PSYCHIC FEVERが12月24日、タイ・バンコクで初の海外単独公演『PSYCHIC FEVER LIVE 2023 “P.C.F” in THAILAND』を開催した。本公演は、今年6月に開催したグループ初の単独ツアー『PSYCHIC FEVER LIVE TOUR 2023 “P.C.F”』の内容を引き継ぎながらも、グループの海外での活動経験をエッセンスとして加えることで、タイの現地ファンに向けて再構成されたステージが作り上げられていた。その結果、PSYCHIC FEVERの7人が繰り広げた磨き抜かれたパフォーマンスも相まって、現地のファンが大きな盛り上がりを見せた約1時間半となった。
今回、本稿では24日に2回行われた公演のうち、現地時間18時に開催された2公演目をレポートする。
開演に伴い、イントロダクションの音楽が流れ始める。メインスクリーンにツアータイトルが映し出され、タイの風土を彷彿とさせる映像が流れると、PSYCHIC FEVERの7人が大きな歓声を浴びながらステージに登場した。
メンバーは、『PSYCHIC FEVER LIVE TOUR 2023 “P.C.F”』でも着用していたモノクロのシックな衣装に身を包み、洗練されたビートが印象的な「BAKU BAKU」を1曲目にパフォーマンス。同楽曲では各メンバーの見せ場が訪れるたびに会場から歓声が上がり、ライブ冒頭から観客のテンションを一気に引き上げていった。
続いて、雰囲気を大きく変えて、クールなヒップホップ調のサウンドが響き渡る「Up and Down」へ。一糸乱れぬダンスで客席の視線をステージ中央に惹きつけると、小波津志が観客を煽ってさらなる盛り上がりを促し、「HABANERO」をパフォーマンス。パワフルな歌声とダンスで魅了した。
ここで、メンバーが舞台袖へ。すると、WEESAが一人で登場し、「Hotline」の冒頭部分を静かに歌い始めた。そして、メンバーが次々と入れ替わって登場し、楽曲に描かれた“好きな女性に会いたくても会えないもどかしさ”をしっとりとした歌声で表現していく。剣やJIMMYも、リリックを観客の耳元に直接届けるかのようにラップを披露。PSYCHIC FEVERの7人が、ファンに対して抱いている深い思いを表現したかのようなステージが繰り広げられた。
そして、小波津がアカペラで美声を響かせるイントロから「Best For You」を披露し、本公演最初のMCへ。WEESAと小波津がステージに残り、タイ語と英語を交えながらファンに感謝の気持ちを伝えると、「アシンメトリー」を2人で歌い上げる。スタンドマイクを使いながら美しいハーモニーを響かせ、WEESAと小波津の歌声に酔いしれる時間となった。
すると、会場が暗転。鳴り響く鐘や鈴の音とともに、メインスクリーンに「Turn on the lights」という言葉が浮かび上がると、ソリに乗ったサンタクロースが夜空を駆けていく映像が映し出され、サンタ帽を被ったメンバーが登場。「Snow Candy」でクリスマスイブにふさわしい雰囲気を会場に作り出すと、一部のファンも持参した光る冠を被り出し、PSYCHIC FEVERのメンバーとともにクリスマスを祝おうとする楽しげな光景も見られた。
その後、短いMCを挟んで、小波津のソロステージへ。タイのラッパー F.HEROが、俳優で歌手のブライト(Bright Wachirawit)とフィーチャリングした2021年リリースの「Sad Movie」をカバー。切ないメロディラインに乗せて圧巻の歌声を響かせ、観客の心を奪った。
渡邉廉がソロでステージに登場し、特技のひとつであるヒューマンビートボックスを披露すると、客席からは大きな歓声が沸き起こっていく。そのまま、レッドとライトグリーンを基調としたストリート感溢れる衣装に着替えたメンバーが登場すると、12月21日にデジタルシングルとしてリリースされた「SPICE feat. F.HERO & Bear Knuckle」をパフォーマンス。同楽曲は今年7月に開催された『BATTLE OF TOKYO ~CODE OF Jr.EXILE~』で初めて披露されたタイコラボ楽曲の第3弾で、F.HEROに加えて、タイの3人組ヒップホップダンスグループ Bear Knuckleが参加している。アップテンポかつエスニックな雰囲気が漂うサウンドの中でパワフルなパフォーマンスを行い、現地のファンを大いに盛り上げた。
そのまま休むことなく、「Tokyo Spiral」「Spread The Wings」「Spark It Up」をメドレーで披露すると、「PSYCHIC FEVER!」で会場とコール&レスポンスを楽しみつつ、力強さと洗練された雰囲気を兼ね備えたPSYCHIC FEVERらしいステージを展開。そして、WEESAが英語で本編最後のMCを行って、「Temperature (Prod. JP THE WAVY)」へ。イントロが始まるとファンがすぐさまメンバーの歌声に合わせて歌い始め、日本語の楽曲にも関わらず、会場には空気を震わせるような大合唱が響いた。
そして、R&Bサウンドが心地よいラブソング「Bitter Sweet」と、ヒップホップやメロディックパンクなどのカラーを織り交ぜてアメリカの西海岸風に爽やかに仕上げた「Choose One」を続けて披露して、ライブの本編を終了した。
アンコールでは、まずはスポーティな衣装に着替えたメンバーがダンスパフォーマンスへ。各メンバーが個性を発揮しながら、時にパワフル、時にクールなダンスをソロやグループ全体で繰り広げると、客席からは絶えず大きな歓声が鳴り続ける。そして、メインスクリーンにメンバー一人ひとりの顔が映し出され、レッドとオレンジのライトでステージが染まる中、「FIRE」を披露。立て続けにタイの6人組ボーイズグループ DVIとコラボレーションした「To The Top feat. DVI」でクールなパフォーマンスを繰り広げて、本公演ラストのMCへ。メンバー全員が一言ずつ、タイ語で心のこもった挨拶を行い、最後に「ForEVER」を披露して、感動的な雰囲気の中でタイでの単独公演を完走した。
さらに、PSYCHIC FEVERはこの日、21時からファンイベント『PSYCHIC FEVER FAN EVENT 2023 IN THAILAND ~PsyFe Christmas Night~』も開催し、トークやゲームなどでクリスマスイヴの夜を盛り上げた。仮装をドレスコードとしており、会場には思い思いのクリスマスらしい衣装に身を包んだファンの姿が。PSYCHIC FEVERのメンバーも仮装を楽しみ、剣はクリスマスツリー、渡邉は雪だるま、半田龍臣とWEESAはトナカイ、小波津はサンタクロース、JIMMYはジンジャークッキー、中西椋雅はクリスマスケーキに扮してステージに登場すると、会場からは彼らの愉快な姿を見たファンの大きな歓声が上がっていた。
バンコクで、2回の単独公演、ファンイベントを実現させたPSYCHIC FEVER。とあるインタビューの中で、中西が訪れる地域によってパフォーマンスの構成を全部変えていること、剣が現地の文化をすごく大切にしていると語っていた通り、今回の公演ではタイのアーティストの楽曲をカバーしたり、クリスマスらしい雰囲気に合わせた楽曲を散りばめたりと、現地のファンが最後の瞬間まで楽しむことができるよう、随所にPSYCHIC FEVERの7人がこだわって考え抜いた跡が垣間見えた。
そして、10月にリリースされたばかりの「Temperature」をファンが大合唱していたことが象徴するように、彼らはタイという異国の地でも、しっかりとファンの心を掴み、着実に活動の幅を広げていることが実感できる公演だったように思う。
PSYCHIC FEVERは今後、大晦日にバンコクで行われるアジア最大級のカウントダウンイベント『centralwOrld Bangkok Countdown 2024』でパフォーマンスを行うほか、2024年1月にはJP THE WAVYが全楽曲のプロデュースを担当したEPのリリースも控えている。来年のPSYCHIC FEVERの活動から、さらに目が離せなくなりそうだ。
『centralwOrld Bangkok Countdown 2024』出演情報
■開催日:2023年12月31日~2024年1月1日
■会場:タイ・バンコク centralwOrld
■チケット価格:入場無料
■主なラインナップ:Billkin、PP Krit、NONT TANONT、INK WARUNTORN、BOWKYLION、PROXIE、TRINITY、BUS (Because of you I shine)、TIGGER、Alala、PSYCHIC FEVER、bamm、bXd、DVI、PERSES、Oat Pramote、Pop Pongkool、Three Man Down
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