あいみょんがメジャーデビュー10周年を記念した阪神甲子園球場でのライブ『AIMYON 10th anniversary LIVE 2026「、、、」IN 阪神甲子園球場』を7月14日・15日の2日間に渡って開催した。

あいみょんが甲子園でライブを行うのは2022年11月以来、約4年ぶりだが、前回がセンターステージでの弾き語りだったのに対して、今回はバンド編成。兵庫県西宮市出身のあいみょんにとって甲子園はまさに地元であり、代表曲やライブでの定番曲を並べた全25曲で、この10年の歩みを凝縮したようなライブとなった。

なお、甲子園ライブの2日間開催は25年ぶりで、女性アーティストとしては初という快挙。本稿では2日目、7月15日のライブをレポートする。

開演時刻になると甲子園らしくサイレンが鳴り響き、スクリーンに過去のライブ映像が流れ、カウントダウンに続いて「マリーゴールド」からライブがスタート。サビではオーディエンスが一斉に手を振って、早速一体感が生まれていく。「甲子園へようこそ!盛り上がる準備できてますか?」と声をかけ、「マシマロ」ではハンドマイクで広いステージの端まで行って、飛び跳ねながら歌声を聴かせると、場内は手拍子に包まれた。今年は春から複数の大型フェスにも参加していたが、スタジアム規模のライブでも自信と余裕を感じさせるパフォーマンスができるようになったのは、この10年の積み重ねがあったからこそだろう。
「愛を知るまでは」を歌い終えて、「改めまして、兵庫県西宮市出身、シンガーソングライター・あいみょんです!私の地元へようこそお越しくださいました」と挨拶をすると、「ノット・オーケー」に続く「ビーナスベルト」では、タイトル通りにピンク色の光の帯が球場に浮かび上がる。最新シングルから一転、2ndシングル『愛を伝えたいだとか』のカップリング「ハッピー」、3rdシングル『君はロックを聴かない』のカップリング「青春と青春と青春」と、長年のファンには嬉しいレア曲の披露もあったが、特にペダルスチールの音色に乗せて、〈青春が夏風にのって 君を連れてきたんだろうな〉と歌う「青春と青春と青春」は季節的にもぴったりで、ライブ前半のハイライトだった。
ここであいみょんが「ちょっと私行くところがあるので、一旦バンドメンバーにお任せします!」と言って、ステージからいなくなると、「私に見せてよ」の演奏がスタート。あいみょんによるウグイス嬢のような場内アナウンスで、背番号と共にメンバーが紹介され、それぞれが順番にソロを披露していく。ギターのqurosawa、キーボードの山本健太、ベースの井嶋啓介、パーカッションの朝倉真司、ギターの八橋義幸、ドラムの伊吹文裕の6人は、今ではあいみょんのライブに欠かすことのできない大事なメンバーだ。
「私に見せてよ」の演奏がクライマックスを迎えると、あいみょんがスタジアムの後方、スタンド席の間近のミニステージにサプライズで登場。ここではお馴染みの双眼鏡コーナーが始まって、「甲子園球場に高校球児として出場したことがある人?」「西宮出身の人?」「この中にお医者さんはいますか?」といった質問でファンと軽妙なやりとりをするのはやっぱり楽しい。このステージではまず「スケッチ」と「ポプリの葉」が披露され、「ポプリの葉」では〈結局忘れられなかった 香りを買いに渋谷へ〉を〈西宮へ〉に変えて歌い、大きな拍手が起こる。「姿」を歌う頃にはちょうど日も暮れて、オーディエンスのライトブレスレットがカラフルに光り、美しい光景を作り出していた。
「ミニスカートとハイライト」を歌いながら客席を通ってメインステージへと移動し、その途中ではハイタッチをしたり、ファンの帽子を被ったり、ファンのタオルで頭を拭いたりする場面も。ステージに戻ると、エネルギッシュなアカペラから「大好きなバンドメンバーと大好きなみんながいるこの甲子園で踊ろう!」と伝えた「愛を伝えたいだとか」、さらには「朝陽」を熱唱。1stシングル「生きていたんだよな」をスクリーンに歌詞を映し出しながら歌ったり、1stアルバム『青春のエキサイトメント』収録曲で、上京して間もない頃に味わった悔しさを曲に込めた「風のささやき」を切々と歌ったり、やはり10年という月日の重みが伝わってくる。
MCでは「みなさん聴きたい曲は聴けましたか?」と話しかけて、返ってきたリクエストに答える形で「さよならの今日に」や「ラッキーカラー」を一節歌ったりと、サービス精神もバッチリ。
セットリストを間違えそうになるアクシデントも笑いに変えて、再び本編に戻っての「ジェニファー」から、バンドメンバーのコーラスも楽しい「駅前喫茶ポプラ」を続けると、「裸の心」では前回の甲子園でも登場した、天高く登って行くような無数のサーチライトがステージを包み、その幻想的な光景は実に圧巻。エモーショナルに歌い上げられた「ざらめ」も素晴らしく、あいみょんの本分であるシンガーソングライターとしての実力をまざまざと見せつける名演だった。
ライブはいよいよ後半戦。インディーズ時代に西宮で作ったという「夜行バス」から「真夏の夜の匂いがする」を続けると、ここであいみょんとバンドメンバー全員がオリジナルのユニフォームを着て、「六甲おろし」を演奏!場内のボルテージが一気に上がり、勢いそのままに「夢追いベンガル」に突入して、あいみょんがマウンドに立つピッチャーのごとくきれないなフォームで客席にタオルを投げ込む。さらに「貴方解剖純愛歌〜死ね〜」でこの日最大級の盛り上がりを見せると、10周年を祝うかのように盛大に花火が打ち上げられ、甲子園の夜空を華々しく彩った。
すでにエンディングのような雰囲気だが、この日のあいみょんにはまだどうしてもやらないといけないことがあった。「私はこの西宮に生まれて、西宮でシンガーソングライターになることに憧れて、ギター一本持って上京して、ここで弾き語りができて、こうやって心強いバンドと一緒にまた地元に帰って来られて、すごく嬉しいなと思いました。バンドで甲子園に立つのも夢やったし、花火が上がるのも夢やったし」「一つずつ一つずつ、小さな夢をこれからも叶えていきたい。でも4年前に一つだけ甲子園に置いてきた夢があります。今日は世界一の歌声を聴きたいと思ってるんですけど、準備はいいですか?みんなで一緒に歌いましょう!」と言って披露されたのは「君はロックを聴かない」。2022年はまだコロナ禍の影響で声を出すことができず、この曲で合唱ができなかったことが「4年前に置いてきた夢」だった。しかし、この日は4年分の想いを込めた大合唱が起きて、あいみょんがうっすら涙ぐむ場面も。また一つ、大切な夢が叶ったメモリアルな瞬間となった。

「10年経ってもまだまだ尽きない好奇心とひらめきを頼りに、これからも音楽を楽しみながら、悩みながら、進んでいけたらなと思っています。欲を言えば、そこにみんなが付き合ってくれたらもっと嬉しいです。これからもよろしくお願いします!」と挨拶をして、ラストは泡のような大量のシャボン玉に包まれた「今夜このまま」で大団円。その後もあいみょんはゴンドラに乗って場内を一周し、お馴染みの「健康第一、家内安全、その次あいみょん!」で締めくくると、終演後にはメジャーデビュー日の11月30日も含む日本武道館2デイズと、来年からのアリーナ・ツアーの開催を発表。最後に、ステージを降りたあいみょんがビールの缶を開ける音と、「乾杯!美味すぎる!」という声が場内に響き渡るまで、決して飾ることのない、西宮が生んだスターの記念すべき凱旋公演だった。

文・金子厚武
写真・横山マサト
【7月15日 セットリスト】
1.マリーゴールド
2.マシマロ
3.愛を知るまでは
4.ノット・オーケー
5.ビーナスベルト
6.ハッピー
7.青春と青春と青春
8.スケッチ
9.ポプリの葉
10.姿
11.ミニスカートとハイライト
12.愛を伝えたいだとか
13.朝陽
14.生きていたんだよな
15.風のささやき
16.ジェニファー
17.駅前喫茶ポプラ
18.裸の心
19.ざらめ
20.夜行バス
21.真夏の夜の匂いがする
22.夢追いベンガル
23.貴方解剖純愛歌~死ね~
24.君はロックを聴かない
25.今夜このまま
『AIMYON 10th anniversary LIVE 2026「、、、」IN 阪神甲子園球場』セットリストプレイリスト
https://Aimyon.lnk.to/koshien_2026
【ライブ情報】
AIMYON 10th anniversary LIVE 2026 「、、、」 IN 日本武道館
●開催日時:
・11月30日(月) 開場17:30/開演18:30
・12月1日(火) 開場17:30/開演18:30
●開催場所:日本武道館
●料金:¥12,000(税込)
※未就学児童入場不可
●「、、、」IN 日本武道館 特設サイト
https://www.aimyong.net/feature/tententen_budokan
AIMYON TOUR 2027
●開催日/場所
・2月6日(土)、7日(日) 神奈川・ぴあアリーナMM
・2月13日(土)、14日(日) 福井・サンドーム福井
・2月20日(土)、21日(日) 新潟・朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター
・3月13日(土)、14日(日) 神奈川・K-Arena Yokohama
・3月20日(土)、21日(日) 宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ
・3月31日(水)、4月1日(木) 東京・国立代々木競技場第一体育館
・4月17日(土)、18日(日) 兵庫・GLION ARENA KOBE
・4月21日(水)、22日(木) 愛知・クロコくんホール(旧日本ガイシホール)
・4月28日(水)、29日(木) 静岡・エコパアリーナ
・5月2日(日)、3日(月祝) 神奈川・K-Arena Yokohama
・5月12日(水)、13日(木) 大阪・大阪城ホール
・5月29日(土)、30日(日) 香川・あなぶきアリーナ香川
・6月5日(土)、6日(日) 愛知・クロコくんホール(旧日本ガイシホール)
・6月12日(土)、13日(日) 北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
・6月22日(火)、23日(水) 兵庫・GLION ARENA KOBE
・6月26日(土)、27日(日) 広島・広島グリーンアリーナ
・7月3日(土)、4日(日) 福岡・マリンメッセ福岡A館
・7月10日(土)、11日(日) 沖縄・沖縄サントリーアリーナ
●TOUR 2027特設サイト
https://www.aimyong.net/feature/tour2027
【あいみょん プロフィール】
兵庫県西宮市出身シンガーソングライター。16年11月にシングル「生きていたんだよな」でメジャーデビュー。17年5月に2ndシングル「愛を伝えたいだとか」、8月に3rdシングル「君はロックを聴かない」 を発表し、9月には1stフルアルバム「青春のエキサイトメント」をリリース。
2018年6月には初の海外公演を台北Legacyにて行いSOLDOUT。11月からは札幌を皮切りに全国ツアー「AIMYON TOUR 2018 -HONEY LADY BABY-」を開催、即日ソールドアウト。2018年紅白歌合戦への出演も果たした。
2019年2月には2ndアルバム「瞬間的シックスセンス」を発売。同月には初となる武道館公演を開催。5月からは対バンツアー「AIMYON vs TOUR 2019 “ラブ・コール”」、10月からは自身最大規模のワンマンツアー「AIMYON TOUR 2019 -SIXTH SENSE STORY-」を開催。2019年は「Billboard 2019年年間TOP ARTISTS」を獲得し「オリコン年間ストリーミングランキング 2019」でも1位を記録し”2019年 1番聴かれたアーティスト”となった。
2020年、日本テレビ「news zero」の1月からの新テーマ曲して書き下ろした楽曲、「さよならの今日に」を2月14日に配信限定でリリース、そして6月17日にはTBS系 火曜ドラマ「私の家政夫ナギサさん」主題歌10thシングル「裸の心」をリリース、9月9日には3rdアルバム「おいしいパスタがあると聞いて」を発売。11月30日からは全国ツアー「AIMYON TOUR 2020“ミート・ミート”」を全国5都市で開催。
2021年5月26日には日本テレビ系土曜ドラマ「コントが始まる」主題歌「愛を知るまでは」と、ABEMA「恋とオオカミには騙されない」主題歌「桜が降る夜は」の2曲が収録された両A面シングルをリリース。11月24日にTBS系 火曜ドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」主題歌12thシングル「ハート」をリリース。
2022年3月24日にはNHK「あいみょん18祭」テーマソングとして書き下ろした「双葉」を配信リリース。4月よりあいみょん史上最大規模の全国ツアーとなる全国14都市28公演のアリーナ・ツアー「AIMYON TOUR 2022 “ま・あ・る”」を開催。6月8日にはカンテレ・フジテレビ系月10ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』主題歌「初恋が泣いている」をCDリリース、そして8月17日には前作から約2年振りの4th Full Album「瞳へ落ちるよレコード」をリリース。また、11月5日にはあいみょんの地元である阪神甲子園球場での弾き語りライブ『AIMYON 弾き語りLIVE 2022 -サーチライト- in 阪神甲子園球場』を開催。
2023年は全40公演に及ぶ全国ホールツアー「AIMYON TOUR 2023 -マジカル・バスルーム-」を開催。4月より放送スタートのNHK 2023年度前期 連続テレビ小説「らんまん」の主題歌「愛の花」を収録した14thシングルを6月7日にリリース。10月3日には配信シングル「ノット・オーケー」をリリース。12月6日には映画「窓ぎわのトットちゃん」主題歌として15thシングル「あのね」をリリースした。
2024年は2月2日(金)に資生堂が新規に立ち上げた資生堂ビューティーウエルネスオフィシャルソングとして配信シングル「リズム64」をリリース。4月からスタートするカンテレ・フジテレビ系月10ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」の主題歌として16thシングル「会いに行くのに」をリリース。9月11日(水)には自身5作目となるアルバム「猫にジェラシー」を発売した。2024年9月からは追加公演含めて42公演に及ぶ「AIMYON TOUR 2024-25 “ドルフィン・アパート”」を開催。
2025年は3月7日(金)に公開された『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』の主題歌&挿入歌を担当、2曲が収録された17th両A面シングル「スケッチ / 君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!」を3月5日(水)にCDリリース。そして、7月13日(日)放送スタートTBS系日曜劇場「19番目のカルテ」の主題歌として書き下ろした「いちについて」を7月23日(水)にリリース。
10月22日(水)には18thシングル「ビーナスベルト」をリリース。11月からは全7公演に及ぶ「AIMYON TOUR 2025+“ヘブンズ・ベーカリー”」を開催。2025年11月30日(日)から自身のメジャーデビュー10周年イヤーに突入。2026年7月14日(火)・15日(水)には、地元である兵庫県西宮市・阪神甲子園球場にて『AIMYON 10th anniversary LIVE 2026 「、、、」 IN 阪神甲子園球場』を開催。そして9月9日(水)には初のベストアルバム「AIMYON BEST ALBUM – 唇を追え! – 」のリリースが決定している。


