昨年11月に開業した話題のスポット「麻布台ヒルズ 森JPタワー」の33階に、グランビストロ「Dining 33(ダイニング 33)」がオープン。レストランをプロデュースしたのは日本のフランス料理界を牽引してきた巨匠、三國清三氏。
「Dining 33」はヒルズハウスの会員でなくとも誰もが利用できるレストランで、三國氏にとっても初の試みとなる大皿料理に挑戦。フランス料理をベースに三國氏しか表現できない「ジャポニゼ」の世界観を体現しています。
大皿料理をシェアするスタイルで料理を提供しており、日常使いから接待まで、様々なシーンを彩る空間で、和の思想を取り入れた料理と豊かな語らいの時間が満喫できる。
店内に入り奥の客席へ進むと、左手のガラス壁に映るパノラミックな景色が圧倒的。案内された奥の席は、東京タワー越しに東京のベイエリアを望む卓抜したロケーションが広がります。
フランス料理に「ジャポニゼ」の要素を採り入れた三國清三氏が監修する4月のディナーコースを体験しました。メインディッシュを大皿でリラックスしてシェアして楽しむビストロらしさがあり、普段使いから仲間同士の集い、記念日、接待まで幅広く活用できます。
■Dining 33 ディナーコース:
・アミューズ
Amuse
旬の野菜、筍、カブが使用されて、貝の出汁で味つけされたアミューズが運ばれてました。
綺麗にデコレートされたレモンの泡が目を惹きます。旬の野菜の食感と貝の旨味に食欲が刺激されます。
・ホタルイカとウドのコンポート
雪下人参の明太子和えクリュディテ、ガルムヴィネガー風味
Firefly Squid & Udo Compote,
Under-snow Carrot & Spicy Cod Roe, Fish-sauce Vinegar
ホタルイカとウドのコンポートが運ばれてきました。
カリッと揚げられた滋味、風味抜群の秀逸した作品。秋に収穫時期を迎えるにんじんを3月頃まで雪の下で寝かせた雪下人参は通常のにんじんと比べ、甘みが凝縮され、みずみずしく歯切れの良い食感を生み出しています。熟成されたまろやかな自然の甘味と香りがよいアクセントに。
・オマール海老のキャベツ包み、アメリケースソース
Lobster-stuffed Cabbage Roll, American Sause
オマール海老の旨味が凝縮されたオマール海老のキャベツ包みが提供されました。
オマール海老のほか枝豆、タラの芽、行者ニンニク、帆立のムースが使用されており、上にフカヒレとミントの葉が綺麗にデコレートされています。材料に山菜であるタラの芽と行者ニンニクが使われているのが心憎いほどの演出。
アメリケースソースは、オマール海老、トマトペースト、人参、玉ねぎ、セロリ、魚の出汁、貝の出汁、バター、コニャックが使用されており、甲殻類独特の甘味とコク・濃厚な旨味が堪能できるとってもおいしい絶品ソースに仕上がっていました。
フランス料理でよく使われる、鮮やかなオレンジ色の「アメリケーヌ・ソース」は、「オマール海老のアメリカ風(Homard a l’américaine)」から由来しています。
・桜鱒のグリエ
3種トマト、スナップエンドウ、絹サヤ、ソースヴァンブラン
Grilled Sakura Trout,
Cherry Tomatoes & Snap Peas, White Wine Cream Sauce
しっとりとした桜鱒のグリエ(二人前の大皿料理)が運ばれてきました。春のお魚といえば桜鱒ですが、中の身はしっとりとしており、ミディアムかミディアムレア楓に調理されていました。
白ワインと生クリームで作られたヴァンブランソースがクリーミーで極上の出来。お肉料理に使われるソースに対して、ヴァンフランソースは魚料理と相性がよいソースですが、生クリームやフュメドポワソン(魚の出し汁)のクオリティも非常に高く、手間暇かけたソースヴァンブランはワンランクもツーランクも極上の料理へと昇華させていました。
三國シェフと言えば、「ソースの魔術師」と言われるトロワグロ兄弟(ジャン・トロワグロとピエール・トロワグロ)の店「メゾン・トロワグロ」での経験をお持ちですが、深さとキレのよさを両立させたソースは、「ソースの神様」を彷彿とさせるものがあり、感動的な出来でした。ヌーヴェル・キュイジーヌを牽引する、舌が唸る驚きの一皿。これぞ、まさに三國シュフならではの妙技と言えましょう。
・骨付き仔羊のロティ
新牛蒡とそのヌイユ、椎茸、葉ワサビのフリット、柚子胡椒風味
Roasted Bone-in Lamb, Seasonal Burdock Noodles,
Shiitake Mushroom & Wasabi Leaf Fritters, Yuzu Pepper Flavor
仔羊の美味しさが際立つメインディシュ(2人前)が運ばれてきました。肉が柔らかく仕上がり、ラムの臭みは全く感じません。仔羊の骨付き背肉を長時間低温ローストしたもので、その上品な旨味はローストビーフに勝るとも劣らない。過度に火が入らないので身は柔らかでした。肉汁の流出がないのでしっとりとジューシーに仕上がっていました。
添えてある新牛蒡(ごぼう)とそのヌイユ(平打ちパスタ)、椎茸、葉ワサビのフリットとのバランスが絶妙で、非常に良い出来のメインディシュに。
フィンガーボールも用意されておりますので、卓上で指先を洗うことができます。ファンが―ボールは、中世ヨーロッパでよく使われ、上流階級の食卓では、シナモンや薔薇で匂いづけをしたものがよく使われていたようです。
・パイナップルのブランマンジェ・
グリオットのフォレブランシュ風・ココのアイス
Pineapple Blancmange, French Cherries, Coconut Icecream
春らしい爽やかさが感じられるデザート3品が運ばれてきました。パイナップルのブランマンジェは、パイナップルの風味が秀逸。
ココのアイスはふわりと軽い舌触りとココナッツの味わいが素晴らしく、舌を夢中にさせます。
・マカイバリ茶園のオーガニックダージリンティーと御用蔵
Organic darjeeling tea and Macaron
御用蔵醤油のマカロンは、1908年宮内省(現在の宮内庁)御用達を賜ったという「御用蔵醤油」を使用しています。最良の原料で仕込まれた、最高峰のしょうゆで作られたマカロンですので、風味・味共に格別。至福の時を過ごしました。
Dining 33はドリンクのセレクションも豊富で、モクテルはJAPONISEEタイプとFRENCHタイプの2種類があります。
JAPONISEEより、「発酵とマンゴーと発酵」をオーダー。和紅茶、マンゴー、八丁味噌、リンゴ酢が使われているモクテルで、マンゴーの甘さと林檎の酸のバランスが絶妙でした。
FRENCHモクテルの「フランス ラフランス」は、ラフランス、蕎麦の実、マスタード、炭酸、トマトのチュイールが使用されており、すっきりとした優しいモクテルでどの料理にも合いそうです。
ハウスワインとしてフランス料理の巨匠 三國シェフが厳選したシャンパン、白ワイン、赤ワインが用意されていました。
こちらはそれぞれ三國シェフが直接選んだもので、樽買いしたものをボトリングしたものです。質の良いワインを製造し続けているワイナリーのワインですので、お料理と最高にマリアージュするのは間違いありません。
ハウスワイン以外に本格フランス料理店に勝るとも劣らないワインリストがあるのはもちろん、リストに掲載外のワインもセラーにたくさんあるとのこと。ソムリエに相談しながら予算と好みに合わせた一本との出会いも楽しみなところ。
店内奥には、和室仕様の掘りごたつ付きの個室もありますので、大切な方ととっておきの時間を過ごしたり、プライベートな空間を確保したい時の利用にオススメです。
テーブル170席に加えて、個室4室28席が設けられているDining33は、東京ベイエリアや間近にそびえる東京タワーが見渡せる恵まれたロケーション。今が旬の麻布台ヒルズで、フランス料理の巨匠のエスプリを思う存分ご体験ください。
PRODUCER
三國清三
北海道増毛町出身。「札幌グランドホテル」「帝国ホテル」で修業後、1974年日本大使館にて料理長に就任。勤務の傍ら、巨匠シェフのフレディ・ジラルデ氏に師事。以降「トロワグロ」「アラン・シャペル」等三ツ星レストランを経て帰国。1985年、東京・四ツ谷に「オテル・ドゥ・ミクニ」開業。内外での受賞・受勲歴多数。日本におけるフランス料理の発展に寄与する一方で、子供の食育活動やスローフード推進、ウェルネスフードの啓蒙活動など、多彩に貪欲に尽力し続けている。2022年12月末には「オテル・ドゥ・ミクニ」を新たな形でリ・スタートさせるために一旦閉業。今後の活躍にも大いに注目が集まっている。
オテル・ドゥ・ミクニ @chef-MIKUNI 公式YOUTUBE CHANNEL
https://www.youtube.com/@chef-MIKUNI
Dining 33 店舗情報
住所: 東京都港区麻布台1丁目3-1 麻布台ヒルズ 森JPタワー33階
TEL: 03-4232-5801(電話受付時間:11:00~23:00)
営業時間: ランチ11:00〜15:00(L.O.14:00)、ディナー18:00〜23:00(L.O. 22:00) 定休日: なし
席 数: テーブル170席、個室4室28席
価 格: ランチ6,600円〜、ディナーコース11,000円〜
※別途サービス料12%
予 約: テーブルチェック
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