【実食レポ】中秋節ディナー「皇秋」で味わう伝統と革新《京王プラザホテル「南園」》

新宿駅西口から徒歩約5分。高層ビルが立ち並ぶ西新宿の一角に佇む「京王プラザホテル」。

1971年6月5日、日本初の超高層ホテルとして開業して以来、国内外から多くのゲストを迎えてきました。2026年には開業55周年という節目を迎え、半世紀を超える歴史を刻んでいます。

日本初の超高層ホテルとして誕生した京王プラザホテルは、時代の変化に合わせて新たなサービスや施設を取り入れながら、東京を代表するホテルのひとつとして歩みを重ねてきました。

新宿駅から徒歩圏内という利便性を備えながら、一歩館内へ足を踏み入れると、都心の喧騒を忘れさせてくれる落ち着いた空間が広がります。


ホテルロビー

ホテルが大切にしてきたのは、上質な空間だけではありません。訪れる人を笑顔で迎え、心地よい時間を過ごしてもらい、そして笑顔で送り出す。55年という長い年月の中で培われてきた、あたたかな「おもてなし」も大きな魅力です。

館内には和・洋・中のレストランをはじめ、バー、ラウンジ、宴会場、ウエディング施設など、多彩な施設を備えています。

さらに、本館47階には「SKY PLAZA IBASHO」を設置。地上約170mから新宿の高層ビル群を望みながら、仕事や読書、語らいなど、思い思いのスタイルで過ごせる空間となっています。

朝の光に包まれた東京から、夕暮れ、そして夜景へ。刻々と表情を変える新宿の街を眺めながら過ごせるのも、高層ホテルならではの魅力です。そんな京王プラザホテルで、開業とともに歩み始めたのが中国料理「南園」です。

開業とともに誕生して55年。本格広東料理「南園」


中国料理「南園」中秋節を彩る店内装飾

ホテル2階に店を構える中国料理「南園」は、1971年のホテル開業とともに誕生。2026年に55周年を迎えました。

現在では本格広東料理の名店として知られる南園ですが、開業当時の日本では、広東料理はまだ一般に広く知られていた料理ジャンルではありませんでした。

そのなかで南園が追求してきたのが、素材の持ち味を生かし、繊細な技法によって仕上げる広東料理。伝統を大切にしながらも、新しい調理法や素材の組み合わせを取り入れ、時代とともに料理を進化させてきました。

また、南園は多くの料理人を育ててきたことでも知られています。周富徳氏、譚彦彬氏をはじめ、後に中国料理界で活躍する料理人たちが厨房で技術を磨いたことは、南園の歴史を語るうえでも欠かせません。

現在、その伝統を受け継ぐ料理人のひとりが、中国料理統括料理長の李国超氏です。


李国超氏

李氏は南園で修業を重ね、長年にわたり厨房を支えてきた料理人。2011年には「現代の名工」に選ばれ、2014年には黄綬褒章を受章しています。

長い歴史を受け継ぎながらも、時代に合わせて新しい感性を取り入れる。伝統と革新が共存する姿勢は、今回いただいた料理にも随所に表れていました。

噴水を配した落ち着きのある空間。7つの個室も用意

店内に入ると、フロア中央に配された噴水が目に入り、水音が心地よく響きます。洗練されたモダンさの中に、どこかアジアのリゾートを思わせる温かみも感じられる空間です。

南園には7つの個室も用意されており、家族のお祝い、顔合わせ、会食、接待など、周囲を気にせず料理と会話を楽しみたい場面にも対応。ホテルならではの落ち着いたサービスと、55年の歴史を持つ南園の料理をプライベートな空間で楽しめるのも魅力です。

今回は9月から10月にかけて提供されている中秋節ディナーコース「皇秋」をいただきました。

9~10月限定「中秋節ディナーコース 皇秋」実食レビュー:

・特選前菜の盛り合わせ

コースの幕開けを飾るのは、彩り豊かな「特選前菜の盛り合わせ」。クラゲ、白背木耳と押し豆腐の和え物、サンマの南蛮漬け、チャーシュー、豚バラ、腸詰め、ウナギのゼリー寄せ、海老の塩水漬け、黒豆のシナモン煮など、多彩な味わいが一皿に盛り込まれています。

まず印象に残るのが、ほどよい弾力とコリコリとした食感が心地よいクラゲ。噛むほどに軽やかな旨味が広がり、前菜らしい爽やかなスタートを演出します。

白背木耳と押し豆腐の和え物は、それぞれの食感の違いが楽しい一品。白背木耳の独特の歯触りに、押し豆腐の凝縮された食感が重なります。

サンマの南蛮漬けは、魚の旨味に酸味が加わり、前菜の中で味わいのアクセントに。

チャーシュー、豚バラ、腸詰めといった肉料理からは、焼き物ならではの香ばしさと凝縮された旨味を楽しめます。

なかでも目を引くのが、ウナギと茎ワカメ、クコの実のゼリー寄せ。醤油をベースにした味わいで、ウナギの旨味をゼリーがやさしく包み込みます。なめらかな口当たりの中に、茎ワカメの食感がアクセントを添えています。

海老の塩水漬けは、海老本来の味わいを生かしたシンプルな仕立て。そして、前菜の最後に遊び心を感じさせるのが黒豆のシナモン煮です。黒豆のほのかな甘みにシナモンの香りが重なり、中国料理の前菜としては新鮮な味わいに仕上がっています。

ひと皿の中で、食感、味、香りが次々と変化する。コースの幕開けにふさわしい、華やかな前菜です。

・上海蟹味噌入り、ふかひれの煮

美しい黄金色のスープに、ふかひれと大きな白マイタケが盛り付けられた、見た目にも華やかなふかひれの煮です。スープのベースには、豚と鶏から丁寧に取ったシャンタンスープに紹興酒、塩、胡椒を加えて味を調えています。

ひと口いただくと、まず感じるのはまろやかで豊かな旨味。蟹味噌のコクがありながら重たさはなく、豚と鶏のだしが全体を支えることで、ふくよかな味わいに仕上がっています。

そして、この料理でひときわ目を引くのが、存在感のある白マイタケ。 大きく美しい白マイタケは、スープの中でもしっかりとした存在感を放ちます。口にすると、きのこならではの食感と風味が広がり、噛むほどにその旨味を楽しめます。ふかひれのなめらかな口当たりとのコントラストも印象的です。

主役のふかひれは、スープをまとってとろりとなめらかな食感に。繊細な口当たりと、濃厚なスープの旨味が一体となり、ひと口ごとに贅沢な余韻を残します。さらに、細切りにされた金華ハムも加わり、スープに凝縮された旨味をプラス。

黄金色に輝くスープ、上海蟹味噌のコク、豚と鶏のだしの深み、白マイタケの食感、そしてとろりとしたふかひれ。 さまざまな素材の旨味を重ね合わせながら、それぞれの持ち味もしっかりと感じられる、南園の技術が詰まった奥行きのある逸品です。

・あわびと大海老の香菇醤炒め

続いては、「あわびと大海老の香菇醤炒め」。主役となるあわびと大海老に、紅芯大根、アスパラガス、銀杏、しめじ、葱を合わせた、彩りも鮮やかな炒め料理です。 この一皿で特に印象的なのが、料理の味わいを決める香菇醤(シャンコジャン)。

干し椎茸、ポルチーニ茸、しめじ、舞茸という複数のきのこを使った南園オリジナルのソースで、きのこの豊かな香りと凝縮された旨味が料理全体を包み込みます。 ひと口いただくと、きのこ由来の深いコクが広がり、魚介の旨味を引き立てながらも、ソースそのものの存在感もしっかりしています。一般的な海鮮炒めとはひと味違う、南園ならではのオリジナリティを感じさせる味わいです。

あわびは、噛むとコリコリとした心地よい歯応え。凝縮された旨味と香菇醤の風味が重なり、噛むほどに味わいが深まります。 そして、ひときわ大きな存在感を放つのが大海老。こちらもしっかりとした弾力があり、プリッというよりもコリコリとした食感が印象的。

海老そのものの甘みと、きのこの濃厚な旨味を一緒に楽しめます。 あわびと大海老という贅沢な食材に、4種のきのこから作るオリジナルの香菇醤を合わせる。素材の持ち味を生かしながら、独自のソースで新しい表情を引き出した、南園の創意が感じられる一皿です。

・北京ダック ~柑橘香る味噌~

中国料理を代表する料理のひとつ、北京ダックも登場します。スタッフが目の前で一枚ずつ巻いてくれるスタイルで、ゲストの目の前で仕上げられていく臨場感も魅力です。

今回の北京ダックで注目したいのが、合わせる香辛みそです。北京ダックといえば、甘みのある味噌を合わせるのが定番ですが、南園では新たな試みとして、そこに柑橘香る味噌をアレンジ。

柑橘の爽やかな香りとほのかな甘酸っぱさを加えています。 この発想のヒントになったのは、洋食で親しまれているハムとオレンジの組み合わせ。肉の旨味に柑橘の香りを重ねることで、北京ダックにも新しい表情を持たせています。

香ばしく焼き上げられた北京ダックに、コクのある香辛みそ。そして、柑橘の風味が加わることで、味わいに軽やかなアクセントが生まれます。 長い歴史を持つ南園が、伝統を守るだけでなく、時代に合わせて新しい味わいにも挑戦していることが感じられる一品です。

・牛フィレ肉の煎り焼き、蜂蜜黒胡椒ソース

食べやすいよう4つにカットされた牛フィレ肉は、柔らかな肉質の中にしっかりと旨味を感じられる仕立てです。合わせるのは、リーペリンソース、蜂蜜、ニンニク、黒胡椒を使った特製ソース。

蜂蜜のまろやかな甘みに、黒胡椒のキレのある辛味と香り、ニンニクの風味、リーペリンソースの複雑な旨味が重なります。濃厚な味わいでありながら、黒胡椒が後味を引き締めることで、牛フィレ肉の上品な味わいも楽しめます。

付け合わせのブロッコリーには、茹でる際に片栗粉を使うことでほどよい歯応えを残す工夫も。蓮根のシャキッとした食感も加わり、柔らかな牛フィレ肉とのコントラストを生み出しています。

甘み、辛味、香り、旨味。複数の要素が重なったソースが、肉料理に力強い表情を与えています。

・サーモンと南瓜入り伊府麺(煮込みそば)

食事の締めくくりに登場したのは、「サーモンと南瓜入り伊府麺(煮込みそば)」。 使用されているのは、一度揚げてから煮込む「伊府麺(イーフーメン)」。一般的な麺とはひと味違う、独特のコクと風味を楽しめる中国料理の伝統的な麺です。 器に盛られた伊府麺は、黄金色ともいえる美しい色合いが印象的。煮込みによってスープの旨味を含み、しっとりとした口当たりの中にも、揚げ麺ならではの風味が感じられます。

そこに合わせるのが、サーモンと南瓜という意外性のある組み合わせ。南瓜は、シェフが料理との相性を考えて厳選した甘みの少ないタイプを使用しています。 南瓜というと甘みの強い食材を想像しますが、こちらは甘さを抑えたものを選ぶことで、サーモンの風味を邪魔することなく、むしろその旨味を引き立てる役割を果たしています。

実際に味わってみると、サーモンと南瓜の相性の良さに驚かされます。南瓜のほのかな風味がサーモンのコクに寄り添い、そこへ伊府麺のまろやかな味わいが重なることで、全体がやさしくまとまっています。

鮮やかな黄色も華やかで、コースの終盤を彩る一皿としても印象的。 「南瓜とサーモン」という意外な組み合わせを、素材選びと伊府麺の技法によって一つの料理に仕上げる。伝統的な伊府麺をベースに、現代的な感性を取り入れた、創意工夫を感じさせる締めの一品です。

・皇秋デザートプレート

コースの最後を彩るのは「皇秋デザートプレート」。まず目を引くのが、なめらかな自家製杏仁豆腐。その上には鮮やかなマンゴーソースが添えられています。マンゴーの芳醇な香りが広がる一方、杏仁豆腐は甘さを控えた上品な仕立て。濃厚なマンゴーの風味を受け止めながら、後味は軽やかです。

そして、中秋節ならではの月餅も登場。なかでも印象的なのが、月餅の表面にくっきりと刻まれた「京王」の文字です。丸い月餅に浮かび上がる「京王」の文字は、55周年という節目を象徴するような存在。長い歴史を持つホテルと南園ならではの遊び心が感じられます。

生月餅にはキンモクセイの花があしらわれ、中にはカスタードクリームが。なめらかでまろやかな味わいに、秋を感じさせる香りが重なります。

月餅にはピスタチオの餡を使用。香ばしいナッツの風味がアクセントとなり、杏仁豆腐やマンゴーソースとは異なる味わいを楽しませてくれます。

さらに、パイナップル、梨、巨峰といったフルーツや、食用花も添えられ、華やかなプレートに。

中秋節という季節感と、55周年というホテルの節目。その両方を一皿に凝縮したようなデザートです。特に「京王」の文字が刻まれた月餅は、2026年という節目の年に南園を訪れた記憶を残してくれる、印象的な締めくくりとなりました。

55年の伝統に、新たな感性を重ねる「南園」

1971年のホテル開業とともに誕生し、2026年に55周年を迎えた中国料理「南園」。長い歴史の中で培われた広東料理の技術を大切にしながら、香菇醤や柑橘を取り入れた北京ダック、サーモンと南瓜を合わせた伊府麺など、現代の感性を取り入れた料理も提供しています。

今回の「皇秋」は、伝統を守るだけではなく、その時代、その季節だからこそ生まれる料理を追求する南園の姿勢を感じられるコースでした。

55年という歴史を重ねながら、これからも新しい味わいを生み出していく。京王プラザホテルの歴史とともに歩んできた南園は、伝統と革新が交差する、本格広東料理の魅力を今に伝えてくれます。

■中国料理<南園>
NAN-EN

幾多のスター料理人を生みだしてきた
伝統と革新が交差する本格広東料理
1971年のホテル開業とともに誕生し、幾多のスターシェフを輩出してきた中国料理<南園>。

こだわり抜いた食材と独自の技法で仕上げる深みのある味わい。
クラシックな逸品と新しい感性が融合する、京王プラザホテル自慢の名店。

店舗情報

場所
2階

営業時間
平日   11:30~15:00(ラストオーダー 14:30)
17:00~22:00(ラストオーダー お料理21:00 お飲物21:30)
土日祝日 11:30~22:00(ラストオーダー お料理21:00 お飲物21:30)

席数
139席(全席禁煙)

個室
7室

中国料理<南園>|京王プラザホテル(新宿)【公式】
新宿のホテル中国料理なら京王プラザホテル〈南園〉。ふかひれや点心など本格広東料理を楽しめる人気のランチ・ディナー。接待や会食、記念日にも。

■新宿の高層ビル群に佇む、55年の歴史とおもてなしの「京王プラザホテル」

新宿駅西口から徒歩約5分。西新宿の高層ビル群に佇む「京王プラザホテル」は、1971年6月5日に日本初の超高層ホテルとして開業し、2026年に55周年を迎えました。

開業以来、時代の変化に合わせてサービスや施設を進化させながら、国内外から多くのゲストを迎えてきた京王プラザホテル。館内には多彩なレストランやバー、ラウンジ、宴会・会議施設、ウエディングなどが揃い、さまざまな目的で利用できるホテルとして歩みを重ねています。

「プラザ=広場」という名の通り、人と人が集い、交流する場所であることも同ホテルの大きな魅力。55年の歴史の中で培われた、きめ細やかで温かな「おもてなし」が、訪れる人を心地よく迎えてくれます。

また、高層ホテルならではの眺望も魅力のひとつ。本館47階の「SKY PLAZA IBASHO」など、東京の街並みを望める空間では、朝の光から夕暮れ、そして夜景へと移り変わる新宿の表情を楽しむことができます。

日本初の超高層ホテルとして誕生して55年。歴史を大切にしながら、時代に合わせて進化を続けてきた「京王プラザホテル」。

新宿という東京の中心にありながら、街の喧騒から離れて上質な時間を過ごせる。長い歴史に培われたおもてなしと、都市ならではの眺望、そして多彩なホテル機能が調和する、55年の歩みを今に伝えるホテルです。

京王プラザホテル(新宿)【公式】
都庁前駅B1出口よりすぐ。新宿の喧騒から離れ、落ち着いた街並みが広がる「西新宿」の超高層ホテル。宿泊、レストラン、宴会・会議、ウエディング、出張など、様々なご利用シーンに最高のおもてなしでお応えします。