新国立劇場 新シーズン開幕は、初ベッリーニ!『夢遊病の女』<新制作>

テアトロ・レアル2022年公演より © Javier del Real | Teatro

新国立劇場(東京都渋谷区)オペラ新シーズンのオープニングを飾るのは、ベッリーニ『夢遊病の女』。待望の新国立劇場初上演です。オペラの華“ベルカント・オペラ”ならではの優美な音楽を、極上のアーティスト揃いでお届けします。『夢遊病の女』はスイス・アルプスの山村を舞台に結婚をめぐる愛のもつれを描く、とびきりロマンティックなオペラ。叙情的な音楽の宝庫で、甘く情感豊かな旋律(=メロディ)はベッリーニならではの美しさです。オペラ界の大スター、アントニーノ・シラグーザ、シュトゥットガルトの歌姫クラウディア・ムスキオ、そしてイタリア・オペラの重鎮指揮者マウリツィオ・ベニーニと豪華メンバーが出演します。孤独な女性アミーナの心理にフォーカスした、バルバラ・リュックの現代的な演出も見どころです。

“オペラの華”ベルカント・オペラの代表ベッリーニ『夢遊病の女』がオペラパレスに初登場!ロマン派を席巻したベッリーニの完璧な旋律美は音楽ファン必聴!

『夢遊病の女』のほか『ノルマ』『清教徒』などのオペラで知られる作曲家ベッリーニ(1801~1835)は、ベルカント・オペラを代表する作曲家。“ベルカント”の名にふさわしい、甘く官能的で優美な旋律が特徴で、その旋律美はピアノの詩人・ショパンを魅了し、ワーグナーにもその美しさと完璧さが賞賛され、19世紀前半パリ・ロマン派の楽壇で一世を風靡しました。ベッリーニのオペラが、新国立劇場のシーズンに登場するのは今回が初。クラシック、特にロマン派音楽のファンの方には必聴です。

『夢遊病の女』は主題も極めてロマン的で、スイス・アルプスを舞台にした若いカップルの愛の物語が、叙情的で瑞々しい音楽で描かれます。実は夢遊病のアミーナと婚約者エルヴィーノ、エルヴィーノの元恋人で野心的なリーザ、リーザの恋人アルフィオの暮らす村をロドルフォ伯爵が訪れたことで、誤解からすれ違ってしまう恋人たち。歓び、激情、悲しみと、愛をめぐる豊かな感情が美しいアリアで歌われます。芸術の秋、ロマンティックな音楽に身を委ねたい方にお薦めしたい、とっておきのオペラです。

 © Javier del Real | Teatro

アミーナ役には、期待の新星クラウディア・ムスキオが新国立劇場初登場。イタリア出身でシュトゥットガルト州立歌劇場専属歌手のムスキオは、甘い声と正確なテクニック、そして並外れた演技力でファンを集め、権威あるオペラ誌「Opernwelt」の2023年最優秀歌手にもノミネートされた注目のソプラノです。今年7月には現地のファンの期待の中でアミーナ役にデビュー、その表現力で感動を誘い、連日スタンディング・オベーションの熱狂を巻き起こしました。

エルヴィーノ役は世界最高峰のベルカント・テノール、アントニーノ・シラグーザ。世界の主要歌劇場を飛び回り、超絶的なテクニックで圧倒的人気を誇る大スターのシラグーザが、新国立劇場には2013年『愛の妙薬』以来なんと11年ぶり、待望の登場です。

日本人キャストも妻屋秀和谷口睦美伊藤晴近藤圭と実力派揃い。今秋、極上のアーティストによるベルカント・オペラ『夢遊病の女』がオペラパレスに響きます。


左上よりM.ベニーニ、B.リュック、C.ムスキオ、A.シラグーザ、妻屋秀和、谷口睦美、伊藤晴、近藤圭

指揮は『トスカ』の伝説的名演に続き、イタリア・オペラを知り尽くす名匠マウリツィオ・ベニーニが登場。新国立劇場で指揮した『リゴレット』『トスカ』では、歌手にたっぷりと歌わせ、オーケストラを存分に鳴らし、情熱的な演奏で聴衆の心を鷲掴みにして劇場を熱狂させ、リピーターを続出させました。ベニーニならではの絶妙な呼吸と劇的な演奏は、イタリア・オペラの真髄を伝えるもの。ベニーニはまたベルカント・オペラの専門家として名を馳せ、メトロポリタン歌劇場や英国ロイヤルオペラなど世界の著名劇場でベルカント・オペラの指揮を任されて、歌手・オーケストラ双方の音楽、とりわけ旋律の美しさを際立たせる手腕が絶賛されています。今回も日本の観客に「最もイタリア的」なベルカント・オペラを紹介すると意気込みます。


マウリツィオ・ベニーニ(指揮)

名匠ベニーニが語る『夢遊病の女』を動画でお楽しみいただけます。

①    日本のお客様へメッセージ https://www.youtube.com/watch?v=0MjOHZDCazQ

②    オーケストラと合唱団   https://www.youtube.com/watch?v=vfXrMWtytW4

③    作曲家ベッリーニの魅力 https://www.youtube.com/watch?v=Kp0rRKM_dmU

演出は英国ロイヤルオペラなどで活躍する気鋭の演出家バルバラ・リュック。俳優からオペラ演出家に転身し、作品を丁寧に深く読み解く力が賞賛される注目株です。

『夢遊病の女』も彼女ならではの感性で読みほぐし、閉ざされた山村の社会と、そこに生きる孤独な女性アミーナの心情を浮き彫りにし、2022年のマドリード初演でも大いに話題となりました。アミーナの孤独や不安、恐れを表す、ダンサーたちの心理表現も注目です。

本プロダクションはスペインのテアトロ・レアル(マドリード)及びバルセロナ・リセウ大劇場、イタリアのパレルモ・マッシモ劇場との共同制作で、2022年12月にマドリードで初演されています。

バルバラ・リュック(演出)
© Javier del Real | Teatro

『夢遊病の女』は合唱の役割が重要で、オペラの合唱の魅力が余すところなく活かされているのも聴きどころのひとつです。新国立劇場が誇る合唱団がもう一人の主役のように活躍するため、ファンの皆さんにもお楽しみいただけること間違いありません。起伏に富んだ音楽と共に、アミーナを取り巻く村人たちとなって物語を動かす存在感にも、ご期待ください。

『夢遊病の女』ものがたり

スイスの小さな村で間もなく結婚を迎えるアミーナとエルヴィーノ。お忍びで村にやってきた領主の跡取りロドルフォ伯爵が投宿した宿屋を、その夜夢遊病のアミーナが訪れ、無意識のまま彼のベッドで寝入ってしまい、集まった村人たちを驚愕させる。不実を疑い結婚をやめると言い出したエルヴィーノと、これを機によりを戻そうとするリーザ。ロドルフォ伯爵はアミーナの潔白を証明しようと奔走するが、若き恋人たちの運命は….。

© Javier del Real | Teatro

 新国立劇場『夢遊病の女』ダイジェスト映像

新国立劇場2024/2025シーズンオペラ 開幕公演 『夢遊病の女』

【公演日程】

2024年10月3日(木)18:30/6日(日)14:00/9日(水)14:00/12日(土)14:00/14日(月・祝)13:00

【会場】新国立劇場オペラパレス

【スタッフ・出演】指揮:マウリツィオ・ベニーニ/演出:バルバラ・リュック/出演:妻屋秀和、谷口睦美、クラウディア・ムスキオ、アントニーノ・シラグーザ、伊藤 晴、近藤 圭、渡辺正親/合唱:新国立劇場合唱団/管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

【チケット料金】 S:29,700円 ・ A:24,200円 ・ B:17,600円 ・ C:11,000円 ・ D:7,700円・ Z(当日のみ):1,650円

夢遊病の女
新国立劇場のオペラ公演「夢遊病の女」のご紹介。 新国立劇場では名作から世界初演の新作まで、世界水準の多彩なオペラを上演しています。

【チケットのお求め】新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999

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