48万部突破のベストセラー・宇佐見りん著『推し、燃ゆ』 アメリカ、中国、ロシアなど世界7ヵ国で翻訳決定!

河出書房新社が刊行する宇佐見りん著『推し、燃ゆ』に海外より出版オファーが殺到、早くも世界7カ国・地域で翻訳出版が決定いたしました(2021年4月22日時点)。

本作は、2020年9月に刊行したのち本年1月に第164回芥川龍之介賞を受賞、その後3ヶ月間にわたり「文芸書」売上第1位に輝いております(日販調べ:2020年度1〜3月期書籍ジャンル別)。

また、2021年本屋大賞にもノミネートされるなど、瞬く間にSNS、複数のメディアで取り上げられて大きな話題となり、現在発行累計48万部を突破しました。近年の芥川賞受賞作としては、村田沙耶香『コンビニ人間』(文藝春秋・60万部)、若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』(河出書房新社・50万部)に次ぐ、異例のベストセラーとなっています。


世界中から注目される日本の作家、新たな才能・宇佐見りん

昨年全米図書賞翻訳部門を受賞し、大きな話題となった柳美里『JR上野駅公園口』(河出書房新社)など、近年、日本語で書かれた小説作品が世界で熱い注目を浴びています。村上春樹氏や多和田葉子氏、小川洋子氏といったベテラン作家たちによる作品をはじめ、村田沙耶香『コンビニ人間』(文藝春秋)、川上未映子『夏物語』(文藝春秋)、小山田浩子『工場』(新潮社)、松田青子『おばちゃんたちのいるところ』(中央公論新社)など、30〜40代の女性作家が描く世界観が英米圏を中心に話題となりました。昨年、アメリカの雑誌「TIME」が発表した「2020年の必読書100選」には『JR上野駅公園口』『夏物語』『おばちゃんたちのいるところ』、村田沙耶香『地球星人』の4作品が選出されています。

世界で注目を集める日本文学。その中でも近年稀に見る注目作となっている『推し、燃ゆ』は「推し」という最新のトレンドを扱いながら、非常に洗練された文章と高い文学性が海外からも評価を受け、デビュー間もない「宇佐見りん」という作家への期待が高まっていることは確実です。


下記は競合の末、翻訳出版が決定した出版社と言語・国等の一覧です。

出版社名(言語・国&地域)

・HarperVia(英語・北米圏) ←3社競合

かつて三島由紀夫、手塚治虫作品等も刊行した、世界最大5出版社(Big Five)の一つであるHarper Collinsが、2019年に翻訳専門部門として設立。2020年本屋大賞翻訳小説部門第1位となった『アーモンド』(ソン・ウォンピン著)英語版を昨年刊行、大きな話題となる。

・Canongate (英語・UKほか北米圏以外) ←4社競合
スコットランドに本社を置く⽼舗⽂芸出版社。2002年ブッカー賞受賞、2012年に映画化され、アカデミー賞4部門を受賞した『パイの物語』の出版社としても知られる。日本作品では『女神記』(桐野夏生著)、『和解』(志賀直哉著)等を翻訳出版。

・Edizioni E/O(イタリア語・イタリア) ←3社競合
日本小説を次々手掛け、ヒットさせている出版社。『コンビニ人間』(村田沙耶香著)、『夏物語』(川上未映子著)、『古道具中野商店』(川上弘美著)などの翻訳で知られている。

・AST Publishers(ロシア語・ロシア) ←3社競合
ロシア最⼤の総合出版社。傘下に書店チェーンを持つ。グループ会社には多くの出版社、書店があり、その一つComics Factoryでは多くの日本漫画を翻訳出版。『烏に単は似合わない』(阿部智里著)シリーズを手掛ける。

・上海浦睿文化(簡体字・中国) ←9社競合
エトガル・ケレット、ジャネット・ウィンターソンなど、世界文学の翻訳がロングセラーに。

・精誠資訊(繁体字・台湾) ←8社競合
『コンビニ人間』(村田沙耶香著)、『コーヒーが冷めないうちに』(川口俊和著)、『君の膵臓をたべたい』(住野よる著)、『さざなみのよる』(木皿泉著)など、日本の人気作品を多く手掛ける。

・Media Changbi (韓国語・韓国) ←4社競合
今、世界的に熱い韓国⽂学シーンをリードするCangbiグループ。マルグリット・デュラス作品の翻訳出版他、日本作品では多くのいわさきちひろ作品、『二つの夏』(谷川俊太郎・佐野洋子共著)等を刊行。

いずれも各国・地域において歴史があり、特に文芸作品に定評がある出版社です。特に英語圏からの人気を得て、大手・老舗の文芸出版社が権利獲得に意欲を示し競合、新人作家としては異例の高条件でのオファーとなりました。

『推し、燃ゆ』のあらすじ

「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。」という一文から始まる、ある男性アイドルを「推す」ことに全てを捧げる高校生の少女・あかりの目線で描かれた物語です。
あかりは学校でも家庭でも周囲が求めるような「普通」の生活を送ることができません。日々、居心地の悪さを感じるあかりにとって唯一の支えは「推し」の存在であり、彼を“解釈”することでした。その最中での炎上による「推し」の芸能生活の翳りは、あかりの生活の軸をも揺るがしていきます。

【著者プロフィール】

写真:宇壽山貴久子

宇佐見りん(うさみ・りん)
1999年静岡県生まれ。現在大学生。2019年、『かか』で第56回文藝賞を受賞。同作は2020年に三島由紀夫賞(第33回)を史上最年少で受賞。第2作『推し、燃ゆ』が、史上3番目の若さで第164回芥川賞受賞。

【書誌情報】

書名:推し、燃ゆ

著者:宇佐見りん
仕様:46版/128ページ
ISBN:978-4-309-02916-0
発売日:2020年9月11日
カバーイラスト:ダイスケリチャード
装幀:佐藤亜沙美(サトウサンカイ)

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