【公演レポ】藤原歌劇団 オペラ「清教徒」公演、ベルカント・オペラの最高峰で感動的な音楽空間!

9月10日、藤原歌劇団公演(共催:新国立劇場・東京二期会)のベルカント・オペラの最高傑作と名高い「清教徒」を新国立劇場オペラパレスで観賞した。

合唱は藤原歌劇団合唱部、新国立劇場合唱団、二期会合唱団による合唱団。
管弦楽は東京フィルハーモニー管弦楽団。指揮は柴田真郁、演出は松本重孝が担当した。

薄命の天才作曲家ヴィンチェンツォ・ベッリーニ(1801-1835)の短い34年の中で書かれた最後の遺作となるオペラ。

ローマ人と巫女ノルマとの禁断の愛を描いたベッリーニの歌劇「ノルマ」と共に、ベルカント・オペラ(美しい歌唱力によるオペラ)最高峰の作品と称され、17世紀、清教徒革命の頃の英国が舞台となっている。

清教徒である議会派の娘エルヴィーラと王党派の一員であるアルトゥーロによるスケールの大きい恋の物語。

エルヴィーラ役の佐藤美枝子(ソプラノ)は、透明感がある美しいソプラノを披露。狂乱の場でのコロラトゥーラは表現力に溢れ、聞き応えあった。

 

アルトゥーロ役の澤﨑一了(テノール)は、第一幕から豊かな美しい声質で超高音のハイC#を披露。フィナーレではさらに高い超絶高音を放ち、観客を驚かせ、注目を浴びた。

リッカルド役の岡昭宏(バリトン)は、広がりがあり堂々とした歌声で観客を魅了。
舞台での存在感も際立っていた。

藤原歌劇団合唱部・新国立劇場合唱団・二期会合唱団からなる合唱団も素晴らしい。他のキャストも高水準で、ベルカント・オペラの最高傑作を聴いた幸福感を味わった。

イタリアオペラに定評がある柴田真郁は、ツボを押さえた柔らかく軽快な指揮で東京フィルハーモニー交響楽団から、凛とした旋律美を引き出した。ショパンやワーグナーをも虜にした天才作曲家ベッリーニならではの明るく美しい曲調や流麗な曲展開を巧みに表現し、藤原歌劇団をはじめとする他キャストと共に感動的な音楽空間を構築した。

写真:Ⓒ公益財団法人日本オペラ振興会

■藤原歌劇団公演(共催:新国立劇場・東京二期会)「清教徒」新制作

2021.9/10(金)
新国立劇場オペラパレス

●出演

エルヴィーラ:佐藤美枝子
アルトゥーロ:澤﨑一了
ジョルジョ:伊藤貴之
リッカルド:岡 昭宏
ヴァルトン卿:東原貞彦
ブルーノ:曽我雄一
エンリケッタ:古澤真紀子

合唱:藤原歌劇団合唱部/新国立劇場合唱団/二期会合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:柴田真郁

演出:松本重孝
合唱指揮:安部克彦
美術:大沢佐智子
衣裳:前岡直子
照明:服部 基
舞台監督:菅原多敢弘
副指揮:松村優吾 小松拓人
演出助手:手塚優子

「清教徒」公演特設サイト
https://www.jof.or.jp/performance/2109_puritani/

CULTURE

コメント