日本最古の中国料理店として多くの食通の舌を唸らせてきた中国料理・広東料理の名店「聘珍樓」(HEICHINROU)。1884年(明治17年)横浜で産声をあげた聘珍樓は本年2024年に記念すべき「創業百四十年目」を迎えました。
聘珍樓の意味は、「聘」は迎える心、「珍」は尊ぶ心。また、別の意味で、「良き人、素晴らしき人が集まり来る館」という縁起が良い善き意味をもつ伝統ある中国料理店。
同店は、食の安全安心に対する理念がしっかりしており、1995年より、化学調味料(L・グルタミン酸ナトリウム)、保存料、人工着色料の完全無使用。「目の届く範囲(安全の確認ができたもの)の食材しか使用しない」というポリシーを頑なに守っています。
2024年・2023年中国料理 WEST 百名店 に選出
また、2010年より、広東料理に古くから伝わる薬食同源のセオリーに基づく「季節の薬膳セミナー」をスタートし、好評を博しています。聘珍樓各店の中でもワインのラインナップが豊富な大阪聘珍樓を訪問。
ヒルトンプラザイースト7階に位置し、JR線大阪駅より徒歩5分・大阪市営四つ橋線西梅田駅4A出口より徒歩2分の至近距離にあります。同店は中国料理店では珍しくウェイティングスペース として使えるBarも設置されています。
豪華絢爛なエメラルドカラーの長い回廊をくぐり抜け、素敵な個室に案内されました。
大阪聘珍樓 料理長 安西明氏が食材を厳選し、自信を持っておすすめする料理長おまかせコース(お一人様14,000円)を体験しました。
■料理長おまかせコース
(お一人様14,000円)(2名様より)
・鳳鮮魚滑
兵庫県産天然スズキの広東式お刺身
新鮮な兵庫県産天然スズキの広東式お刺身が前菜として運ばれてきました。小豆島のオリーブオイル・ピーナッツオイル・白醤油で味つけされていますので、そのままでいただけます。天然スズキの刺身は、脂がのって美味しく、淡白でクセがありません。回りに黄金色のワンタンの皮を揚げたものが散りばめられていますので、一緒にあえていただくことにより、パリッとして食感も楽しめます。
聘珍樓の広東式お刺身は人気のシグネチャーメニューとなっており、ピーナッツオイルが使われていますので、香ばしい香りが格別。添えてあるライムを絞っていただくと、爽やかな味の変化が楽しめます。一番上にかかっているパウダーは日本三大珍味のひとつであるカラスミ(唐墨)で深い旨味と程よい塩気、特有の風味あり。野菜な紫色の根菜・セロリー・パクチーが使われており、料理人の精細な技が際立つ作品に仕上がっていました。
・蜜汁叉焼
国内豚肩ロースの窯焼きチャーシュー
特性の味噌タレ・砂糖醤油・香味野菜・玫瑰露酒(メイクイルーシュ)などにじっくり半日ほど漬けて作られた窯焼きチャーシューです。漬け込んだ後、水飴などを使用し、複数の工程により半日ほどの時間をかけてじっかりと焼く作業に入ります。
料理技法と手間暇を詰め込んで作られた「国産豚肩ロースの窯焼きチャーシュー」は、噛み応え・旨味際立つ究極の叉焼でパーティーやおもてなしの席でグルメも唸らせる極上品に仕上がっていました。家庭では作ることができないプロならでは味ですので、ぜひ一度お試しください。辛子と豆板醤はお好みでつけていただくと味の変化が楽しめます。
・XO醤蒸双鮮
ツブ貝とアオリイカの自家製XO醤蒸し
ツブ貝とアオリイカの自家製XO醤蒸しは、ほっとするやさし目の味つけが特徴的。
聘珍楼の自家製XOは、世界三大ハムの金華ハム、干し貝柱、干しエビ、エシャロットが使用されている高級中華調味料でツブ貝とアオリイカとの相性が良好。中央にのせられた干しエビと葱が程よいアクセントに。
・干貝雪耳燉排翅湯
フカヒレ入りの壺蒸しスープ
聘珍樓は薬膳・アンチエイジングに拘っており、同店自慢の「フカヒレ入りの壺蒸しスープ」を賞味しました。同店のプレミアム壺蒸しスープに至っては、大変手間が掛かるスープですので、2日前までの予約が必要。一切、調味料は使っていないスープです。
金華ハム・丸鶏など上等な食材ベースのスープ仕立てとなっており、淮山(長芋を乾燥させたもの)・雪耳(白きくらげ)・紅棗(ナツメ)・玉竹(ユリ科のアマドコロ根茎を乾燥させたもの)・干貝などが具材として使用されています。
2日8時間ほどの長い時間をかけて食材を蒸しながら、じっくりとエキスをスープに閉じ込めていく過程で、食材のエキスがスープに溶け出します。
具材については、スープと融合される過程で風味を残しつつも、予想を超える味の変化が堪能でき、丁寧に食するほど、精細な違いに気づくことになります。すべてが天然素材の細かい部分にも作り手の配慮が感じられ、嬉しさがこみ上げてきます。
厳選された食材の風味が見事に調和した滋養に満ちたスープで、「食材至上主義」の聘珍樓の真骨頂が味わえるスープと言えるでしょう。
・北京皮方鴨
本格窯焼き北京ダック
黄金色に輝く丸焼きの「北京ダック」一羽がワゴンで運ばれてきました。
シェフ自らが目の前で皮と肉を取り分けてくれる迫力満点の演出ですので、カップルのほか家族連れにもオススメです。
焼きあがった皮自体はパリッとしていて軽い感じですが、焼鴨師が北京ダックの肉を水分がなくなるぐらいしっかりと丁寧に焼き上げています。
北京ダックのお肉は通常よりかなり大きくカットされているため、大変食べ応えがあり、しっかりとした味わいが特徴的。 焼きたての皮のパリパリ食感、お肉のジューシーな食感、中までしみ込んだ深い味わいを落ち着いた空間で堪能しました。
・干焼汁脆皮蟹腿
ズワイ蟹のサクサク揚げ チリソース和え
ズワイ蟹をカラッと揚げて、サクサクの状態のズワイ蟹をピリ辛のチリソースに和えていただきました。エビチリは四川料理である「千焼蝦仁(カンシャオシャーレン)」を基に、日本人の味覚に合うようにアレンジして作られた料理ですが、ズワイ蟹のチリソース揚げも上々なお味が堪能できます。
チリソースは、辛みと甘味のバランスが絶妙。ズワイ蟹はしっかりと下処理されているため、ふんわりサクサクとした食感が味わえ、極めて美味。紹興酒やワインともよく合います。
・自選麺飯
食事として3種類(麺類・チャーハン・おかゆ)提供され、お好きなもの一品選ぶスタイルです。夏場は麺類のラインナップに冷麺などが加わります。食事3種の中ではチャーハンのオーダーが一番多いようです。
左下「ジャコと海苔入りチャーハン」、中央上「あさりのお粥」、
右下「イーフー麺の煮込み トリュフオイル仕立て」
①イーフー麺の煮込み トリュフオイル仕立て
中国の五大麺の一つで広州人が一番高級と自負する伊府麺(イーフー麺)を使った煮込み麺です。
青梗菜、エノキ、白舞茸と一緒に煮込まれています。イーフー麺は、調理する時はサッとボイルして、油抜きされるため、独特の食感が楽しめます。風味がよいイーフー麺の煮込み料理で、やさしめの味つけが特徴的。トリフオイルの香りが程よいアクセントに。
②ジャコと海苔入りチャーハン
ごはん同士がくっつく余地がないパラパラの仕上がり極上チャーハンが提供されました。ジャコと海苔の風味も素晴らしく、食べる手が止まりません。
やさしくて滋味深い、毎日でも食べられそうな飽きのこない味わいが秀逸!口に入れた瞬間にうま味が広がり、かみしめるたびにその味わいがホクホクと訪れます。プロならではの見事な仕上がりに感動もひとしお。
③あさりのお粥
魚沼産のお米を使用した大変優しいお味の「あさりのお粥」。
魚沼産のお米にあさりのエキスが染み出ており美味。日本人として生まれてよかつたと思えるようなほのぼのとした五臓六腑に染み渡るような上品なお粥を堪能しました。
・杏仁豆腐・鮮果
杏仁豆腐 季節のフルーツ
杏仁豆腐はつるりとした喉越しと爽やかさを際立つ上品な仕上がりで、季節のフルーツとしてがシャインマスカットが提供されました。ミルクの甘く濃厚な味わいと滑らかな食感は、さすが名店の味とうなずくばかり。
聘珍樓の「料理長おまかせコースコース」は年4回コース内容の変更が行われ、季節ごと違った食材が楽しめます。落ち着いた大人の雰囲気漂う完全個室で会社宴会や接待などのビジネスはもちろん、記念日デートなどにも最適。日本に現存する最古の中国料理店として多くの顧客から愛されている聘珍樓の「料理長おまかせコースコース」をぜひ一度お試しください。
DRINK SELECTION:
・白茶:耳環花茶(ジャスミン茶)
早春に摘んだ若芽が作った上質な茶葉を一つ一つ小さな環状を作り上げ、高品質のジャスミンの生花から香りを移す作業を10回繰り返した高級ジャスミン茶。柔らかな口当たりで、爽やかな香りとコクのある味わいを楽しみました。
・烏龍茶:白鷺東方美人(台湾桃園産)
烏龍茶の中でも最も発酵度の高く、果実や蜜のような甘い香りと味わいで人気の高い台湾茶です。スッとした揮発性のある香りと重厚感のある果実香とが相まっており、飲むたびに新しい一面を発見できます。
・紹興酒:古越龍山 陳年10年
一度飲んだら虜となってしまうと言われる10年熟成紹興酒を注文しました。甘みと酸味のバランスと口当たりの良さが特徴的でふかひれの姿煮なとともよく合います。香りは濃厚で、澄んだ中にも熟成された深みが感じられる味わいを楽しみました。
・ブラッドオレンジジュース
イタリアやスペインなど地中海沿岸の温暖な地域で産出される赤いオレンジから作られたブラッドオレンジジュースを賞味しました。ブラッドオレンジジュースは、「シチリアの奇跡」と呼ばれ、真っ赤なボディーに濃厚な味わいと酸味の利いています。濃厚な赤色が特徴的で、果実そのものが持っている深みがある大人の味が満喫できます。程よくあとをひく酸味と美味しさがなんとも言えません。
■大阪聘珍樓(おおさかへいちんろう)
大阪聘珍樓は、個室17室を完備
明治17年、文明開花の音とともに誕生した広東料理店。創業時から継承されるおもてなしの心と一流厨師たちの職人気質を大切に、吟味された産直海鮮素材をふんだんに使い、調理には化学調味料や添加物を使用しない本格広東料理をご提供いたします。
大阪聘珍樓では、旬の海鮮料理を豊富に取りそろえてご提供させて頂いております。広東料理は「食在廣州」にたとえられるように、山海の幸の幅広い食材をふんだんに使って多種多彩に仕上げます。
住所:
大阪府大阪市北区梅田1-8-16 ヒルトンプラザイースト7F
アクセス:
地下鉄四つ橋線 西梅田駅 4A番出口より徒歩2分
JR線 大阪駅 徒歩5分
電話番号:
06-6345-5022
営業時間:
<ランチ>11:00 ~ 15:00(14:00)
<ディナー>17:00 ~ 22:00(21:00)
※()内の時間はラストオーダー。
座席:
188席(個室17室)
駐車場:駐車場あり
ヒルトンプラザ イースト・ウエスト内の駐車場をご利用くださいませ。
お一人様あたり¥3,000以上ご利用にて1時間無料、¥5,000以上ご利用にて2時間無料

■聘珍楼について
聘珍樓。百四十年の変遷は中国料理の伝統とともに・・・
1884年(明治17年)聘珍樓は横浜で産声をあげました。
たくさんの外国船が行き交い、日本で初めての蒸気機関車が煙をあげて走っていた時代です。
以来百四十年。日本に現存する最古の中国料理店として多くのお客様にご愛顧いただいております。
「良き人、素晴らしき人が集まり来る館」という 「聘珍樓」の名に込められた思いと、お客様にひたすら尽くし、吟味された素材で織りなす料理人たちの真剣勝負の数々。
私たちはこれからも、その土地の食材と中国料理の伝統と技をもって、美味しく楽しい料理を提供してまいります。
