新日本フィルハーモニー交響楽団による特別演奏会 SMBCプレゼンツ「宮川彬良 vs 新日本フィル 超!ジルベスター・コンサート 2025→2026」が大晦日に開催。「シャープでアリアな大晦日」をテーマに掲げ、知的で軽やかな音楽がぎっしり詰まった一日となった。

©大窪道治
前半は、宮川彬良の名を幅広い世代に知らしめた伝説的番組『クインテット』の世界観を軸に展開された。「クインテット・マジカルオーバーチュア」から始まり、ショパン「英雄ポロネーズ」、ベートーヴェン「エリーゼのために」といったクラシックの名曲を経て、「クインテット・テーマ」「パトロネージュ・サンバ2025」へ。

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クラシックとオリジナル、教育番組とコンサート作品、その境界線を軽やかに飛び越えていく構成は、まさに宮川彬良ならでは。新日本フィルの精緻な演奏に支えられながら、音楽の“楽しさ”と“深さ”が同時に伝わってくる。
後半の「日本のうた」秋冬&新春メドレーでは、「赤とんぼ」「村祭り」「たきび」「冬景色」「スキー」「早春賦」「ふるさと」といった唱歌が次々に現れ、会場は一転してノスタルジックな空気に包まれる。とりわけ終曲の「ふるさと」では、言葉一つひとつを慈しむような名歌唱が胸を打った。過度な感情表現に頼らない栗友会合唱団のまっすぐな合唱が旋律の美しさを際立たせ、オーケストラの柔らかな響きと相まって、聴く者それぞれの記憶の原風景を静かに呼び覚ましていく。会場全体が同じ時間と場所を共有するかのような、深い余韻を残す名場面となった。
そして、コンサートはいよいよ核心へ。
代表作――「宇宙戦艦ヤマト」が演奏された。あまりにも有名な序曲からテーマへと続く流れは、新日本フィルの重厚で伸びやかな響きによって、あらためて交響作品としてのスケールを感じさせた。宮川彬良の次女・宮川安利が歌唱を担当。澄んだ美しい歌声がオーケストラの響きと溶け合い、壮大な物語の中に清らかな情感と祈りを添えていく。

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宮川彬良の指揮からは、父の音楽への深い敬意と、それを未来へ手渡す強い意志がにじむ。「ヤマト2205『愛は今も光』」が続き、“ヤマト”の音楽が過去の遺産ではなく、現在進行形の物語であることを明確に示された。父から子へ、作品から次世代へ――音楽の継承が、ステージ上で確かな形を持って立ち上がった。
祝祭のアンコールは更なる未来へ:
宮川泰作曲「若いってすばらしい」では、栗友会合唱団のエネルギッシュな歌声が会場を包み込み、聴く側まで自然と元気をもらうような時間に。ラストは、宮川彬良の代表作「マツケンサンバII」。オーケストラ、合唱、客席が一体となり、華やかで賑やかなフィナーレを迎えた。
クインテットで育った世代、ヤマトに胸を熱くした世代、そして今この音楽に出会う若い世代。そのすべてをひとつの航路に乗せて未来へと進んでいく――そんな感覚を残して、“超!ジルベスター・コンサート”は幕を閉じた。音楽の楽しさと奥深さ、そして継承の力をあらためて実感させてくれる盛大な一年の締めくくりとなった。

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■SMBC presents 宮川彬良 vs新日本フィルハーモニー交響楽団
「超!ジルベスター・ コンサート 2025→2026」
シャープでアリアな大晦日 〜 クインテットからヤマトまで☆アキラさんヒット曲集
日時:2025年12月31日(水)14:00
会場:すみだトリフォニーホール 大ホール
プログラム:
宮川彬良:クインテット・マジカルオーバーチュア
ショパン:英雄ポロネーズ
ベートーヴェン:エリーゼのために
宮川彬良:クニンテット・テーマ
宮川彬良:パトロネージュ・サンバ2025
「日本のうた」秋冬&新春メドレー(赤とんぼ、村祭り、たきび、冬景色、スキー、早春賦、ふるさと)」
宮川彬良:「グリム組曲」よりスインギング・モーツァルト、アメージング・ドビュッシー
宮川泰:宇宙戦艦ヤマト 序曲〜テーマ
宮川泰&宮川彬良:ヤマト2205「愛は今も光」
ほか
アンコール:
安井かずみ・宮川泰「若いってすばらしい」(合唱:栗友会合唱団)
吉峯暁子・宮川彬良「マツケンサンバII」
出演:
指揮・ピアノ:宮川 彬良
歌:宮川安利
合唱:栗友会合唱団
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団



