バッティストーニ、圧巻の「アルプス交響曲」で自然と人間の交差点を描く!

アンドレア・バッティストーニが首席指揮者を務める東京フィルハーモニー交響楽団が、2025年9月14日(日)の午後、Bunkamuraオーチャードホールにで定期演奏会を開催。定期演奏会の前にリハーサルが公開された。

リハーサルでアンドレア・バッティストーニは、作曲家にとって自然は大切。音楽家と自然の繋がりは深いと強調。最期に「自然は人間の鏡である」と自然と現代人の関係性を示唆。オペラ指揮者としてスタートしたため、音楽の背後にあるドラマ性と精神性を重視する姿勢を鮮明に示しました。


撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

オペラ指揮者としてのバックグラウンドから、自然と人間の内面の交差点を描くようような、物語性を帯びた語り口が印象的だった。


撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

プログラムは、イタリアの作曲家ピツェッティによる《夏の協奏曲》とR. シュトラウスの大作《アルプス交響曲》。選曲は「自然と人間の関係」をテーマに据えたもので、イタリア北部出身のマエストロ自身の背景とも重なり、“山”を中心とした壮大な音楽の旅が描かれた。


撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

ピツェッティ作品では東京フィルが歴史を継承しつつ、新鮮な響きを提示。バッティストーニの指揮はダイナミックかつ劇的。全身を使ったジェスチャーで、オーケストラから豊かな音色を引き出した。


撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

アルプス交響曲は、シュトラウスが自身のアルプス登山体験をもとに、一日をかけて登頂・下山する自然と人間の物語を描いた交響詩的交響曲。弦の緻密なアンサンブルと、ホルン・ワーグナーテューバの健闘が際立った。


撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

アルプス交響曲は全22の標題を持ち、「夜」「日の出」「登山」「嵐」「下山」「夜」といった時間の流れに沿って展開。バッティストーニの解釈は、これらのシーンを一筆書きのように有機的に繋げながら、壮大な自然描写と人間の精神的葛藤を対比させた。


撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

バッティストーニの指揮は、劇的かつ精密。派手さに頼らず、細部のバランスとテンポのコントロールに長けており、音楽の流れと起伏が非常に丁寧に扱われていた。金管、特にホルンとワーグナーテューバは、力強くも内面の深さを感じさせる響きを作り、クライマックスの「雷雨と嵐」では音の津波のようなを圧倒的な瞬間を創り上げた。


撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

バッティストーニと東京フィルは、自然の壮大さと人間の無力さ、そしてそこから再び立ち上がる精神の旅を、音によって語らせた。会場は熱気に包まれ、終演後「金管がまばゆい」といった称賛の声が相次いだ。


撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

若くして国際的に頭角を現しているバッティストーニと東京フィルの信頼関係を裏付ける有意義な公演となった。


撮影=上野隆文/提供=東京フィルハーモニー交響楽団

■東京フィルハーモニー交響楽団
第1023回オーチャード定期演奏会

日程:2025年9月14日(日)15:00
会場:Bunkamuraオーチャードホール

指揮:アンドレア・バッティストーニ(首席指揮者)

ピツェッティ/夏の協奏曲
R. シュトラウス/『アルプス交響曲』

主催:公益財団法人 東京フィルハーモニー交響楽団
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(公演創造活動))| 独立行政法人日本芸術文化振興会/公益財団法人アフィニス文化財団
協力:Bunkamura

第1023回オーチャード定期演奏会 | 東京フィルハーモニー交響楽団
2025年9月14日(日)15:00 Bunkamura オーチャードホール