MIYAVI、 20周年記念追加公演 “Electric”と“Acoustic”2daysライブ開催!

昨年デビュー20周年を迎え、9月に東京・LINE CUBE SHIBUYAで『MIYAVI 20th & Beyond』を開催したMIYAVIが、その追加公演となる『MIYAVI 20th & Beyond – Extra -』を、12月26日と27日の2デイズで神奈川・YOKOHAMA Bay Hallにて開催した。

この公演は、「9月のLINE CUBE SHIBUYAでの公演がすごく良くって、その流れでヨーロッパ、アジア回ったあと、今年中にまた日本でもライブをやりたい」と要望したMIYAVIの気持ちに応えるべく、スタッフが会場探しに奔走した結果、急きょ決定したという。「まるでベイホールさんが、MIYAVIのために空けておいてくれたんじゃないかっていうくらい。奇跡の2デイズです!」とMIYAVI。さらに内容までもが奇跡に満ちた、サプライズ感あふれる2日間となった。

<Day.1:Electric Xmas>と題された26日の公演は、エレキギターの爆音でライブを展開。新たな試みとしてダンサーとパフォーマンスを繰り広げるという、新たなステージ演出で集まったファンを熱狂させた。エレキギターのハウリングノイズが鳴り響く中、まずはMIYAVIとドラマーのBOBOが登場し、「Selfish Love」を放つ。地響きのようなドラム、耳をつんざくギターが、会場の空気を震わせる。続く「What’s My Name」ではMIYAVIの名前を叫ぶ観客にアピールするように、ステージを駆け回りながらギターをプレイ。そして「Survive」では、「スリーツーワン」のかけ声で観客が一斉にジャンプ。音のキメに合わせて、体を仰け反ったポーズで会場を沸かせた。

「Need for Speed」からはキーボードのSAKUが加わり3ピースで、丁々発止でお互いのプレイを戦わせ、「Snakes」や「Secret」は2人のダンサーによる熱いパフォーマンスが加わって、初日の見せ場となった。スタッズが施された黒のレザーに身を包んだ女性ダンサーが呼び込まれると、ドラムンベースのビートに合わせて激しく頭を揺さぶりながら、全身でキレのあるパフォーマンス。MIYAVIも2人の間でギターをプレイしながら動きを合わせ、所々でキメポーズを繰り出す。今にも猛獣が檻を突き破ってきそうな勢いでオーディエンスを圧倒した。また、グルーヴィなビートに合わせて淡々とファルセットボーカルを聴かせる「Secret」では、ダンサーと向かい合って、セクシーに体をくねらせながら挑発。MIYAVIのエロティックな吐息に、客席からは黄色い声援が響いた。

このダンサーを加えるパフォーマンスについて、「みんなで一緒に楽しむのもいいけど、魅せるロックというか……一応まだヴィジュアル系なんで(笑)」と話すMIYAVI。もともとダンスするかの如くギターをプレイするMIYAVIだが、ダンサーとの化学反応によって、ビジュアルのインパクトと重厚感が何倍にもアップしていた。

1日目のもう1つの見どころになったのは、20年前にリリースされたインディーズ時代の「ジングルベル(仮)」をアコースティックで演奏したことだろう。当日になって急きょやることを決めたということで、そこは実にMIYAVIらしいと思うと同時に、何かとイジられてばかりのBOBOと、SAKUに寄せる演奏者としての信頼の厚さを感じさせた。クリスマスソングや冬の名曲がいくつもオマージュされたユーモアあふれる同曲は、どこかカントリーっぽさも感じさせるアレンジで温かなムードを演出する。冬の風物詩が多数登場する日本語の歌詞に耳を傾けながら、ファンは体を揺らしながら嬉しそうに目をキラキラと輝かせた。

続けて、<Day.2:Acoustic Xmas>と題された2日目。“Electric”が「動」なら“Acoustic”は「静」というイメージだが、そこはMIYAVI流でおかまいなしに「動」のステージで観客を沸かせた。激しいドラムとパッション溢れるピアノに合わせて、エレアコギターのボディを叩いたりしながら、MIYAVIの代名詞となったタッピング奏法でベースのように演奏。まるでジャズのインプロビゼーションのように、アドリブ感満載の演奏で会場を沸かせた。

中盤のバラードゾーンはアコースティック演奏によって、MIYAVIのボーカリストとしての表現力の高さと独特の色気が浮き彫りになった。2人の女性バックコーラスが加わった「Me and the Moonlight」では、観客がスマホのライトを照らしどこか幻想的なムードに。ファルセットで今にも壊れそうなハートを歌ったR&B調のナンバー「FRAGILE」を続けて披露し、よく響く低音からハイトーンまで実にレンジの広い歌声を聴かせたMIYAVI。耳に心地よく残る声質で届けられる、甘いラブソングからメッセージ性あふれるアジテーションまで、どれも思わず聴き惚れてしまうものばかりだ。そして「久しぶりにこのナンバーをお届けします」と言って演奏したのは、沢田研二「TOKIO」のカバー。歌詞を〈YOKOHAMA〉と言い換えて観客と合唱し、楽曲の持つ未来へと思いを馳せた。

ライブ終盤は、アコギをエレキに持ち替え、初日同様に爆音でライブを展開。挙げた手を前後に揺らした「Fire Bird」は、延々と繰り広げられるギタープレイが圧巻。「BANG!」では観客の大合唱とクラップが響き渡る中、MIYAVIはお立ち台に上がって高速で演奏を展開し、壮大な世界観が会場中に広がった。

2日目本編を終え「腐ってもミュージシャンだから、ずっとステージに立っていたい。同じ曲をやってもどこか進化していたい」と語ったMIYAVI。今回から導入したという黒いマイクスタンドのことにも触れ、「大地からのパワーを感じながら、ボーカリストとしても新しいMIYAVIの声を届けたかった」とコメント。また、アンコールでは両日とも黒いサンタ帽をかぶってステージに登場し、「Santa Claus Is Coming To Town」を披露。少し遅れてのメリークリスマスを、観客とともに楽しんだ。

また、両日とも、『コードギアス 奪還のロゼ』の主題歌に起用される新曲「Running In My Head」が初披露された。アッパーで熱いサウンド、ちょっとクールなメロディ、天井をも突き破りそうに爽快なサビが印象的。まるで女性を引き寄せるように、マイクスタンドを引っ張ってハイトーンのボーカルを聴かせたMIYAVI。リリースはまだ半年近く先とのことだが、この曲をまた聴きたいがために、またライブに足を運ぶのもいいなと思えるほどカッコいい仕上がりだった。

セットリストの当日変更は2日目の公演もあり、ライブにいい意味での緊張感を与えていた。ライブに予定調和があってはならないというのも、MIYAVIのポリシーだろう。実際に2日間それぞれ、エレキとアコギ、ダンサーとコーラスという異なる演出によって、同じ楽曲もまるで違う聴こえ方になっていて、両日参加のファンを驚かせていた。ただリハーサルの期間の短さに苦労したそうで、「費用対効果が悪すぎで、激しく後悔しています(笑)」と、冗談めかして笑いながら話す場面もあったが、その目は気迫でギラギラとしていた。そのほか、ステージにスマホを持ち込んでその場でInstagramを更新し、観客からコメントを集めたり、撮影OKの曲があったりと、足を運んだファンにとってはサプライズ尽くしとなった今回のライブ。ユーモアとサービス精神にあふれ、演奏は常に120%でエンジン全開。そんなMIYAVIに惚れっぱなしの2日間だった。

年末ということもあり、来年の嬉しい予定も多数発表された。来年、2枚のオリジナルアルバムをリリースすること、さらにアルバム先行シングルとして「Broken Fantasy」を2月4日にリリースすることなど、来たる2024年もMIYAVIの動きから目が離せなくなりそうだ。

 

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