【公演レポ】広上 淳一&札幌交響楽団、北海道の悠大な情景を思い起こさせてくれる劇的な演奏!

11月18日、札幌交響楽団が2020年度にスタートした平日夜の演奏会シリーズ
「hitaruシリーズ新・定期演奏会」を札幌文化芸術劇場 hitaruで聴いた。
同演奏会は7回目を迎え、指揮は札幌交響楽団 友情客演指揮者の広上 淳一、ヴァイオリンは、外村 理紗が登壇した。

前半のプログラムの「外山 雄三 ノールショピング交響楽団のためのプレリュード」は、広上の両親の故郷である富山の民謡を素材に用いており、チューバ・チャンチキ・大太鼓・ボンゴ等が入り、聴きごたえのある饗宴が披露された。

続いて「チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲」で独奏者の外村里紗が若さとエネルギー溢にれた見事な演奏で会場を沸かせた。演奏終了後、キレの良いヴァイオリンを披露した20歳の外村への拍手が鳴りやまず、将来楽しみな逸材であることを実感させた。コンチェルト全般において、広上の指揮は冴えわたり、情熱的かつ透明感あふれるサウンドを札幌交響楽団からひき出した。

後半の「ドヴォルザーク交響曲第8番ト長調」の第一楽章は快活で親しみやすい旋律。広上&札幌交響楽団のコンビはこの曲に合っており、北海道の悠大な情景を思い起こさせてくれる心地よさがあった。第二楽章アダージヨでは、美しく穏やかな旋律を堪能。第三楽章は、全曲中最も有名な3拍子の舞曲でその優美さが白眉。中間部の旋律は、歌劇「がんこな連中」からとられたもので、両者を比較して聴いてみると面白い。第四楽章はトランペットによるファンファーレの導入のあと、ティンパニのソロがあり、チェロによって主題が静かにゆっくりと提示された。提示部の主題と同じく穏やかな気分で変奏が行われ、ラストは札幌交響楽団による輝かしく劇的なコーダに魅了された。

写真提供:札幌交響楽団
取材協力:F. Shinden

■札幌交響楽団
hitaruシリーズ新・定期演奏会 第7回
2021年11月18日(木)19:00~
札幌文化芸術劇場 hitaru

指揮者 / 共演者
指揮 / 広上 淳一
ヴァイオリン / 外村 理紗

曲目
外山 雄三ノールショピング交響楽団のためのプレリュード
チャイコフスキーヴァイオリン協奏曲
ドヴォルザーク 交響曲第8番

hitaruシリーズ新・定期演奏会 第7回 | 札幌交響楽団 Sapporo Symphony Orchestra-「札響」
2021年11月18日(木)19:00~ / 札幌文化芸術劇場 hitaru
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