9月15日、愛媛県今治市にある「アシックス里山スタジアム」で、小学校4年生から6年生を対象としたフットサルの全国大会『EXILE CUP 2024』の決勝大会が今年も開催された。株式会社LDH JAPANの社会貢献活動のひとつとして2010年よりスタートした『EXILE CUP』は、途中コロナ禍による開催見合わせを挟みながらも昨年より再始動、今年で12回目を数える大会だ。
今年は全国456チームが参加、全国9地区10会場で行われた予選大会を勝ち上がってきた10チームの決戦の舞台となるのは、昨年と同じく観客約5000人が収容可能な天然芝の「アシックス里山スタジアム」。現在J3のカテゴリーで戦っているFC今治のホームグラウンドとしてJリーグの公式試合も開催されている、天然芝の本格的なスタジアムだ。そこに今年も、LDH JAPANからラモス瑠偉、橘ケンチ(EXILE/EXILE THE SECOND)、EXILE TETSUYA(EXILE/EXILE THE SECOND)が応援に駆けつけた。
主催者である株式会社LDH JAPANグループ執行役員 森博貴のあいさつから始まった開会式は、大会アドバイザーを務める岡田武史氏とラモス瑠偉によるスピーチ、そしてLDHのSocial Innovation Officerとして、今年は全国で行われた予選大会のすべてに参加した橘ケンチの開会のあいさつを経て、最後はEXILE TETSUYA監修のもと日本サッカー協会が開発した「クラッキ!ダンス」をTETSUYAと一緒に参加者全員で踊って開会式が終了。このあとからいよいよ、抽選によって5チームずつA、Bの2ブロックに分けられ総当たりで戦う予選リーグがスタートする。
総天然芝のピッチに設置された4つのコートで同時進行する予選リーグは、1試合6分ハーフ休憩2分の計12分で行われる。ピッチ上の選手は5名(うち1名はゴールキーパー)。事前登録された10名以内の選手であれば、試合中の交代は自由だ。それぞれのチームが4試合を終えた結果、Aブロックは、2019年に優勝経験のある注目チーム、センアーノ神戸ジュニア(兵庫県/関西地区代表)が3勝1分けの無敗で首位通過、初戦で5得点を上げたgrand merry(愛媛県/四国地区代表)を5‐2で下し、2勝1敗1分でリーグを終えた篠ノ井ジュニアサッカークラブ(長野県/北信越地区代表)が2位で決勝トーナメントに進出。Aブロック以上に各チームの実力が拮抗し、僅差の試合や引き分けの試合が続いたBブロックは、神戸と同じく3勝1分けの無敗で首位となった山室山フットボールクラブ(三重県/東海地区代表)と、1勝1敗2分けでリーグ戦をしのいだF.S.オーガ(千葉県/関東地区代表)が決勝トーナメントに進出した。
昼休憩を挟んだ午後からは、予選を勝ち抜いた4チームによる、7分ハーフ2分休憩の計14分の決勝トーナメント(及び、敗退チームによる順位決定戦)がスタートする。そして、F.S.オーガ(Bブロック2位)と山室山フットボールクラブ(Bブロック1位)を、それぞれ1‐0、2‐1と打ち破って決勝へと駒を進めたのは、センアーノ神戸ジュニア(Aブロック1位)と、篠ノ井ジュニアサッカークラブ(Aブロック2位)の2チームだった。
奇しくも、昨年の決勝カードであるEDC vs 長野アンビシャスFC BLUEと同じく、関西地区代表 vs 北信越地区代表という構図になった決勝戦。ちなみに、Aブロックを2位で通過した篠ノ井ジュニアサッカークラブが予選リーグで唯一敗れたのが、同ブロック首位通過のセンアーノ神戸ジュニアだった。その雪辱は晴らされるのか? あるいは、改めてねじ伏せるのか? その試合に先んじて行われた3位決定戦が1‐0でF.S.オーガの勝利に終わったあと、各コートに散らばっていた選手と観客が集結。それぞれのたちが熱い視線を注ぐ中、白いユニフォームの神戸と赤いユニフォームの篠ノ井の決勝戦がキックオフする。
実力のあるチーム同士の対決だけに、序盤からめまぐるしく攻守が入れ替わり、互いにシュートを打ち合う展開となった序盤戦。しかし、双方のゴールキーパーの好守もあって、なかなか得点には至らない。そんな中、一瞬の隙を突いて速攻から左サイドを抜け出し、最初にゴールネットを揺らしたのは神戸だった。後半、猛攻を仕掛ける篠ノ井だが、再びカウンターで神戸がゴールを決め、2‐0でセンアーノ神戸ジュニアが勝利。2019年以来、実に2度目となる大会制覇を果たした。
その後ピッチでは、各チームから1人ずつ選抜された小学生チームと、岡田氏が監督となり采配のもと、ラモス瑠偉、橘ケンチらが選手として出場する「TEAM OKADA」のフレンドリーマッチが、和やかな雰囲気の中、開催された。華麗なテクニックを見せるも、判定に納得がいかないのか、時折審判に激しく詰め寄るお約束の光景で観客を沸かせるラモスと、ジダン張りのルーレットを決めるなど、キレのある動きで観客を魅了する橘ケンチ。その一方で、各チームのエースたちが臨機応変で披露する華麗なコンビネーションは、この大会に参加している小学生たちのレベルの高さを、改めて感じさせるものであった。
ところで、この『EXILE CUP』決勝大会のプログラムは、実は3日間にわたって行われている。初日の夜は、翌日の決勝大会の舞台となる「アシックス里山スタジアム」で開催されたJ3の公式戦、FC今治 vs 松本山雅FCを全員で観戦。そして上記レポートの通り決勝大会本番を迎えた翌日は、昨年と同じく、岡田武史が代表を務める「しまなみアースランド」を参加者全員で来訪。豊かな自然に囲まれたこの場所で、環境教育プログラムを体験したのだった。
「勝負にこだわることは大事だけど、この大会の持つ意味は、それだけじゃない」とは、開会式のラモスの言葉だけれど、「“子どもたちが夢を叶える場所”を作ろう」と始まった『EXILE CUP』は、今治という安住の地を得た現在、もはやそれだけでない貴重な「体験」を子どもたちに提供するユニークな大会として、年々独自の進化を遂げているのだった。
東京から駆け付けた数十名のLDHのスタッフと、現地FC今治のスタッフをはじめ、数多くの地元ボランティア、そして後援企業の協力のもと開催された『EXILE CUP 2024』。それは、LDHが掲げる「Dreams For Children ・ 子どもたちに、夢を。」というテーマはもとより、LDHのSIOに就任した橘ケンチが従事する「社会貢献・地方創生」というテーマにとっても、ひとつの試金石となるようなイベントだったのかもしれない。
■「EXILE CUP 2024」決勝大会 結果
優勝 センアーノ神戸ジュニア(兵庫県)
準優勝 篠ノ井ジュニアサッカークラブ(長野県)
3位 F.S.オーガ(千葉県)