、ピーター・ライト
台本:テオフィール・ゴーティエ(ハインリッヒ・ハイネの民話に基づく)
演出:ピーター・ライト
舞台美術・衣裳:ピーター・ファーマー
振付指導:デニス・ボナー
指揮:田中良和
管弦楽:テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
舞台監督:森岡 肇

キャスト:

ジゼル 喜入依里
アルブレヒト 池田武志

ヒラリオン 久野直哉
ウィルフリード 友杉洋之
ベルタ 周防サユル
クールランド 公鈴木稔
バチルド フルフォード佳林
狩猟長 鴻巣明史
パ・ド・シス
西原友衣菜 西澤優希 塩谷綾菜 前田望友紀  佐野朋太郎 関口啓
村娘たち
秋山和沙 井後麻友美 岩崎醇花 海老原詩織 早乙女愛毬 田中絵美
谷川実奈美 野口熙子 橋本まゆり 東真帆 森田理紗 山内優奈
村の若者たち
井上興紀 小澤倖造 加地暢文 仲田直樹 宮司知英 和田瞬

ミルタ 杉山桃子
ドゥ・ウィリ 石山沙央理 東真帆
ウィリたち
秋山和沙 井後麻友美 岩崎醇花 海老原詩織 岡田夏希 角屋みづき 早乙女愛毬 塩谷綾菜 谷川実奈美 玉村都 冨岡玲美 西原友衣菜 野口熙子 橋本まゆり  フルフォード佳林 前田望友紀 森田理紗 山内優奈

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