【インタビュー】岡部麟、舞台『鋼の錬金術師』ウィンリィ・ロックベル役にかける想いを語る

全世界でのシリーズ累計部数が8,000万部突破した人気ダークファンタジーコミックス『鋼の錬金術師』が初の舞台化。2023年3月に大阪・東京にて舞台『鋼の錬金術師』の上演が決定した。

舞台『鋼の錬金術師』ヒロインのウィンリィ・ロックベル役という大役を担うのが岡部麟(AKB48)。岡部麟は舞台「マジムリ学園-LOUDNESS-」、ミュージカル「ピーター・パン』などの経験があるが、新たに配役されたウィンリィ・ロックベル役にかける想いなどを聞いた。

――舞台『鋼の錬金術師』への出演が決まった経緯と感想をお願いいたします。

今までの舞台は、「あなたは何役です」と決まっている状態でお話をいただいていたのですが、今回の舞台に関してはオーディションを受けました。

オーディションで演出・脚本の石丸さんにお会いして、決まったら嬉しいけど、でも受かるかどうかはわからないし不安な気持ちだったのを覚えています。直前まで別の作品でミュージカルをやっていたので、自分がやってきたことに自信をもってオーディションを楽しく終えたらいいなと思いました。

――実際に「岡部さんにお願いします」と言われて、どうお感じになりましたか?

よかった~嬉しい~って。今までもAKB48の活動と両立しながらやってきたけど、ここ1~2年はとくに舞台に賭けてきたので報われたと感じた瞬間でした。

一方で、私の偏見かもしれませんが、これだけ人気のある原作でたくさんのファンの方がいらっしゃる作品だから、ウィンリィ役を“アイドル”であるAKB48の岡部麟がやるということになったら、かなり抵抗がある方も多いのではないかとも思いました。決まった後も、どうしてもこの役を自分のものにしなくてはという責任感がありましたね。

絶対この役を自分のものにして、この作品のファンの方に「ウィンリィ・ロックベル役がこの子でよかったな」って思ってもらいたいし、ファンの方には「麟ちゃん、よかったね」って思ってもらいたいです。

――原作「鋼の錬金術師」の印象は?

私も小学生の時、アニメでこの作品を観て、漫画やアニメってすごく面白い、内容も凝っていて、どんどんどんどん惹きこまれるなと思っていました。みんなが好きになるような物語という印象が強いですね。

――本当に有名な作品ですものね。

はい、世界中からこんなに愛されている作品はなかなかないので。

――稽古を通して、原作と舞台の違いなどは感じられましたか?

原作ではエド(主人公のエドワード・エルリック)たちが使う錬金術というのは、原作者の荒川先生が描いた絵で表現されるけど、今回はお客様の前で直接、生で演じますので、あまり漫画チックにならずに人生を歩んでいるところをリアルに表現していかなくては。そこがやっぱり生でやる難しさじゃないかなって感じますね。石丸さんがつくっていく演出の中で、人間がリアルでやったら、確かに二次元で表現される動きとはまた違うようになるという面白さがありますね。

――ヒロインのウィンリィ・ロックベルはどのような役なのでしょうか?

見た目は本当に可愛らしい女の子ですが、主人公であるエドとアル(アルフォンス・エルリック)の心の支えというか、そういう存在じゃないかなと思います。家族のような存在でもあるのかなと。

――ウィンリィ・ロックベル役を通してどのようなことを伝えたいですか?

男性のキャラクターが多い中での女性なので、ただ可愛いだけじゃなく男性に負けない心の強さを持っているところや、エドとアルの2人を支える強さをちゃんと見せていかなければと思っています。

――舞台「マジムリ学園」やミュージカル「ピーター・パン」の舞台経験は今回生かされそうでしょうか?

それぞれ年齢も可愛らしさも強さも違う役柄ですが、自分個人より作品自体を観てほしいというふうに想いが変わってきたので、より作品のことが考えられるようになりました。

――演出家さんやスタッフさんとのエピソードで印象的だったことをお願いします。

ビジュアル撮影の時に衣裳を着て、石丸さんから「かわいい!似合っている!」と好評だったのが自分の中でかなり自信になっています。「石丸さんが言ってくれるなら」と(笑)。

――衣裳も今回の注目ポイントということでしょうか?

ウィンリィちゃんのビジュアル発表時は「おおっ!その格好で出るんだ」となっていたかも(笑)。

――楽しみですね。この役に決まって、ファンの皆さんからの反応は?

たぶん今までの作品の中で一番驚きと喜びがあったんじゃないかと思います。「ピーター・パン」の時も「すごいね。ついにブロードウェイに出たか」といった反応をいただいて嬉しかったのですが、やっぱり私の男性ファンは学生の頃に「鋼の錬金術師」を見て青春を過ごした方が多かったみたいで「えっ、本当に言ってる!?」と凄すぎて若干戸惑いがあったみたいです。ファンの方の反応を見て、改めてすごい作品に出る実感が湧きました。

――舞台『ハガレン』のここを見てほしいというポイントは?

生身の人間の力でどう錬金術やバトルを表現するか、すごく今、試行錯誤しながらみんなで熱く練っているところです。エドたちのバトルがどう繰り広げられるかというところを楽しみにしてもらいたいなって思っています。

――今後はどのような役柄をやってみたいでしょうか?

役としてやってみたいなと思うのはもっとアクションをごりごりにやる、例えばですけど「あずみ」みたいな。ずっと戦っているみたいな役もやってみたいし、おしとやかな女性という役もやったことがないので挑戦してみたいです。

今は、ミュージカルや舞台の経験を積みたいです。もちろん将来的にはドラマや映画にも出演したいのですが、今は舞台が楽しいと思っている自分がいます。経験を積んで、できることが増えて、楽しく成長してきているという実感はあります。

――舞台やミュージカル以外で挑戦したいお仕事は?

自分の趣味として何か製作したり絵を描いたりモノを作ることが昔から好きだというのがあるので、個展とかやりたいですが、なかなかちょっとできていないですね。AKB48の中でも自分の特技を生かさせていただいていますが、今はそちらの時間があまりとれていなくて。

――チーム8のイベントでも麟さんの絵が大好評でしたもんね。

そっちの方面でも活躍できたらいいなって思っています。

――マルチに才能ありすぎると大変ですね。

時間がないとできないし、頭の中がすごく忙しいですね(笑)。体が足りないっていうか。

――贅沢な悩みですね。それだけ幅広い仕事ができるということですもんね。

一つのことを極められないのが弱点なのかなとも思います。全部やろうとすると中途半端になっちゃう気がして、ちゃんと何かに集中すべきなんだろうな~と感じています。

――二刀流の大谷翔平選手みたいな才能溢れる方もいますからね。

何でも「この人に任せる!」と言ってもらえる人物像が理想と思っています。

――最後に舞台を楽しみにしている皆さんにメッセージお願いします。

キャストやスタッフさんの作品に懸ける想いは「熱すぎるよ!」と思うほど情熱的なのでぜひぜひ楽しみにしていてください。期待に応えられる作品になっていると思うので「待っててね」とお伝えしたいです。

岡部麟 プロフィール:

岡部麟(おかべ りん)1996年〈平成8年〉11月7日 -。茨城県出身。人気アイドルグループAKB48のメンバー。イラストレーター。愛称は「りんりん」「べりん」。2017年11月、シングル「11月のアンクレット」で初選抜入り。ホリプロ所属。元AKB48チームAキャプテン(第6代)。目標、憧れている人は、小嶋陽菜、天海祐希。身長159 cm。

・岡部麟ツイッター
https://twitter.com/Berin_official
・岡部麟ツイッターインスタグラム
https://www.instagram.com/beristagram_1107/

コメント