ホテルオークラ東京は、去る2021年12月に行われた選考会を経て、第23回ホテルオークラ音楽賞の受賞者を上村 文乃(チェロ)、田原 綾子(ヴィオラ)の両氏に決定しました(以下敬称略)。
同賞は1996年の開業35周年を機に、めざましい活躍を遂げ、さらに将来が嘱望される若手の音楽家支援・育成のための制度として創設されました。当社の社会貢献・芸術文化事業の一環として、2000年以降は毎年受賞式と併せ、ホテルの公共性を活かした受賞記念演奏会を実施しています。
- 第23回(2021年度)ホテルオークラ音楽賞
【受賞者】
上村 文乃(チェロ) / 田原 綾子(ヴィオラ)
【選考委員】
選考委員長 :
成瀬 正治
(株式会社ホテルオークラ東京 代表取締役社長)
選考委員 :
堤 剛
(チェリスト、桐朋学園大学 特命教授、公益財団法人サントリー芸術財団代表理事、サントリーホール館長、日本藝術院会員)
大友 直人
(指揮者、東京交響楽団名誉客演指揮者、京都市交響楽団桂冠指揮者、琉球交響楽団音楽監督、
高崎芸術劇場 芸術監督)
寺西 基之
(音楽評論家、公益財団法人東京交響楽団 監事、公益財団法人東京二期会 評議員、 公益財団法人アフィニス文化財団 理事、公益財団法人日本ピアノ教育連盟 評議員、公益財団法人日本交響楽振興財団 評議員)
【奨励金】各100万円
【副賞】The Okura Tokyo ペア宿泊券、記念トロフィー
なお授賞式および受賞記念演奏会を開催いたします。
詳細は以下のURLよりご確認ください。
【第23回 ホテルオークラ音楽賞 授賞式および受賞記念演奏会のご案内 公式ウェブサイト】
https://theokuratokyo.jp/letter/news/kinen-2022_3/
※ページ公開は2022年2月3日(木)15:00
<第23回受賞者紹介>
上村 文乃(チェロ)
『チェロというと通常はモダン・チェロを指すが、これは17~18世紀のバロック・チェロと仕様、構造も弓も、そして奏法もまったく異なる。その両方を自由にこなせるチェリストは数が限られるが、上村文乃さんはそうした二刀流の名手である。モダン・チェロを弾いては伸びやかでダイナミックなスケール感の中に濃(こま)やかなカンタービレを聴かせ、バロック・チェロにおいては古楽にふさわしい言葉を語るような奏法を生かすというように、彼女の表現力の豊かさには目を見張るものがある。ソリストとしてのめざましい活躍は勿論のこと、室内楽やアンサンブルにも力を入れ、特に最近は古楽器のオーケストラのメンバーとしても重要な存在となるなど、その活動の幅の広さも注目されよう。彼女のこうした懐の深さは今後ますます音楽家としての彼女を大きく成熟させていくに違いない。稀にみる大器として、今後彼女がどのような活動を展開してくれるのか楽しみである』
【経歴】第5回東京音楽コンクール第2位。第4回ルーマニア国際音楽コンクール第1位、第80回日本音楽コンクール第2位、2015年トレヴィーゾ市国際音楽コンクール第1位など入賞歴多数。桐朋学園大学ソリストディプロマコース卒業後、ハンブルグ音楽演劇大学とバーゼル音楽院に留学。リサイタルをはじめオーケストラ共演や室内楽の演奏も高く評価されている。国内外の数多くの音楽祭への参加ならびにトリパルティ・トリオやバッハ・コレギウム・ジャパンのメンバーとしても活躍中。
田原 綾子(ヴィオラ)
©︎Hisashi Morifuji
『ヴィオラという楽器はどこか落ち着いた感じの音色を特色とし、またアンサンブルではふつうは内声を受け持つこともあって、とかく地味な楽器と思われがちだが、実際はとても豊かな表現力を備えた楽器である。田原綾子さんはまさにヴィオラの持つそうした様々な表現力を引き出すことができる逸材である。音色の微妙な変化や、骨太の力強さからデリケートな美しさまでの多様な表情など、ヴィオラの美質を十二分に生かした彼女の演奏からは、この楽器に秘められた可能性を様々な角度から追求しようという強い意志のようなものが伝わってくる。アンサンブル奏者としても優れたセンスを示し、曲におけるヴィオラの果たす役割を的確に捉えながら共演者と一体となってアンサンブルを形作っていこうとする姿勢は高く評価される。今後ソリストおよびアンサンブル奏者の両面での一層の活躍を通して、日本を代表するヴィオラ奏者として大成することを期待したい』
<選評>ともに寺西 基之(音楽評論家)
【経歴】第11回東京音楽コンクール第1位および聴衆賞、ルーマニア国際音楽コンクール全部門グランプリを受賞。読売日本交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京都交響楽団などと共演、室内楽奏者としても国内外の著名アーティストと多数共演するほか、オーケストラの客演首席も務めるなど、活躍の幅を広げている。デトモルト音楽大学にてファイト・ヘルテンシュタイン氏に師事。サントリー芸術財団よりPaolo Antonio Testoreを貸与。
- <参考>ホテルオークラ音楽賞 歴代受賞者
第1回 (1996年度) 矢部 達哉(ヴァイオリン)緑川 まり(声楽/ソプラノ)
第2回 (2000年度) 阪 哲朗(指揮) 佐々木 典子(声楽/ソプラノ)
第3回 (2001年度) 徳永 二男(ヴァイオリン) 森 麻季(声楽/ソプラノ)
第4回 (2002年度) 上岡 敏之(指揮)高橋 薫子(声楽/ソプラノ)
第5回 (2003年度) 小川 典子(ピアノ)林 美智子(声楽/メゾソプラノ)
第6回 (2004年度) 若林 顕(ピアノ)大萩 康司(ギター)
第7回 (2005年度) 小山 実稚恵(ピアノ)アントネッロ(古楽アンサンブル)
第8回 (2006年度) 庄司 紗矢香(ヴァイオリン)小菅 優(ピアノ)
第9回 (2007年度) 村冶 佳織(ギター)佐藤 俊介(ヴァイオリン)
第10回(2008年度) 神尾 真由子(ヴァイオリン)田村 響(ピアノ)
第11回(2009年度) 辻井 伸行(ピアノ)南 紫音(ヴァイオリン)
第12回(2010年度) 金子 三勇士(ピアノ)松田 理奈(ヴァイオリン)
第13回(2011年度) 宮田 大(チェロ)萩原 麻未(ピアノ)
第14回(2012年度) 河村 尚子(ピアノ)横坂 源(チェロ)
第15回(2013年度) 成田 達輝(ヴァイオリン)三浦 文彰(ヴァイオリン)
第16回(2014年度) クァルテット・エクセルシオ(弦楽四重奏)郷古 廉(ヴァイオリン)
第17回(2015年度) 崔 文洙(ヴァイオリン)上野 星矢(フルート)
第18回(2016年度) 鈴木 優人(指揮・作曲・ピアノ・チェンバロ・オルガン)新倉 瞳(チェロ)
第19回(2017年度) 毛利 文香(ヴァイオリン)山根 一仁(ヴァイオリン)
第20回(2018年度) 小林 沙羅(ソプラノ)岡本 侑也(チェロ)
第21回(2019年度) 藤田 真央(ピアノ)服部 百音(ヴァイオリン)
第22回(2020年度) 葵トリオ(ピアノ三重奏)カルテット・アマービレ(弦楽四重奏)
- 音楽分野メセナ活動 ~音楽は次代や国境を越えて響くメッセージ~
当社は開業以来、世界に誇る日本の国際ホテルを目指し、ホテル事業の特性である公共性を活かした「音楽」、「美術」、「国際交流」を柱に、芸術・文化の支援活動を行っています。ホテル開業55周年を迎えた2017年には、企業メセナ活動を通じた交流が豊かな未来社会への創造力となることを目指し、「Hotel Okura Tokyo Cultural Fund」を設立しました(その後、2019年9月The Okura Tokyo開業に際し、ファンド名を「The Okura Tokyo Cultural Fund」に変更しています)。本ファンドを通じた芸術・文化の支援活動が、光り輝く未来へとつながっていくことを願い、「ロビーコンサート25」や「ホテルオークラ音楽賞」開催時には、会場内で募金への協力を要請しています。その収益は主に子供たちの芸術・文化活動への援助となり、2019年度までに9件の助成を行いました。
<寄付・助成実績> 2017年より
https://theokuratokyo.jp/company/mecenat/cultural_fund/
<寄付先>
https://culfun.mecenat.or.jp/project/fund/detail/1410
【The Okura Tokyoについて】
ホテル名称:The Okura Tokyo(読み:ジ・オークラ・トーキョー)/日本語表記:オークラ東京
開業日:2019年9月12日
客室数:508室、宴会場数:19、レストラン:5、バー:3
The Okura Tokyoは、グループの旗艦ホテルとなるラグジュアリーブランドとして 2019年9月12日に開業いたしました。世界に通じるもてなしの心はそのままに、日本の美をたたえ、情緒と歴史をまとう17階建て「オークラ ヘリテージウイング」と、世界の都市・東京を体現するモダニズムと躍動感にあふれる高層棟41階建ての「オークラ プレステージタワー」の2棟から構成されております。
〒105-0001
東京都港区虎ノ門2-10-4
TEL: (03) 3582-0111(代表)
アクセス:東京都メトロ日比谷線・虎ノ門ヒルズ駅より5分(宴会場入口まで)、銀座線虎ノ門駅より10分
webサイトURL:https://theokuratokyo.jp/
インスタグラム公式アカウント:https://www.instagram.com/theokuratokyo/
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