5月21日に『『鬼滅の刃』で学ぶ はじめての仏教』(松﨑智海著/1,330円税別)を発売される。本書は、『鬼滅の刃』読者や仏教初心者にわかりやすく、仏教の知恵や教えを解説するカジュアルな入門書。
浄土真宗本願寺派永明寺の住職でありながら世相を反映した数々の「攻めた」ツイートで人気を集める著者は、「お寺の掲示板をバズらせる僧侶」としてニュースで取り上げられるなどメディアの注目を集めています。社会現象となった漫画『鬼滅の刃』について、「浄土真宗のような物語」だと述べる著者が、一見すると何の関係もないような二つに関係性を見いだし、一挙に味わうという新しい楽しみ方を提案します。
仏教界も注目する『鬼滅の刃』
社会現象ともいうべき空前の大ヒットとなった『鬼滅の刃』。作品の持つ仏教的要素について、ネット上で考察する現役僧侶が続出するなど、仏教関係者の間でも注目を集めています。SNSでのお寺の広報に力を入れている著者も、YouTubeチャンネル「永明寺 楽しいお寺チャンネル」に、解説動画「お坊さんはこう読む 『鬼滅』で学ぶ浄土真宗」を投稿。これが本書を著すきっかけとなりました。
仏教と「鬼滅」の意外な共通点
著者は、「『鬼滅の刃』も「仏教」も深掘りしたその真髄が一番面白い」と述べています。浄土真宗の教えは「煩悩を抱えたまま、仏に成る素質ゼロの者が仏に成っていく」というもので、仏教では煩悩をなくすことを「滅する」といいます。『鬼滅の刃』はその名のとおり「鬼」を、仏教は煩悩を「滅」するための物語であると考察し、ふたつの物語の根底に共通のテーマがあることを指摘します。
さらに、「幼くして母を亡くす」「父が占いを信じる」「5人の弟子」など12の共通点を挙げ、登場人物の継国縁壱は「お釈迦様がモデルではないか」など、お坊さん目線で『鬼滅の刃』を徹底分析。ほかにも「魘夢の夢と唯識」「悲鳴嶼行冥と念仏」など、作品にちりばめられた「仏教の教え・知恵」を丹念に、親しみやすく解説します。
『『鬼滅の刃』で学ぶ はじめての仏教』について
この本を読み終わる頃には『鬼滅の刃』も、世界も、仏教も、見え方が少し変わっていると思います(「はじめに」より)
もくじより
・「滅」は物語全体の重要キーワード
・「鬼=煩悩」を裏付けるもの
・鬼舞辻無惨は、「我執」の塊!
・継国縁壱のモデルは、お釈迦様⁉
・「アオイさんはもう俺の一部」を仏教的に解釈すると……
・悲鳴嶼行冥の羽織に刻まれる文字の謎
・鬼殺隊を援助する家の「藤の花」の家紋と西本願寺の紋「下り藤」
・最終話で描かれたのは「涅槃寂静」の悟りの世界 ほか
著者
松崎智海(まつざき・ちかい)
1975年、福岡県生まれ。浄土真宗本願寺派永明寺住職。龍谷大学文学部真宗学科卒。2000年、札幌龍谷学園に宗教科教師として赴任。2005年、鎮西敬愛学園に宗教科教諭として赴任。2014年に教壇を降り、永明寺に勤務。2016年より永明寺住職を継職し、現在に至る。Twitter やYouTube などで積極的に発信を続ける。著書に、『だれでもわかる ゆる仏教入門』(ナツメ社)がある。
著者Twitter
https://twitter.com/matsuzakichikai
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