コブクロが5月20日(水)に東京・東京ガーデンシアターでKOBUKURO FAN SITE EXCLUSIVE LIVE 2026「A “YELL'”FOR EACH ONE」を開催した。

2001年3月にシングル「YELL〜エール〜/Bell」でデビューしたコブクロ。東阪2都市限定で行われた今回のライブは、25年という月日の中で広がり、たくさんの人の心を繋いできたコブクロの楽曲の核ともいうべき歌詞/言葉にフォーカス。会場エントランスには2人が紡いできた言葉がオブジェのように展示され、ライブ中も、歌詞やファンの皆さんから寄せられたメッセージ、エールが絶大なる効果を発揮する映像演出として取り入れられていた。背中を押してくれた言葉、誰かを励ますために贈ったフレーズ、いつまでも心に残っている歌詞。ライブのタイトルにもあるが、それぞれの人生の中で交差したり共有したりしてきたコブクロの歌詞をとおして「1人1人にとっての”YELL”」に寄り添い、25年目の新たな”YELL”をも感じさせるようなライブが繰り広げられた。
幻想的なムードのオープニングから一転、躍動するリズムが幕開けへと導き「RAISE THE ANCHOR」でライブがスタート。荒波を超えていくような黒田俊介のパワフルなボーカル、小渕健太郎のエネルギッシュなギタープレイ、そして大きな塊のように押し寄せてくるバンドサウンドが一丸となって会場の熱を上げていく。客席を埋め尽くした力強い拳を見つめる2人の表情はとても晴れやかだ。

2曲目は『KOBUKURO LIVE TOUR 2025 “THIS IS MY HOMETOWN”』のアンコールで未発表新曲として初披露されていた「Starry Smile Story」。3月22日のデビュー記念日に配信リリースされた最新曲だが、まだまだこれから、笑顔でもっと進んでいこうという25年目の”YELL”が込められたような1曲だ。久しぶりにライブで披露された「未来への帰り道」では、あたたかい空気が会場を包み込んでいた。
最初のMCでは、デビュー25周年を迎えられたことへの感謝を伝えた2人。小渕の実の姉からもらった手紙をもとに「YELL〜エール〜」という曲が生まれたことや、この曲でデビューすることになった経緯などに加え、「そこからたくさんの歌を作ることができた。自分自身と重なる一節や、遠くの誰かに届けたい思いがみんなの中でたくさん生まれているんじゃないかと思い、このライブをやることにした。今日は新たに、自分だけの言葉を見つけてほしい」(小渕)とライブに込めた思いを語っていた。

次に披露された「Star Song」は、コロナ禍に交わした小渕とお姉さんの何気ないメッセージのやり取りから生まれたという1曲。また「Starting Line」はラジオのリスナーからもらったたくさんの”届けたい言葉”がベースになっているということで、歌詞に込めた思いを超えるような2人の熱を帯びた歌声が印象的だった。
迫力ある映像と照明が楽曲の世界観を何倍にも膨らませていた「DOOR」は、黒田の全身全霊のボーカルに加え、小渕の情熱的なコーラスも圧巻。「どんな空でも」は2人のアカペラでスタートするなど、このセクションではコブクロならではの声の重なりや個性の違いを堪能できる2曲が披露された。その後のMCで小渕は「どんな空でも」の「音にだけ乗せて交わせるメッセージ」という歌詞について触れ、「言葉だけだと強すぎたり入ってこなかったりするかもしれないけど、そこに音が乗って、言葉と一緒に届けられるのが音楽の魅力」であり、その点を「ずっと大事にしている」と音楽に対する思いを語っていた。
ライブの中盤は路上ライブで毎日のように歌ってきたという「光」、歌詞を手紙のように映し出した「手紙」と続き、舞い散る花びらと蕾の映像が息を呑むほど美しかった「蕾」では、命そのものを燃やしているかのような2人の熱唱が会場に響き渡った。
コブクロのライブでは恒例となっている後半のロングMCは、最近小渕のシャツがズボンにインされている話題から。大阪公演でも黒田にいじり倒されていた小渕だったが、この日も最初のMCから蒸し返され「俺のデリケートなところにズカズカ入ってくるの、やめてくれへん(笑)?」と反撃。「でもね、1回インしたらもう出せない(笑)。いつシャツを出したらいいかわからなくて、最近はパジャマもインしてる(笑)」と現状を報告する場面もあった。また、最近行ったゴルフ場での出来事や、コブクロのサインは「KENTARO KOBUCHI」と「SHONSUKO KERODA(ションスコ・ケロダ)」になっているんじゃないかという疑惑など、この日も盛りだくさんな内容で進んでいった。MC後半では、7月から始まる全国ツアーのタイトルが「KOBUKURO LIVE TOUR 2026″霞日和”」に決まったことを発表。「霞日和」というちょっと切ないラブソングができたことも併せて知らされた。
ライブもいよいよ後半戦。大阪・関西万博オフィシャルテーマソングとなった「この地球の続きを」では小渕が太鼓を叩くのが恒例となっているが、打ち上げ花火のような映像演出や迫力のサウンド、華やかな照明に彩られながら大いに盛り上がった。「君になれ」、「Memory」とアッパーなナンバーが続き、本編は「轍」の大合唱で締め括られた。
アンコールのMCでは、「曲の感想をくれたり、こんな時に頑張れたと言ってくれることで、また曲が生まれる。今日のライブも、いろんなことを感じ、また誰かに応援する言葉を投げかけたいと思ってくれたんじゃないかと思いながら歌ってました」と小渕。また大阪公演でも話題に上がっていたが、「いつかまたコブクロが始まった場所・大阪で、京セラドームで、みんなで盛り上がりましょう!」と呼びかけると、すかさず客席に向かってチケット代の徴収に取り掛かる黒田(笑)。笑いを取ってはいたものの、「そう遠くない未来にね!」(黒田)と実現への思いを口にしていた。
最後に披露された曲は、コブクロのデビュー曲であり、今回のタイトルにも掲げられている「YELL〜エール〜」。路上ライブを見に来てくれた小渕のお姉さんから2人が「お客さんがいない時もあると思う。でも誰かが見ているところだけで頑張っても、見たことのある花しか咲かない。誰も見たことのないところで頑張れば、きっと誰も見たことがない花が咲くと思うよ」という手紙をもらったエピソードを披露したのだが、途中で小渕が感極まって言葉に詰まる場面もあった。
「これから先、皆さんが誰かに出す小さな1枚の紙は誰かの人生を変えるし、上手くいかないことがあっても誰かの一言で変わる日が来る。その時まで自分を信じて、待っていてください。どこからか、風が運んできてくれるから」(小渕)と語りかけ、小渕は思いを込めてイントロを奏で始めた。ここでもファンの皆さんから寄せられたたくさんの”届けたい言葉”が映し出され、小渕と黒田は客席に広がる笑顔の絶景を目に焼き付けるような表情で歌っている。曲の最後には今回のライブのために寄せられた小渕のお姉さんから2人への手書きのエールも映し出され、ライブは感動の余韻を残しながら幕を閉じた。
なお、この日タイトルが発表になった全国ツアー「KOBUKURO LIVE TOUR 2026”霞日和”」は7月25日・26日の東京・J:COMホール八王子からスタートする。

オフィシャルライター:山田邦子
写真:溝口元海(be stupid)


