新国立劇場 2024/2025 シーズンオペラ『フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ』が2025年2月2日(日)~2月8日(土)新国立劇場 オペラパレスにて上演される。
新国立劇場『フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ』より 撮影:堀田力丸
花の都フィレンツェに広がる人間ドラマ。前衛作と絶品コメディを一挙に楽しむ贅沢なダブルビル
新国立劇場「フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ」より 撮影:堀田力丸
迷宮都市フィレンツェを手掛かりに夢幻の世界へ誘う“フィレンツェ・ダブルビル がオペラパレスに再登場 。 共に豊麗な管弦楽を伴う対照的な秀作 2 作を一挙に楽しめる贅沢な一夜です 。
耽美的な音楽で知られる 後期ロマン派の作曲家 ツェムリンスキーが作曲した、夫婦と妻の愛人の3人が繰り広げる倒錯的顛末の 前衛作 。もう一方の『ジャンニ・スキッキ』はアリア「私のお父さん」で有名な、遺産相続をめぐる騒動と若いカップルの恋を描いたプッチーニ極上の喜劇。ともに 20 世紀初頭を代表する作曲家による、たった1幕に人間模様がぎゅっと凝縮された秀作のカップリ ングです 。
トーマス・ヨハネス・マイヤー、ピエトロ・スパニョーリら最高峰の歌手登場!
『フィレンツェの悲劇』のキャストには、艶やかな声と深い表現力で圧倒的人気を誇るバリトンのスター、トーマス・ヨハネス・マイヤーがシモーネ役に 、対するグイード役には強靭な声を誇る テノール、 デヴィッド・ポメロイが登場。 『ジャンニ・スキッキ』タイトルロールにはイタリアの人気 バリトンのピエトロ・スパニョーリが 芸達者ぶりを発揮します。 砂田愛梨、村上公太ほかずらりと揃う日本人キャストの活躍も注目です。
花の都フィレンツェに渦巻く人間ドラマ 。ツェムリンスキーの悲劇とプッチーニの喜劇を一挙上演!
新国立劇場「フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ」より 撮影:堀田力丸
シーズンに 新制作上演した フィレンツェ・ダブルビル 。 フィレンツェを舞台にした 20 世紀オペラ 2 本 を一挙に楽しめるダブルビル上演 は、大きな話題となりました。
『フィレンツェの悲劇』1917 年シュトゥットガルト宮廷劇場で初演)は、耽美的で豊麗な音楽で知られるツェムリンスキーの代表作。デカダンス文学の旗手オスカー・ワイルドの戯曲を原作に、夫婦と妻の愛人の3人が繰り広げる奇妙な悲劇を描きます。ツェムリンスキーはマーラーに見出されて世紀転換期のウィーンで活躍していた作曲家で、豊潤な前奏曲や終盤の官能的な二重唱では、後期ロマン派ならではの色彩豊かで壮麗な音楽が堪能できます。
『ジャンニ・スキッキ』(1918 年メトロポリタン歌劇場初演)は富豪の遺産相続をめぐる強欲な人間たち の騒動と若いカップルの恋 をテンポよく描いたプッチーニ晩年の1幕物 。 『三部作』を締めくくるとびきりの喜劇です。 ラウレッタのアリア「私のお父さん」は、ソプラノの名曲として コンサートで歌われることも多く、テレビCMなどでもお馴染みの人気曲です。
ともに20 世紀初頭を代表する作曲家による、 1 幕に人間模様が凝縮された秀作が、フィレンツェという奥深い芸術の街を舞台に繰り広げられます。
フィレンツェの闇 、裏社会 に光を当てる粟國淳演出
新国立劇場「フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ」より 撮影:堀田力丸
幕が開くと、舞台には植物の根 に浸食された 重厚な建築 が登場し、欲望の渦巻く『フィレンツェの悲劇』のグロテスクさ を 暗示 。 腹を探り合う 男女 3人の心理劇が 、 官能的な音楽と共に繰り広げられます。
対する『ジャンニ・スキッキ』では舞台が一転、巨大な書斎机の上で、ミニチュアになった大勢の登場人物たちがちょこまかと私利私欲に邁進する姿を、一種のブラックジョークとして観察することになります。 フィレンツェの裏社会を覗き見するようなプロダクションは、贅沢極まる大人のエンターテインメントです。
マイヤー&スパニョーリ、世界随一の名バリトンが登場
『フィレンツェの悲劇』3人のキャストは、ワーグナーやR.シュトラウスをレパートリーに、艶やかな声と深い表現力で圧倒的人気を誇るバリトンのスター、トーマス・ヨハネス・マイヤーと、強靭で輝かしい声を誇り、オペラ夏の祭典『トゥーランドット』のカラフでもその声を印象付けたテノール、デヴィッド・ポメロイ、そして輝かしく強い声と繊細な表現で“ブリュンヒルデ歌い”として躍進中のソプラノ、ナンシー・ヴァイスバッハという贅沢な顔合わせ。
『ジャンニ・スキッキ』タイトルロールにはブッフォを得意とするイタリアの人気バリトン、ピエトロ・スパニョーリが登場します。ラウレッタとリヌッチョの若いカップルには、イタリアを拠点にスター街道を駆け上っている大注目のソプラノ砂田愛梨、国内トップテノールとして活躍する村上公太と、新国立劇場オペラ研修所出身のふたり。共演者にずらりと揃う実力派歌手陣も楽しみです。
指揮は後期ロマン派を特に得意とする、日本有数のオペラ指揮者 沼尻竜典が 、絶賛された2019年の本作の初演に続き登場します。
【あらすじ】
『フィレンツェの悲劇』
商人シモーネは、妻ビアンカとフィレンツェ公グイードの浮気を疑う。夫の死を願うビアンカ。男2人は決闘することになり、シモーネがグイードを絞め殺す。ビアンカは夫の強さに恍惚となり、シモーネは妻の美しさを讃える。
『ジャンニ・スキッキ』
亡くなったばかりの大富豪ブオーゾの寝室。遺産が修道院に寄付されると知り、親類たちは愕然とする。ブオーゾの甥リヌッチョと結婚したい娘ラウレッタに懇願され、ジャンニ・スキッキは遺言状を書き換える計画を立てる。
■新国立劇場 2024/2025 シーズン オペラ
アレクサンダー・ツェムリンスキー
フィレンツェの悲劇
Eine florentinische Tragödie / Alexander Zemlinsky
全1幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
ジャコモ・プッチーニ
ジャンニ・スキッキ
Gianni Schicchi / Giacomo Puccini
全1幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
公演期間:
2025年2月2日[日]~2月8日[土]
予定上演時間:
約2時間35分(休憩含む)
STAFF:
【指揮】沼尻竜典
【演出】粟國 淳
【美術】横田あつみ
【衣裳】増田恵美
【照明】大島祐夫
【舞台監督】CIBITA斉藤美穂
CAST:
『フィレンツェの悲劇』
【グイード・バルディ】デヴィッド・ポメロイ
【シモーネ】トーマス・ヨハネス・マイヤー
【ビアンカ】ナンシー・ヴァイスバッハ
『ジャンニ・スキッキ』
【ジャンニ・スキッキ】ピエトロ・スパニョーリ
【ラウレッタ】砂田愛梨
【ツィータ】与田朝子
【リヌッチョ】村上公太
【ゲラルド】青地英幸
【ネッラ】針生美智子
【ゲラルディーノ】網永悠里
【ベット・ディ・シーニャ】志村文彦
【シモーネ】河野鉄平
【マルコ】吉川健一
【チェスカ】中島郁子
【スピネッロッチョ先生】畠山 茂
【アマンティオ・ディ・ニコーラオ】清水宏樹
【ピネッリーノ】大久保惇史
【グッチョ】水野 優
【管弦楽】東京交響楽団
【料金】 S:26,400円 ・ A:22,000円 ・ B:15,400円 ・ C:9,900円 ・ D:6,600円 ・ Z:1,650円

新国立劇場 オペラトーク『フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ』(ダイジェスト版)