特集ページ「島根県立美術館の冨嶽三十六景」公開!

 島根県立美術館は、松江出身の実業家・新庄二郎氏(1901-1996)旧蔵の「新庄コレクション」、津和野出身の北斎研究者・永田生慈氏(1951-2018)旧蔵の「永田コレクション」という、2つの優れた個人コレクションを中心とした約3,000点の浮世絵を所蔵しています。

昨年4月にこの浮世絵コレクションを紹介する特設サイトを開設し、各コレクションの概要や代表作の紹介はもちろん、「特集」を通じてその魅力を紹介しています。特集第1弾の当館が誇る「浮世絵の名品100選」、第2弾の「当館コレクションでたどる 北斎の画歴」では、その美しい作品画像を多くの方に楽しんでいただいております。そしてこの春、特集第3弾となる「島根県立美術館の冨嶽三十六景」を公開いたしました。

  •  葛飾北斎の《冨嶽三十六景》

《冨嶽三十六景》(全46図)は江戸時代を代表する浮世絵師、葛飾北斎(1760-1849)が描いた錦絵(一般向けに販売された多色摺りの浮世絵版画)の揃物(シリーズ)です。出版されたのは天保初期頃(1830〜34)、北斎の70歳代前半期に当たります。この揃物は庶民の間で高揚していた霊峰富士への信仰も相まって人気を博し、風景画が一躍浮世絵の主要ジャンルとして定着する契機となった記念碑的作品といえます。



葛飾北斎《冨嶽三十六景 上総ノ海路》天保初期(1830~34)頃 島根県立美術館蔵[永田コレクション]

  • 《冨嶽三十六景》三役を2セット収蔵

当館はこの《冨嶽三十六景》全46図の内43図、同じ図で複数点あるものがあり、合計62点を所蔵しています。この62点の中には、シリーズ中で“三役”とよばれる人気作「凱風快晴」(赤富士)・「山下白雨」・「神奈川沖浪裏」が各2点ずつ、2セットあり、中でも新庄コレクションの赤富士は、1970年の「万国博美術展」で世界の名画と共に展示された逸品です。

葛飾北斎《冨嶽三十六景 凱風快晴 》天保初期(1830~34)頃 島根県立美術館蔵[新庄コレクション]葛飾北斎《冨嶽三十六景 凱風快晴 》天保初期(1830~34)頃 島根県立美術館蔵[新庄コレクション]

  • 摺りの違いは必見

この特集では、当館の《冨嶽三十六景》をそれぞれのコレクション別にご覧いただける他、複数点収蔵する作品については摺りの違いを見比べることができるなど、ほかにはない構成となっています。

葛飾北斎《冨嶽三十六景 江都駿河町三井見世略図》天保初期(1830~34)頃 島根県立美術館蔵[永田コレクション]
葛飾北斎《冨嶽三十六景 江都駿河町三井見世略図》天保初期(1830~34)頃 島根県立美術館蔵[永田コレクション]

葛飾北斎《冨嶽三十六景 江都駿河町三井見世略図》天保初期(1830~34)頃 島根県立美術館蔵[新庄コレクション]
葛飾北斎《冨嶽三十六景 江都駿河町三井見世略図》天保初期(1830~34)頃 島根県立美術館蔵[新庄コレクション]

  • 特設サイト/特集ページ 「島根県立美術館の冨嶽三十六景」

URL/https://shimane-art-museum-ukiyoe.jp/fugaku/index.html
推奨ブラウザ : Chrome、Edge、Safari(いずれも最新版)

是非、特集ページ「島根県立美術館の冨嶽三十六景」をご覧ください。
第1弾「浮世絵の名品100選」、第2弾の「当館コレクションでたどる 北斎の画歴」も公開中です。併せてご覧ください。

また現在当館は、耐震改修工事のため休館中です。6月1日に再開館を予定しており、いつでも北斎作品をご覧いただける「北斎展示室」をオープンする予定です。ご期待ください。

葛飾北斎《冨嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見》天保初期(1830~34)頃 島根県立美術館蔵[島根県購入分]
葛飾北斎《冨嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見》天保初期(1830~34)頃 島根県立美術館蔵[島根県購入分]

 

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