東京・赤坂のランドマークとして親しまれてきたANAインターコンチネンタルホテル東京が、2026年6月7日に開業40周年を迎えた。これを記念し、最上階37階の鉄板焼「赤坂」では、開業当時の人気メニューを復刻した特別コースを提供している。
音楽の殿堂・サントリーホールに隣接し、東京メトロ銀座線「溜池山王駅」から徒歩5分、南北線「六本木一丁目駅」から徒歩5分という利便性の高い立地に位置する同ホテル。1986年、森ビルによる大規模再開発「アークヒルズ」の開業とともに「東京全日空ホテル」として誕生した。

当時としては革新的だった吹き抜けのアトリウムロビーを備え、「新しき、ホテル・ソサエティ。」を掲げて開業。以来、国内外の人々が集う国際交流の拠点として発展してきた。
2007年にはIHGとの提携により現在の名称へリブランド。日本ならではのおもてなしとグローバルスタンダードを融合させたラグジュアリーホテルとして進化を続け、現在では東京を代表するホテルの一つとして国内外のゲストを迎えている。

ホテル開業時から続く名店、鉄板焼「赤坂」

40周年記念企画の中でもひときわ注目度が高いのが、37階最上階に位置する鉄板焼「赤坂」。
同店は1986年のホテル開業と同時にオープン。当時、ホテル内に本格的な鉄板焼レストランを設けることは先進的な試みであり、日本の食文化に新たな風を吹き込む存在として話題を集めた。
以来40年にわたり、素材の持ち味を最大限に引き出すという初代シェフの哲学を受け継ぎながら進化を続けてきた。現在は料理長・廣瀬弘二氏を中心に、伝統的な鉄板焼技法と現代的な感性を融合させた一皿を提供している。
窓の外には東京タワーをはじめとする都心の絶景が広がる。40年の歳月の中で東京の景観が大きく変化した現在も、最高の食材を最高の状態で提供するという哲学は変わらない。

世界が憧れる神戸牛を40年間提供し続ける名店

鉄板焼「赤坂」の大きな魅力の一つが、開業当初から取り扱いを続ける神戸牛。
神戸牛は単なるブランド和牛ではない。兵庫県生まれの純血種但馬牛であること、指定農家で肥育されること、指定食肉センターで処理されること、さらに厳格な肉質基準を満たすことなど、数々の条件をクリアした牛のみが名乗ることを許される。
年間認定頭数は約6,800頭程度と極めて少なく、日本全国の和牛出荷数と比較してもごくわずかな存在だ。その希少性から世界中の高級レストランやラグジュアリーホテルが獲得を競い安定供給は決して容易ではない。特にサーロインやフィレといった人気部位は数量が限られるため、年間を通じて一定品質の神戸牛を提供し続けるには、長年培われた仕入れネットワークと確かな信頼関係が欠かせない。
鉄板焼「赤坂」が高い評価を得ている理由は、神戸牛を扱っているのみならず、40年にわたり継続して提供し続けている点が大きい。
神戸牛最大の魅力は、人肌に近い温度で溶け始める脂質のきめ細やかさだ。鉄板で焼き上げられた肉を口に運ぶと、濃厚な旨味が広がりながらも後味は驚くほど軽やか。さらに、和牛香と呼ばれる甘く芳醇な香りが鼻腔を抜け、世界中の美食家を魅了している。
その真価を最もダイレクトに体感できる調理法こそが鉄板焼であり、老舗の名店「赤坂」はまさに神戸牛の魅力を堪能するための理想的な舞台といえるだろう。
赤坂の歴史を映す個室「茜(AKANE)」~空間デザインにも日本の美意識が息づく

接待や記念日、プライベートな会食で人気を集めるのが個室「茜(AKANE)」。
その名称は、赤坂という地名の由来の一説にちなむもの。かつて紀伊国坂周辺に茜草(あかねぐさ)が生い茂り、「赤根山」と呼ばれたことから「赤坂」の地名が生まれたと伝えられている。
3枚接ぎ合わせのウォールナット無垢材による大型テーブルを中心に、岐阜県土岐市の焼物文化を感じさせる瓦タイルの壁面、和紙をベースに「花」と「暁」をモチーフとしたウォールアートを配置。自然素材の温もりと現代的なデザインが融合した、上質なプライベート空間が広がる。
そして何より魅力的なのが、37階から見渡す東京のパノラマビュー。昼は都心のダイナミックな景観を、夜は華やかな夜景を楽しめる。

37階から見渡す東京のパノラマビュー
神戸牛の鉄板焼とともに味わう時間は、特別な日のための夢舞台。空間デザインにも日本の美意識が息づいています。
40周年、その先へ

ANAインターコンチネンタルホテル東京は40周年を迎え、「これまでの歩みと進化の精神」を表現した記念ロゴとメッセージを発表した。1986年の開業以来、国内外の人々が交差する国際都市・東京の迎賓館として歩み続けてきた同ホテル。その象徴的存在である鉄板焼「赤坂」もまた、伝統を守りながら新たな価値を創造し続けている。

開業40周年という節目に訪れたいのは、単なる老舗鉄板焼ではない。東京の発展とともに歩み、日本の鉄板焼文化の魅力を世界へ発信し続けてきた名店である。37階の鉄板の前で味わう一皿には、40年の歴史と職人たちの誇り、そして未来への挑戦が凝縮されています。
■ANAインターコンチネンタルホテル東京――鉄板焼「赤坂」
40周年記念コース体験レビュー:
開業当時の人気メニューを復刻した特別コースメニューを体験しました。旬の厳選素材や特選ビーフを使用し、伝統の3つのステーキソースで堪能できる。

また、当時前菜の主流であったサーモンマリネに現代の珍しい野菜を組み合わせた前菜、人気を博した自家製牛肉の時雨煮や人参ドレッシングに至るまで、懐かしい味わいが蘇る。
<メニュー>
【先付】ラムの生ハム マスカルポーネチーズ ドライイチジク

コースの幕開けを飾る先付は、ラムの生ハムにマスカルポーネチーズとドライイチジクを合わせた一皿。
しっとりとした食感のラム生ハムは、羊肉特有の旨味を感じさせながらも驚くほど上品で、クセがなく食べやすい。そこにコクのあるマスカルポーネチーズが寄り添い、さらに凝縮した甘みを持つドライイチジクが加わることで、塩味・乳味・果実味のバランスが見事に調和する。
口の中でそれぞれの素材が重なり合い、ワインとの相性の良さも感じさせる仕上がり。これから始まる特別なコースへの期待を高めてくれる、洗練された先付である。
【前菜】サーモンマリネ ツリーケール添え ビネグレットソース

続いていただくのは、開業当時の人気メニューを現代風にアレンジしたサーモンマリネ。美しく盛り付けられた一皿は、鮮やかな黄色のビオラが彩りを添え、華やかな印象を演出している。
しっとりとなめらかなサーモンに合わせるのは、ほどよい食感を残したツリーケール。シャキッとした歯触りが心地よく、料理全体に軽やかなアクセントを加えている。
ビネグレットソースにはバルサミコ酢の爽やかな酸味が効いており、口に含むと香り豊かな風味が広がる。サーモンの旨味を引き立てながら後味をすっきりとまとめ上げており、コース序盤にふさわしい上品な味わいを楽しめる一皿。
【魚料理】豊洲市場直送 本日のお魚と帆立貝の鉄板焼

魚料理には、豊洲市場から直送された鮮魚と帆立貝を使用。この日の鮮魚は宮城県産のスズキで、廣瀬弘二料理長の卓越した火入れ技術が光る一皿。
高温の鉄板で皮目を香ばしく焼き上げ、表面はカリッとした食感に。その後、温度を巧みにコントロールしながら低温でじっくりと火を入れることで、身は驚くほどふっくらとした仕上がりに。皮の香ばしさと、しっとりとした身のコントラストが見事で、素材本来の旨味を存分に引き出している。

帆立貝は中心部にわずかにレア感を残しながら焼き上げられ、ふんわりとした柔らかな食感が印象的。噛むほどに甘みが広がり、鮮度の良さを実感できる。

さらに帆立の上には、自家製のイクラを贅沢にトッピング。醤油、生ショウガ、オリーブオイルなどで丁寧に漬け込まれたイクラは、濃厚な旨味とほどよい塩味をまとい、帆立の甘みを一層引き立てる。鉄板焼ならではの繊細な火入れと職人技を堪能できる、満足度の高い一皿でした。

【焼野菜】焼野菜4種

肉料理の前に供される焼野菜は、熊本県産赤茄子、カボチャ、モロッコインゲン、北海道産ホワイトコーンの4種。それぞれの個性を最大限に引き出すため、素材ごとに異なる味付けと火入れが施されている。
熊本県産赤茄子、カボチャ、モロッコインゲンは、塩・胡椒・バターというシンプルな調理法で仕上げられ、素材本来の味わいをダイレクトに楽しめる。なかでもカボチャは凝縮された甘みが印象的で、モロッコインゲンは独特のシャキッとした食感が心地よいアクセントに。

特に印象に残ったのが最初に提供された北海道産ホワイトコーン。醤油とバターの香ばしい風味をまといながらも、驚くほど強い甘みが感じられ、一口ごとに素材のポテンシャルの高さを実感させる。

コンディメントとして用意されたのは2種類の塩。英国王室御用達として知られるマルドン シーソルトは、ミネラル感豊かで角のないまろやかな塩味が特徴。一方、千葉県・九十九里の海水を昔ながらの製法で仕上げた天然塩は、キレのある塩味が際立ち、素材の甘みや旨味をより鮮明に引き立てる。
同じ野菜でも塩を変えることで表情が変化し、それぞれの味わいを食べ比べる楽しさもある。鉄板焼ならではのシンプルな調理だからこそ、素材の質の高さと料理人の技術が際立つ一皿だった。
【サラダ】彩り野菜のサラダ クラシック人参ドレッシング

肉料理を前に供される彩り野菜のサラダには、鉄板焼「赤坂」で長年愛され続ける名物のクラシック人参ドレッシングが添えられている。
新鮮な野菜の上にかけられたドレッシングは、現在では珍しくなった濃厚でとろみのあるタイプ。人参本来の甘みと豊かな風味が凝縮されており、一口食べるだけで長年支持されてきた理由が伝わってくる。
人参ドレッシングは、1986年のホテル開業当時から受け継がれている鉄板焼「赤坂」オリジナルの生ドレッシング。製造には約1週間を要するという手間のかかる自家製で、初代料理長の時代から守り続けられてきた秘伝のレシピが今も息づいている。

廣瀬弘二料理長によれば、「人参ドレッシングを出してくれないの?」と常連客からリクエストされることも少なくないという。それほどまでに多くのファンに愛されてきた、店の歴史を象徴する味わいが楽しめる。
野菜の瑞々しさと人参の自然な甘みが調和し、これから登場する国産和牛への期待を高めながら口の中を心地よくリセットしてくれる。40年の歴史を受け継ぐ鉄板焼「赤坂」の伝統を感じられる一皿だった。
【メイン】特選黒毛和牛ステーキ サーロイン160g または フィレ120g
~伝統のソースで(オニオンソース/モンゴリアンソース/ポン酢)~

コースの主役となるのが、厳選されたA5ランク黒毛和牛のステーキ。

この日は群馬県産の黒毛和牛サーロインが用意され、好みの焼き加減で仕上げてもらえる。今回はレアでいただいた。

鉄板の上で丁寧に焼き上げられたサーロインは、表面は香ばしく、中はしっとりとした美しいロゼ色。口に運ぶと上質な脂がなめらかに溶け出し、黒毛和牛ならではの濃厚な旨味と甘みが広がる。重厚感がありながら後味は驚くほど上品で、素材そのものの品質の高さを実感できる一皿。

鉄板焼「赤坂」の魅力は、肉だけではない。開業当初から受け継がれてきた伝統の3種のソースが、ステーキの味わいをさらに奥深いものにしている。

左から「わさび」「モンゴリアンソース」「スパイシーソース」「ポン酢」
特に印象的なのが、オープン当時から愛され続けるオニオンベースのスパイシーソース。エシャロットや玉ねぎ、にんにくに加え、エストラゴンなどのハーブを絶妙に効かせた秘伝のレシピで、完成まで約1カ月を要するという手間暇のかかった逸品だ。爽やかな酸味と奥行きのあるコクが特徴で、生の玉ねぎによるシャリシャリとした食感も心地よい。肉の旨味を引き立てながらも後を引く味わいで、店を代表する人気ソースであることにも納得させられる。
モンゴリアンソースは、醤油をベースにブラウンシュガーやハーブ、にんにく、生姜、オイスターソースなどを合わせた濃厚な特製ダレ。甘みと旨味が凝縮されたコク深い味わいで、香ばしく焼き上げた肉との相性は抜群。とろみのあるソースが肉にしっかり絡み、海外ゲストにも人気が高いというのも頷ける力強い味わいだ。
ポン酢は柑橘の爽やかな酸味が肉の脂を優しく包み込み、黒毛和牛の旨味をすっきりと楽しませてくれる。重たさを感じさせず、最後まで心地よく味わえるのが魅力的。

さらに、英国王室御用達のマルドン シーソルトや九十九里産の天然塩、わさびも用意されており、シンプルに肉本来の美味しさを堪能することもできる。ソース、塩、薬味とさまざまな味わい方を楽しみながら、最高品質の黒毛和牛を堪能できる贅沢なメインディッシュだった。
【〆の食事】お焦げ付オリジナルガーリックライス

コースの締めくくりに供されるのは、鉄板焼「赤坂」ならではの名物「お焦げ付オリジナルガーリックライス」。鉄板の上ではまず、細かく刻まれた牛脂をじっくりと火入れし、カリカリになるまで丁寧に焼き上げる。その香ばしい脂にご飯を合わせることで、一粒一粒に牛肉のコクと旨味がしっかりと行き渡り、シンプルながらも奥行きのある味わいへと昇華される。
さらに刻んだ大葉(しそ)を加えることで、ガーリックの香ばしさの中に爽やかな清涼感が生まれ、最後まで重さを感じさせずに食べ進められる仕上がりとなっている。
最大の特徴は、鉄板に薄く広げて焼き付けることで生まれる“お焦げ”。パリパリとした香ばしい食感がアクセントとなり、ふっくらとしたガーリックライスとのコントラストが実に心地よい。噛むほどに香ばしさと旨味が広がり、思わず箸が止まらなくなる一皿。
【〆の付け合わせ】自家製牛肉の時雨煮、味噌椀、香の物

「お焦げ付オリジナルガーリックライス」とともに供されるのは、食事の満足度をさらに高める名脇役。いずれもコースの余韻を丁寧に締めくくる構成となっている。
自家製の牛肉の時雨煮は、店内で丁寧にカットされた和牛のトリミングを使用し、生姜、醤油、砂糖、酒などでじっくりと甘辛く炊き上げた一品。しっとりとした肉の繊維に旨味が凝縮されており、ガーリックライスと合わせることで一層深いコクが加わる。ひと口加えるだけで味わいが劇的に変化し、思わず箸が進む“隠れた主役”とも言える存在感が印象的だった。
味噌椀は、鉄板焼でしっかりとしたステーキやガーリックライスを楽しんだ後の身体を優しく包み込むような一杯。丁寧に引かれただしの風味が際立ち、上品で奥行きのある味わいを特徴とし、高級ホテルならではの繊細な仕事が感じられる。
香の物は、濃厚なガーリックライスや時雨煮の味わいの合間に挟むことで口の中をすっきりとリセットしてくれる役割を担う。最後まで飽きることなくコースを楽しませるための重要なアクセント。
カリカリのお焦げ付きガーリックライス、旨味あふれる時雨煮、そして温かな味噌椀と香の物。この一連の流れは、鉄板焼「赤坂」のコースを締めくくるにふさわしい、完成度の高い余韻を生み出している。
【デザート】昔ながらのプリン

ANAインターコンチネンタルホテル東京の鉄板焼「赤坂」におけるコースの締めくくりは、流行の“とろける系プリン”とは一線を画す、「昔ながらのプリン」である。
鉄板焼 赤坂が提供するこのプリンは、スプーンを入れると適度な抵抗を感じる、やや硬めのしっかりとしたクラシックスタイル。近年主流となっているなめらか系とは異なり、卵の凝縮されたコクと、カスタードの素朴な甘さがダイレクトに伝わる構成となっている。
口に含むとまず感じるのは、余計な装飾を排したストレートな卵の風味。そこにバニラの香りが穏やかに重なり、どこか懐かしさを覚える味わいへとつながっていく。甘さは控えめで、食後でも重さを残さず、むしろコース全体の余韻をやさしく整える役割を果たしている。
仕立ては王道そのもの。プリンの上には生クリームと真紅のサクランボが添えられ、昭和から平成初期の喫茶店デザートを思わせるクラシカルな佇まいを見せる。華美な演出ではなく、“記憶に残る安心感”を大切にした構成。
この日はさらに、季節のフルーツとしてメロン、パイナップル、イエローキウイが添えられ、瑞々しい果実の酸味と甘みがプリンの濃厚さを引き立てる。加えて、食後の飲み物として供されたレモンティーが口内をすっきりと整え、コース全体を軽やかに締めくくった。
華やかな鉄板焼コースの最後に登場するこの一皿は、派手さこそないものの、むしろ“原点回帰”ともいえる存在感を放つ。素材の良さと丁寧な仕事が静かに伝わる、ホテルダイニングらしい正統派のデザート。しっかりとした肉料理やガーリックライスを楽しんだ後に、このどこか懐かしくて上品な甘さのプリンと食後のコーヒー・紅茶をいただく時間は、まさに至福のひとときだった。

37階鉄板焼「赤坂」から撮影した東京のパノラマビュー
■グラスに宿る40年の歓び——鉄板焼「赤坂」ドリンクの美学

ANAインターコンチネンタルホテル東京 の鉄板焼「赤坂」では、神戸牛や厳選食材が織りなすコース料理の魅力を一層引き立てるために、料理と同様に吟味されたドリンクセレクションが用意されている。37階というロケーションから望む東京のダイナミックな眺望とともに、グラスを傾けるひとときは、大人のための贅沢な時間。
シャンパーニュや白・赤ワインは、鉄板焼という調理法に寄り添うよう、果実味と酸のバランスに優れた銘柄を中心にラインアップ。神戸牛の濃厚な旨味や香ばしさを引き立てながらも、口の中を心地よくリセットし、次の一口へと自然に誘う設計となっている。
日本酒は、繊細な魚料理や焼野菜との相性を意識し、全国各地の銘酒を厳選。米の旨味と清らかな後味が、鉄板で引き出された素材の風味に寄り添い、和のエッセンスを静かに添えている。焼酎やウイスキーも取り揃えられ、食後の余韻をゆっくりと味わうための一杯として選ばれている。
さらに、ノンアルコールカクテルやソフトドリンクも充実しており、柑橘やハーブを使ったオリジナルドリンクは、コース全体の流れに爽やかなアクセントを加える存在。アルコールを控えるゲストにも、料理とのペアリングを楽しめるよう配慮されている点も、国際的なラグジュアリーホテルならではのホスピタリティといえる。
鉄板焼「赤坂」のドリンクコーナーは、単なる“飲み物の選択肢”にとどまらず、料理・空間・眺望をつなぐ重要な要素として機能している。グラスの中に注がれた一杯が、40年の歴史を刻む鉄板焼体験をより豊かで記憶に残るものへと昇華させている。
・モエ エ シャンドン モエ アンペリアル ブリュット

ANAインターコンチネンタルホテル東京におけるドリンクセレクションの中でも、ひときわ象徴的な存在として提供されているのが、モエ・エ・シャンドンのフラッグシップともいえる一本。
グラスに注がれるのは、Moët & Chandonを代表する「モエ アンペリアル ブリュット」。黄金色に近い淡いイエローの液体は、きめ細やかで持続性のある泡を立ち上らせ、視覚的にも華やかな印象をもたらす。
ひと口目に感じるのは、青リンゴや洋梨を思わせるフレッシュな果実味。その直後に、ブリオッシュのようなやわらかな香ばしさが重なり、単なる爽やかさにとどまらない奥行きを形成している。酸味はシャープすぎず、全体を包み込むように調和しており、食前酒としての完成度の高さを実感させる構成。
鉄板焼「赤坂」のコースは、ラムの生ハムや魚介、そして神戸牛へと続く重層的な味わいの設計になっているが、このシャンパーニュはその序章を優雅に開く役割を担っている。脂の乗った料理へと移行する前に、口内を軽やかに整え、味覚を研ぎ澄ませる存在として機能する点が印象的。
また、東京タワーを望む37階というロケーションも相まって、グラスを傾ける行為そのものが“特別な儀式”のように感じられる。都市の喧騒から切り離された空間で味わう一杯は、単なるドリンクではなく、このホテルが提供する時間の価値そのものを象徴している。
・シャトー・ディッサン 1986

ANAインターコンチネンタルホテル東京の開業40周年を記念した特別企画の中でも、ワインラヴァーの注目を集めているのが、アニヴァーサリー・ヴィンテージ ワインとしてグラス提供される「シャトー・ディッサン 1986」。

コラヴァン(Coravin)によるワイン保存システムを採用
本来であればボトル単位でしか触れる機会の少ない熟成ボルドーを、グラスで体験できるという希少性はもちろん、その背景にあるセラー管理と提供コンディションの精度の高さが、この一杯の価値をさらに引き上げている。
今回提供されるのは、ボルドー・マルゴー村の格付け3級シャトーとして知られるChâteau d’Issanの1986年ヴィンテージ。約40年の熟成を経たこのワインは、すでに“果実味のピーク”ではなく、“熟成が生み出す芸術性”の領域へと移行している。
グラスに注いだ直後は、ブラックチェリーやカシスを思わせる黒系果実のニュアンスがまだ力強く残り、若々しさの名残を感じさせる。しかし時間の経過とともにその表情はゆっくりと変化し、スミレのような華やかなフローラルノートが立ち上がり始める。
さらに奥行きを与えるのが、杉やリコリス、乾いたキノコを思わせる熟成香。そこにシガーや古い革製品、杉箱のような落ち着いたアロマが重なり合い、ボルドー・マルゴーらしいエレガントで静謐な世界観を形成していく。
味わいの核にあるのは、シルキーと表現されるほど滑らかなタンニン。角が取れた渋みは口の中で優しくほどけ、果実味・酸・熟成香が一体となって、透明感のある余韻へとつながっていく。派手さではなく、むしろ“静かな完成度”で魅せるスタイルだ。
1986年ヴィンテージは、ワイン愛好家の間でも「繊細で儚さを感じさせながらも、芯の強さが残るクラシックな年」と評されることが多い。まさにその言葉通り、華やかさと枯れの美学が同居した独特のバランスが、この一杯の魅力を形づくっている。
さらに特筆すべきは、ホテルのセラーで適正に管理された状態で提供されている点だ。長い年月を経たワインはコンディションによって表情が大きく変わるが、理想的な熟成環境を経て供されることで、このヴィンテージが本来持つポテンシャルをほぼそのまま体験できる。
・若葉

鉄板焼「赤坂」で提供されるノンアルコールカクテルの中でも、静かな存在感を放っているのがオリジナルカクテル「若葉」。グラスに注がれる一杯は、名前の通り新緑を思わせる淡いグリーンの色調が印象的で、アルコールを含まないドリンクでありながらも、コース全体に繊細な“余白”を与える役割を担っている。
ベースとなるのは、愛知県・西尾の抹茶シロップ。西尾抹茶特有の深い旨味とほのかな渋みが軸となり、そこに烏龍茶のすっきりとした香ばしさが重なることで、重層的でありながらも軽やかな味わいが形成されている。さらに大麦若葉が加わることで、青々とした自然な風味が全体を包み込み、単なる抹茶ドリンクにとどまらない“野性味と清涼感のバランス”が生まれている。
口に含むと、まず抹茶の旨味が静かに広がり、その後に烏龍茶の穏やかな苦味と香ばしさが追いかけてくる。最後に大麦若葉のグリーンノートが余韻として残り、口内をすっきりと整えていく構成となっている。
ノンアルコールでありながらも手抜きのない設計は、同ホテルが掲げるホスピタリティの象徴でもある。アルコールを選ばないゲストにも同等の満足感を提供するという姿勢が、この一杯にも明確に表れている。
・瑠璃

鉄板焼「赤坂」で提供されるオリジナルノンアルコールカクテル。
グラスに注がれた瞬間、目を引くのは白から青へと移ろう美しいグラデーション。上層の淡いホワイトトーンから、深みのあるブルーへと沈む色彩は、まるで空と海の境界を切り取ったかのような透明感を持ち、鉄板焼レストランの中に小さな“非日常”を生み出している。
ベースとなるのはグレープフルーツジュースとトニックウォーター。そこにブルーキュラソーシロップが加わることで、柑橘の爽やかさにほのかな甘みと華やかな色彩が重なり、軽やかでありながら奥行きのある味わいが構築されている。
口に含むと、グレープフルーツのシャープな酸味とほろ苦さが広がり、その直後にトニックウォーターの微細な炭酸が心地よい刺激として弾ける。全体を包む甘みは控えめで、むしろ輪郭を整える役割に徹しており、すっきりとした飲み口を際立たせている。
仕上げに加えられるライムを絞ることで、香りと酸味が一段と引き締まり、後味はよりドライでクリアな印象へと変化する。重厚な鉄板焼コースの合間において、この清涼感は味覚をリセットする重要なアクセントとなる。グラスの中に広がる青の揺らぎは、味覚だけでなく視覚までも整える“静かなリフレッシュ”として機能している。
■料理長・廣瀬弘二(ヒロセ コウジ)氏 プロフィール
鉄板焼「赤坂」料理長
廣瀬 弘二(ヒロセ コウジ)
生年月日 1973 年 7 月 21 日
1994 年 東京全日空ホテル入社
バンケット(宴会厨房)、フランス料理「ローズルーム」(旧メインダイニング)、
ガテマンジャー勤務など、調理部門で幅広い経験を積んだ後、2000 年より鉄板焼「赤坂」
に在籍。2026 年 3 月、鉄板焼「赤坂」料理長に就任し、同店の調理全般を統括。
長年の経験に基づく食材への深い理解、卓越した調理技術によって、常に高品質の料理を提
供し、同レストランの魅力をさらに高めている。
- シェフのコメント
鉄板焼の料理人は、お客様の目の前で調理する仕事であることから、美味しさだけではなく、お客様ごとにプラスアルファの、もう一つ喜んでもらえることが何かを常に意識するように心がけています。
初代料理長及び歴代の料理長から脈々と受け継がれている伝統の技法を守りながら、さらに時代に合わせた自身の感性や技術を足していき、昔を知る人から現代の人まで幅広く鉄板焼「赤坂」を認知、ご愛顧いただけるよう日々精進しています。
■開業40周年記念コース

期間:2026年6月1日(月)~9月30日(水)
ANAインターコンチネンタルホテル東京の開業40周年を記念し、開業当時の人気メニューを復刻した特別コースをご用意いたします。
旬の厳選素材や特選ビーフを、伝統の3種のステーキソースでご堪能いただけます。
また、自家製牛肉の時雨煮や人参ドレッシングなど、当時人気を博した懐かしい味わいもお愉しみください。
ホテル開業年である1986年の希少なヴィンテージワインも取り揃え、特別なひとときをお届けします。
料金
お1人様¥28,000
メニュー
先付
サーモンマリネ ツリーケール添え ビネグレットソース
豊洲市場直送 本日のお魚と帆立貝の鉄板焼
焼き野菜4種
彩り野菜のサラダ、クラシック人参ドレッシング
特選黒毛和牛ステーキ サーロイン160g または フィレ120g 伝統のソースで
(オニオンソース/モンゴリアンソース/ポン酢)
お焦げ付オリジナルガーリックライス
自家製 牛肉の時雨煮、味噌椀、香の物
昔ながらのプリン
コーヒー
1986年 ヴィンテージワイン
CH D’ISSAN 1986 グラス¥10,000
COTEAUX DU LAYON 1986 グラス¥3,500
※メニューは予告なく変更になる場合がございます。
※消費税・サービス料込み
■37階 鉄板焼「赤坂」
Teppanyaki Akasaka

トップフロアーから東京を見渡す最高の眺望でお迎えする鉄板焼の「赤坂」。神戸牛をはじめとした選びぬかれた最上級の和牛をそろえ、旬の魚介類、季節の野菜を練達なシェフのナイフさばきも鮮やかに、皆様の目の前で調理いたします。
営業時間
ランチ
平日 11:30~16:00 (14:00L.O.)
土日祝は2部制 (個室は除く)
1部:11:30・12:00来店より2時間制
2部:14:00・14:30来店より2時間制
ディナー
平日 17:30~22:00(20:00L.O.)
土日祝は2部制 (個室を除く)
1部:17:30・18:00来店より2時間制
2部:20:00・20:30来店より2時間制
席数 38席 全席終日禁煙
お電話でのご予約・お問い合わせ 03-3505-1185
レストラン予約 9:00〜21:00

■ANAインターコンチネンタルホテル東京
ANA InterContinental Tokyo

The Essence of Tokyo
あなただけの東京体験を、ここから。
ANAインターコンチネンタルホテル東京【地上 37 階/客室数 801 室/13 のレストラン&バー/大小 22 の宴会場】は、赤坂・六本木・霞が関まで各徒歩圏内という東京の中心部に位置し、周辺には中央官庁、各国大公使館、内外の一流企業など、国際的な政治経済の中枢機能が集結しています。
地上 37 階、801 室を擁する当ホテルは、エネルギーに満ちた「東京」の街と同様に進化を続け、「訪れるたびに新しく、心わきあがるような体験」の創出を目指しています。
2024 年には全カテゴリーを対象とした大規模な改装を完了し、洗練された空間デザインとプレミアムアメニティを備えた、より上質な滞在体験を提供。また、館内13のレストラン&バーは、2024 年にリニューアルした「カスケイドカフェ」と「アトリウムラウンジ」、新たに誕生した「ジュネヴァ ロビーバー」とともに、革新的なダイニングシーンを演出しています。
35階及び新たに36 階に拡張した国内最大級の広さ(約 900 平米)を誇る宿泊客専用ラウンジ「クラブインターコンチネンタル」からは、皇居、国会議事堂、富士山など東京都心の絶景を一望。さらに大小 22 の宴会場を備え、日本的なおもてなしの心と国際水準のサービスが調和した、真のインターナショナルホテルとして進化を続けています。
【ご予約・お問い合わせ】
ANAインターコンチネンタルホテル東京
TEL.03-3505-1111(代表)
〒107-0052 東京都港区赤坂1-12-33
https://anaintercontinental-tokyo.jp
<アクセス>東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王」駅下車徒歩約5分


